空に星が輝く様に
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473部分:第三十七話 星座その三
第三十七話 星座その三
「最低じゃない」
「それもギリシア神話」
「そんなとんでもない行動もなの」
「神様もすること」
「神様もなのね」
「そう、神様も」
椎名は話していく。
「同じだから」
「酷いことするのね」
「誰だって同じ」
「人間も」
「どんな人間も神様も同じ」
「悪いのね、誰も」
「悪い一面もあるし善い一面もある」
それだけではないというのである。
「二面性がある」
「善と悪が」
「誰だって同じ」
椎名はまた話した。
「だから。自分をそんなに悪く思ったりしても」
「仕方ないのね」
「何にもならないから」
星華にだ。切実に話すのだった。
「そういうこと考えたら駄目」
「ええ、わかったわ」
「それで」
「それで?」
「オリオーンとアルテミスだけれど」
話を移すのだった。二人のことにだ。
「この二人はお互いに愛し合っていたの」
「それを邪魔されてなのね」
「そうしたこともある。けれど」
「けれど?」
「そうならない場合もある」
そうした場合もあるのだという。そしてだ。
椎名はだ。ここである星座のことも話した。その話は。
「さっきペルセウス座もあったけれど」
「ああ、あの首を持っているあれね」
「メデューサの首。それを持っている星座だけれど」
「確かアンドロメダを助けるのよね」
「その通り。アンドロメダを助けて」
「二人は幸せになるのね」
「そういうこと。そんなこともある」
椎名が言うとだ。星華も呟いた。
「幸せにならなかったりなったり」
「縁でそうなっていくから」
「縁でなのね」
「そう、縁」
また言う椎名だった。
「縁でそうなっていくから」
「まさか。それって」
「多分同じだから」
「私、それで斉宮と」
「そうなることだった。それで」
「それで?」
「それだったら」
その恋が成就しなくてもだと。椎名は星華に話すのだった。
「新しいのを見つける」
「よく言われる話ね」
「けれどそれがいい」
それでもだというのだった。
「そうするのが一番」
「一番なのね」
「そういうこと。諦めてはいる?」
「ええ」
それは確かだった。だからこくりと頷けるのだった。
「それは」
「だったらいい。それじゃあ」
「それじゃあ」
「見つけること」
こう星華に話すのだった。
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