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仮面ライダーエグゼイド この手の中

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第四章

「おかしいだろ」
「これはどういうことだ」
「さてな、しかしな」
「それでもだな」
「うむ、この土管は急に出て来た」
「御成達がこんなのここに置く訳ねえしな」
「そもそも誰が中庭にこんな土管を置く」
 仙人はユルセンに顰め面で問うた。
「相当な変人でもないと置かんぞ」
「そうだよな、おっさん以上に変な奴でもないとな」
「待て、わしは変か」
「おい、今まで自覚してなかったのかよ」
「わしの何処が変だ」
「見るからに変質者じゃねえかよ」
「わしは紳士だぞ」
 自分で言う仙人だった。
「変質者とは心外な」
「じゃあ不審者だな」
「大して変わっておらんぞ」
「おう、訂正するつもりもねえしな」
 あくまで言い合う二人だった、だが何はともあれ土管のことがあるので仙人はユルセンにあらためて言った。
「とりあえずこれはどうする」
「誰が置いたかも気になるがな」
「こんなところに土管があっても邪魔だ」
「ああ、さっさとどっかにどけようぜ」
 こうした話になって仙人はシャベルを持って来てそうしてそれで掘り出して何処かに放り捨てることにした、だがシャベルを持って来たところでだ。
 土管から黒服の長身の男が腕を組みドヤ顔で出て来た、そうして高らかに叫んだ。
「私は不滅だ!今再びゲームをはじめよう!」
「むっ、土管からいきなり出て来たぞ」
「おい、見るからにやばい奴だな」 
 仙人とユルセンはその男を見てまずはこう話した。
「いきなり出て来たしな」
「何だこの男は」
「待てよ、こいつどっかで見たことねえか?」
 ユルセンは男の顔に間近まで寄ってそうしてだった、男が自分を見るのをスルーしてその顔を見続けて言った。
「あっ、こいつあれだぞ」
「そういえばこの男は」
 仙人も男を指差してはっとした顔になった。
「あの指名手配犯の」
「檀黎斗じゃねえか」
「この男一回死んでバグスターになってまた死んだのではなかったのか」
「ひょっとしてまたまた生き返ってきたのかよ」
「私は不滅だと言った」
 檀は自分が何者か気付いた仙人とユルセンに誇らしげに言った。
「何度死のうと蘇るのだ!」
「おめえは死んだままでいいんだよ」
 ユルセンはその檀に即座に突っ込みを入れた。
「世の為人の為にな」
「迷惑をかけるなというのか」
「手前おっさんより遥かに迷惑かけまくってるからな」
 ユルセンが仙人以上に、迷惑という意味でこう言う数少ない男であった。
「そのまま死んでてもよかったんだよ」
「戯言だな、何度も言うが私はだ」
「ああ、不滅だっていうんだな」
「そうだ、そして生き返ったからにはだ」
「また迷惑行為繰り返すんだな」
「警察に通報するか」
 仙人は懐からスマホを出していた、それを手にユルセンの傍まで来て囁いた。
「今からな」
「ああ、そうしたら仮面ライダー達も来てくれるしな」
「ライダーというとタケル達も呼ぶか」
「うむ、どっちにしろ野放しには出来んからな」
「野放しにすると危険なことこの上ねえぞ」
「そうだな、では即座に通報するか」
「通報するならするといい、誰も私を止められない」
 檀はまだ誇らしげに笑っていて言う。 
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