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空に星が輝く様に

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487部分:第三十八話 明るい運命その八


第三十八話 明るい運命その八

「夜にね」
「お酒?」
「それともカラオケ?」
「じゃあスタープラチナとか?」
「あっ、あそこじゃなくて」
 八条町の学生達が遊びのスポットではないというのだ。
「ううんと、夜空を見にね」
「星華ちゃんが夜空ね」
「何か意外?」
「そうよね」
 三人はそう聞いてだ。きょとんとした顔になって述べた。
「バスケってイメージ強いから」
「それはちょっと」
「なかったけれど」
「誘われてね」
 星華はこのことも話した。そしてだ。彼女の名前も出した。
「ほら、三組の」
「三組ってあの」
「斉宮のクラスよね」
「そこの人なの」
「うん、ほらあの娘よ」
 名前を出すのは少し戸惑った。三人と彼女のこと、自分自身と彼女のかつてのことが脳裏に浮かんでだ。そうなってしまったのだ。
 だが意を決してだ。星華はその名前を出したのだった。
「椎名愛海」
「ああ、あいつ」
「あのチビね」
「あいつが?」
「そう、あの娘に誘われたの」
 こう三人に話すのだった。
「夜空。一緒に見ないかって」
「あいつにって」
「何で?」
「何があったのよ」
 三人は驚きを隠せないといった様子で星華に尋ねた。
「仲悪かったじゃない」
「私達もね」
「そうよね」
「それで誘われるって」
「友達になったとか?」
「そうなの?」
 三人が尋ねるとだった。星華もこう言うのであった。
「実はそうなの」
「あのチビと友達になったって」
「何、それ」
「凄い展開」
「っていうか有り得ないし」
 三人はその驚きの言葉を続ける。
「あんなに嫌い合ってたのに」
「それでもって」
「ううん、ちょっとねえ」
「縁があってね」
 星華は多くは語らなかった。ここではだ。
「それでなの」
「何かよくわからないけれど」
「それでもね」
「一緒になのね」
「そうなの」
 それは確かだというのだ。
「一緒に夜空をね」
「ううん、じゃあ」
「そうよね」
「星華ちゃんが決めたんならね」
 そして三人はだ。顔を見合わせてだ。そのうえで星華に顔を戻してこう言うのであった。
「いいか」
「うん、いいよね」
「それじゃあね」
「いいのね」
 そして三人の言葉を受けてだ。星華も言葉を返した。
「あの娘と一緒に行って」
「前なら何で?ってなったけれどね」
「私もね、それは」
「やっぱりね」
 しかし今は違うとだ。三人は言うのだった。
「けれど。あのチビ、いえあの娘のこともね」
「少しずつわかってきたし」
「だからね」
 それでだというのであった。
「行ってきたらいいわ」
「多分。星華ちゃんにとってもそれがいいし」
「だからね」
 それでだと話す三人だった。そしてだ。
 
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