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空に星が輝く様に

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471部分:第三十七話 星座その一


第三十七話 星座その一

               第三十七話  星座
 星達が姿を現していく。それを見上げながらだ。
 椎名はだ。一緒にその星達を観ている星華に声をかけてきた。
「ねえ」
「どうしたの?」
「まずは春の星座だけれど」
 その春の星達を見上げながら。星華に言うのだった。
「知ってる?」
「一応は」
 星華もその星達を見上げたまま椎名に返した。
「知ってるけれど」
「そうなの」
「あまり深くはないわ」
 それはないというのだ。星華は話した。
「あんた天文部だったわよね」
「うん」
 これは星華も聞いて知っていることだった。ただしこれまでその知っていることは彼女の中では快いものではなかった。椎名が嫌いだったからだ。
 それでもだ。今は違うのだった。
「そうだけれど」
「じゃあ私よりずっとね」
「知ってるってことね」
「そうよね」
 星を見上げながらまた椎名に言う。
「だから。色々教えてくれるかな」
「わかった」
 椎名も星華のその言葉に頷く。ただし星を見上げたままなので声だけでだ。頷いたのである。
「それじゃあ」
「何でも言って」
「まずは」
 最初はだ。
「牡羊座」
「ああ、あの十二の星座の」
「そう、それ」
 まさにその星座だというのだ。
「あの星座はね」
「あれよね。子供達を護った」
「その羊がああなったの」
「ギリシア神話ね」
 これは星華も知っていた。流石にだ。
「っていうかこのプラネタリウムって」
「そう、ギリシア神話」
 そちらだというのである。
「それがメイン」
「あれっ、他の星座のお話も?」
「星座は一つじゃない」
 椎名はこう星華に話す。
「中国にもあるしアラビアにもある」
「そうだったの」
「織姫と彦星」
 椎名が今出す話はこれだった。
「それとか」
「ああ、あれね」
「北斗七星もそう」
「あの脇にある星がどうとかって」
「漫画にもあったあれ」
 誰もが知っている古典的名作である。日本人に与えた精神的影響はかなり大きい。モヒカンがそのまま雑魚というイメージも与えている漫画だ。
「それ見てもわかる」
「あの漫画。そうね」
「神話は一つじゃない」
 椎名がここで言う言葉はこれだった。
「そういうこと」
「成程、そうなのね」
「その通り。そして」
「そして?」
「今映っているのはそれでも」
「ギリシア神話なの」
「その通り」
 椎名は星華にこのことも話した。
「他の神話のことも流れるけれど今はそれ」
「一番オーソドックスっていうのかしら」
「知名度ではそうなる」
 椎名は星座についてできるだけ公平にかつわかりやすく話そうと努力していた。これは天文部員としての考えからしていることだ。
「だから」
「ううん、そうなの」
「そう。そして」
「そして?」
「見よう」
 一通り話してからの誘いだった。
 
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