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『腐敗の館』

作者:零那
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『執念』



敵意を剥き出し、睨み付ける。何もかもが悪の塊だと思い込む。誰も何も触れるな。総てに牙を剥く。総てを刃で抉る。

突き進む真っ暗な邪道。公務員の正義なんぞ何も役に立たない。そんな薄っぺらい正義なら要らない。

連れ出してくれる人も居ない。抜け出せれる知識もない。逃げる術もない。逃げる処もない。

途方もない人生に幕を下ろす。何度も何度も幕を下ろすのに、また幕は上げられる。

逝かせてもらえない。笑顔なんてものは日常にない。苦しみや悲しさは越えた。その次の憎しみや殺意だけ。

もう何年も続いた。感情すら消す技術を身に付けた。身体の痛みなんていつかは消える。心の傷はいつでも鮮明にイタむ。

殺意は消えない。消せない。消さない。永遠に憎しみ続ける。不幸ばかりが襲いかかればいい。


 
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