空の勇者
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第三章
「私も戦わなくてはならないが」
「大尉だけでなく」
「君もだ」
こう彼に言うのだった。
「そしてひいてはだ」
「ドイツの者全てがですね」
「戦ってこそだ」
「勝てますね」
「だからこれからもだ」
「はい、戦いましょう」
「ドイツの者全てでな」
この言葉の後でだ、二人は握手をした。その後で彼は待機室を後にしたがここでこう言ったのだった。
「私はこの日のことを忘れない」
「二度とか」
「そうなのか」
「そうだ、忘れない」
決してとだ、こう言ってだった。
彼は自分と戦友達に用意された隊舎に入った、そこで暫くは援軍としてこの日話した彼と共に戦った。
援軍の任務が終わってから飛行場を後にしたがここでだった。
彼はまた英雄と話をして最後の握手をして別れた、そうして自分達の飛行場に帰ってから戦友達に話した。
「私はこの日のことを忘れない」
「彼と話したことをか」
「そのことをか」
「そうだ、終生だ」
以前言っていた通りにというのだ。
「そうしたい」
「そうか、確かに素晴らしい人物だった」
「堂々としていて精悍でな」
「しかも折り目正しい」
「騎士道精神に満ちた人物だった」
「まさに空の騎士だった」
「本当にそうだった、空で戦う者の理想がある」
会った彼にはというのだ。
「あれだけ素晴らしい人物がいるとはな」
「素晴らしいことだな」
「全く以てな」
「しかもその英雄が我が軍にいる」
「何と有り難いことか」
「私もそう思う、彼はドイツの誇りでだ」
彼はさらに言った。
「私は彼と会えたことを終生の喜びとする」
「以前言った通りに」
「そうしていくか」
「是非な」
こう言ってだ、そのうえでだった。
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