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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第十幕その八

「幸せな人だったよ」
「というかね」
 ここで言ったのはジップでした。
「革命って名前はよくても」
「実際は本当に酷いね」
 チーチーも言いました。
「さっきお話した通りにね」
「沢山の人達が死ぬんだね」
 ガブガブは普段とは違って項垂れている風になっています。
「無実の罪で」
「そう思うと起こらないに越したことはないね」
 ホワイティもこう言います。
「そこに暴力があるなら」
「名誉革命みたいなものでないと」
 老馬は自分達のお国の革命を思うのでした。
「駄目だね」
「社会が一気によくなるかも知れないけれど」
「その中で沢山の人が死ぬなら」
 どうかとです、オシツオサレツは言いました。
「よくないね」
「フランス革命にしても他の革命にしても」
「どうも人が起こすんじゃなくて成り行きでなっていく感じもあるけれど」
 ダブダブは先生のお話からこのことを感じていました。
「起こっていいものではないのは確かね」
「それをしきりに起こそうって人達もいたけれど」
 ポリネシアはそのフランス革命のお話からこのことがわかったのです。
「いいことじゃないわね」
「というか暴力はよくないよ」 
 トートーはこの時点から言うのでした。
「そもそもね」
「そうそう、暴力はよくないよ」
「無制限なそれはね」
 最後にチープサイドの家族がお話します。
「関係ない人まで死んで」
「色々なものが壊されるから」
「そうだよ、実際にフランス革命でフランスは多くの人命とものを失ったよ」 
 そうなってしまったというのです。
「だから革命前の方がずっとよかったって言う人もいるんだ」
「そこまでなのね」
「あまりにも沢山の人が死んで」
「沢山のものが壊されたから」
「だからなんだ」
「革命前の方がよかったかもってなるんだ」
「そうだよ、僕もね」
 かく言う先生ご自身もというのです。
「そもそも暴力は否定しているね」
「うん、先生のいいところの一つだよ」
「暴力を否定しているのは」
「そのことはね」
「そう、暴力で何かをしようとしたら」
 それこそというのです。
「悲劇と惨劇が伴うよ」
「そうですね、ただ日本では」
 トミーは先生の言葉に難しいお顔で応えました。
「どうも」
「その暴力革命をだね」
「まだ考えている人達がいますね」
「共産主義にしようとね、日本を」
「そうですよね」
「沖縄とかの基地反対運動があるね」
「あれはですね」
 先生が実際に沖縄で見たそれはというのです。
「まさに」
「そう、そうした人達の運動だよ」
「もう公道を占領したり救急車を止めたりやりたい放題ですね」
「近寄ったら物凄いしね」
「暴力的ですよね」
「彼等の殆どは沖縄の人でもないし」
 他の地域から来ているというのです。 
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