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空に星が輝く様に

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483部分:第三十八話 明るい運命その四


第三十八話 明るい運命その四

「何かさ」
「確かに。そう言われたら」
「結婚かあ。月美と」
「陽太郎君と」
「何時か。そうなれたらいいな」
 陽太郎は自然にこのことを口にした。
「俺、思うよ」
「私もです」
 そしてだ。月美も同じことを口にするのだった。
「陽太郎君と」
「今じゃなくても」
「何時かきっと」
「そしてそれからだよな」
 陽太郎は先を見ていた。何時しかその顔は上を見上げていた。
 そしてそこにあったのは。
「何かさ」
「はい?」
「いや、よく言われることだけれど」
 こう前置きしてからの言葉だった。
「星に願いをかけると」
「流れ星ですね」
「まあ今はそれはないけれどさ」
 ここでそれを言って笑いもした。
「それでも。星に願いをかけたら」
「そのお願いは適うんですね」
「そう言われてるけれど」
「じゃあ私」
 月美はだ。自分からすぐに言った。彼女にしては珍しくだ。今は自分から言ったのである。自然とそう積極的になったのだった。
「今は」
「星に願いを?」
「はい、お願いします」
 にこりと笑って陽太郎に話す。顔は上を向いていた。
「そうして本当に陽太郎君と」
「じゃあ俺も」
「陽太郎君もですか」
「ああ、お願いするよ」
 彼も言うのだった。
「そうして二人で」
「そうですね。二人で」
「一緒になろうな」
 こうしてだった。二人で夜空を見上げてだ。願いをかけたのだった。
 それが終わってからだ。陽太郎は言うのだった。
「それじゃあ」
「はい、今からですね」
「駅まで一緒に」
「はい、行きましょう」
 二人はその絆をより深いものにさせていっていた。それはもう誰にも離せられないものになってきていた。そしてそれが次第にであった。
 自然と醸し出されていた。学校でも何処でもだった。
 二人は一緒にいることが多くなりだ。お互いに見る目もだった。
 さらに暖かくなっていた。そしてであった。
 昼にもだ。椎名達と一緒に食べていてもだった。
「あの、今日はですね」
「あっ、これなんだ」
「はい、これです」
 こうだ。月美は陽太郎にだ。その弁当を出した。それは。
 三段なのは同じだった。しかしその弁当の中身はだ。材料も料理も同じであってもだ。その中にあるものはだ。明らかに違っていた。
「おい、何かな」
「そうよね」
 狭山と椎名がまず話した。
「西堀さんの今の弁当って」
「最近そうだけれど」
「何か違うよな」
「雰囲気がね」
 それがだというのだ。
「もう丹精込めて作った感じがして」
「それがお弁当全体から」
「別にこれまでと変わらないですけれど」
 月美はだ。それをこう言って否定するのだった。
「あの、材料もメニューも」
「違う」
「違うの?」
「そう、これまで以上に入ってるものがある」
 椎名がだ。こう月美に言うのであった。
 
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