ドリトル先生と奇麗な薔薇園
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第十一幕その四
「骨格を組んでもね」
「成程ね」
「そこを学んでいくのも学者ってことだね」
「そういうことだね」
「そうだよ、じゃあ今から書いていくよ」
恐竜についての論文をというのです、そうして先生は紅茶を飲んでから論文を書きはじめるのでした。
この日も十時にはティータイムを楽しんでお昼御飯も食べましたが講義もあったりして充実した一日でした、そうして三時になって。
先生は講義が終わってからのティータイムを終えてから皆に言いました。
「ちょっと気分転換も兼ねてね」
「それでだね」
「何処かに行くのね」
「うん、朝に僕の心の薔薇のことを話したから」
それでというのです。
「植物園に行こうか」
「それで薔薇園にだね」
「行って薔薇を観るのね」
「そうしようっていうのね」
「うん、どうかな」
こう皆に提案するのでした。
「これからね」
「いいね」
「じゃあ今から行こう」
「薔薇園にね」
「それで薔薇を観ましょう」
「是非ね、薔薇に何かと縁があるね最近」
こうも思った先生でした。
「面白いことに」
「うん、先生が薔薇園の虫の問題を解決してね」
「それから何かとね」
「舞台の演出にも協力したし」
「そう思うとね」
「最近先生薔薇と縁があるわね」
「実際にそうだね」
動物の皆もその通りだと答えます。
「不思議というか面白いというか」
「そうなってるね」
「これも何かの縁かな」
「そうしたものかしら」
「うん、縁があるからね」
それならばとです、先生は皆に応えました。
「こうして薔薇と関わるんだろうね」
「これも神様のお導きね」
「偶然の様でそうね」
「そういうことなのね」
「そうだね、偶然は実は偶然じゃない」
先生は微笑んで言いました。
「神様のお導きだよ」
「そうだよね」
「それじゃあそのお導きに従って」
「薔薇に縁があるから、最近は」
「薔薇を観に行きましょう」
「そうしようね」
先生は立ち上がりました、そうして皆と一緒に薔薇園に行きました。そこで様々な色の薔薇達を観ますが。
その薔薇達を観てです、動物の皆は言うのでした。
「ううん、やっぱりね」
「先生がどの薔薇なのかは」
「ちょっと言えないね」
「具体的には」
どうにもというのでした。
「赤?白?黄色?」
「青かな」
「紫や黒かも」
「ピンクはないと思ったけれど」
「それもあるかな」
「実は」
こう思うのでした。そして。
緑の茎や葉を観てこうも言い合いました。
「何か緑もね」
「うん、あるかも」
「ひょっとしたら」
「お花じゃなくてね」
「ひょっとしたら」
ただ棘は観ていません、先生のお心には棘といったものは誰が見ても全く見られないからなのです。
それで棘はないと思いましたがそれでもです。
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