転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2144話
グラナダから来たと思われる偵察隊が発見されたのは、ルナ・ジオンの首都たるクレイドルが展開してから3時間程経ってからの事だった。
これを遅いと取るか早いと取るかは、人によってその感じ方が違うだろう。
だが、俺から見れば十分早いと表現しても間違いない。
このクレイドルがある月の北極と、突撃機動軍が本拠地としているグラナダの間には相応の距離がある。
幾ら月が地球の4分の1くらいの大きさしかなくても、クレイドルの出現を探知してから情報を集めつつ偵察の要因を選抜し、送ってくるといった真似をするのであれば、このくらいの時間は掛かっても偵察に来るのが遅い! と、そう言われる程ではない。
寧ろ早いと言ってもいいと思う。
ともあれ、報告にあった情報によると、こっちに近づいてきたのはチベ級が1隻にムサイ級が2隻。
戦力としては、それなりに備えてきたと言ってもいい。
とはいえ、それなりの戦力だからといって即座にこっちに攻撃をしてくるような真似はせず、遠くからクレイドルの様子を……そしてクレイドルの周囲を防衛している、メギロートやバッタ、そしてシャドウを確認は出来ている筈だ。
メギロートやバッタといった人型機動兵器ではない存在だけであれば、もしかしたら宇宙怪獣とか何とか判断した可能性もあるが、そこにシャドウという明確な人型機動兵器のPTがいれば、話は別だ。
明らかに自分達が使っているMSと同種の戦力と認識するだろう。
……もしくはクレイドルの内部で待機している外人部隊のジンや黒い三連星のS型を見つけても、色々と戸惑うのは間違いないだろうが。
ジンはともかく、S型だしな。
しかも、ただのS型ではなく黒い三連星のパーソナルカラーのS型だ。
元突撃機動軍という事で、黒い三連星のそのS型を見た事がある者は多いだろう。
「さて、向こうがどう出てくるか……だな」
「機体数ではこちらが圧倒的なのだ。そうである以上、突撃機動軍もそう馬鹿な真似は出来ないと思うがな」
声のした方に視線を向けると、そこにいたのはラル。
セイラと何やら打ち合わせをしていた筈だったが、どうやらこっちにやって来たらしい。
「ラルか。どうした? 今は俺と話していられるような時間はないだろ?」
「うむ。だが、お主に報告があってな。シーマ艦隊とアンリ艦隊、共にクレイドルまでやって来た」
「……タイミングが悪いな」
言うまでもなく、シーマ艦隊、アンリ艦隊――アンリ達の場合は艦隊と言っていいのかどうかは微妙だが――は、クレイドルに迎え入れるつもりだ。
だが、今は突撃機動軍の偵察部隊がこちらにやって来ている。
そうである以上、当然クレイドルに向かって進んでいるジオンの艦隊を把握するのは難しい話ではない。
そしてクレイドルに近づいている艦隊を発見すれば、危ないから、もしくは何か事情を知っているのではないのかという思いから、その動きを止める筈だった。
アンリの部下達はともかく、シーマの部下は血の気の多い奴が揃っているし、何よりパプア級にはマハルから連れて来たシーマ艦隊の関係者が揃っている。
シーマとしても、出来るだけ早くパプア級に乗っている者達をクレイドルに降ろしたいと考えるだろう。
「不味いな。……しょうがない」
最悪の場合、シーマやアンリ達と偵察部隊が戦闘になる可能性も否定出来ない以上、ここで放っておく訳にはいかないか。
通信機を取り出し、コーネリアに連絡する。
『アクセル? どうかしたのか? 実働班はいつでも出撃可能だぞ』
今回のルナ・ジオンの建国に辺り、当然ながらそれを全面的にバックアップしているシャドウミラーとしては、無人機以外にもシャドウミラーの実働班、そして精霊の卵といった部隊の出撃用意も整えていた。
「シーマとアンリの艦隊が現在クレイドルに近づいてきているんだが、同じくグラナダから突撃機動軍の偵察部隊もそう遠くない位置にいる。このままだとシーマとアンリが見つかりそうだから、メギロート辺りで艦隊を保護するようにしてくれ」
『うん? 無人機でか? 私達は出撃しなくても構わないと?』
「そうだな。まだこっちにどんな戦力があるのかは、あまり知られたくない。グラナダ以外の月面都市を占領する時は、その方が相手に与える衝撃は大きいだろ」
もっとも、グラナダのジオン軍とは裏腹に他の月面都市にはジオンの戦力が入っていない場所も多い。
フォン・ブラウンを始めとして、殆どが表向きはともかく、実質的には自治都市的な扱いをされてる事も多いし。
……だからこそ、俺達が思いも寄らない方法で情報を入手する可能性は十分にあるのだが。
『ふむ、分かった。では、そのようにしよう。……正直なところ、それ程に意味があるとは思えんが……』
不承不承といった様子ではあったが、コーネリアは俺の言葉に頷いた。
「じゃあ、頼んだ」
そう言い、通信を切る。
「取り合えず、これでシーマ艦隊がどうにかなるとは思えない。後は迎え入れるのだが……それもこっちの方で色々と手を回しているから、問題はないだろう」
「うむ。助かる。では、儂はまだやる事があるから行くぞ」
俺の言葉を聞いて満足したのか、ラルは去っていく。
さて、取りあえず俺は様子を見ておくか。
シーマ艦隊の方には大勢の一般市民がいるだけに、どうしてもこっちとしては気を遣う必要がある。
もっとも、スラム街と呼ばれる事も多いマハルの住人が、そのくらいで動揺するとは思えないが。
そんな風に考えつつ、俺は通信機を起動させてシーマとの連絡を取る。
「シーマ、今いいか?」
『おや、アクセルかい? こっちは順調だよ』
「ああ、分かってる。けど……現在クレイドルの周囲には、グラナダからやって来たと思われる偵察隊がいる。編成はチベ級が1隻にムサイ級が2隻。数としてはそう多くはないが……それでも、チベ級がいる以上は間違いなくシーマやアンリ達を把握する事は可能だろう」
ミノフスキー粒子を散布すれば……と思わないでもないが、それでも目視に関してはどうしようも出来ない。
それにミノフスキー粒子は、電子機器の性能を低下はさせるが、使えなくする訳ではない。
そうである以上、シーマやアンリの艦隊が月に……クレイドルに近づいてくれば、間違いなくその姿を確認される。
そうして面倒になるよりは、その前にこちらから先手を打った方がいいのも事実だ。
「取りあえず、コーネリアに命じてメギロートを何十機かそっちに向かわせた。後はメギロートに守られたまま、クレイドルの宇宙港に入ってきてくれ。取りあえず、偵察に来ている連中にどうにかされる事はない筈だ」
『あいよ。じゃあ、そういう事で。……もっとも、偵察に来ている連中がそんな迂闊な行動をするかどうかは分からないけどね』
「手柄を焦っているとか、メギロートに襲われているから助けるとか……そういう風に思う奴もいるんじゃないか?」
『はっ! あたし達は海兵隊だよ? そんな殊勝な心掛けをする奴がいるとは思えないね。まぁ、そういう奴がいたら、捕らえても見逃すような事はするだろうけどね』
そう告げるシーマの言葉に、なるほどと納得する。
同時に、妙にシーマの機嫌が良いのが気になるが……これは、やはりルナ・ジオン、そしてクレイドルという自分達にとっての安息の故郷が出来たから、そんな風に思っているといったところか?
こっちとしては、シーマがクレイドルやルナ・ジオンに対して強い思い入れを抱いてくれるのは、大歓迎なんだが。
「アンリの方には……シーマから伝えておいてくれるか?」
『あたしが? 分かった。そうしておこうかね』
シーマも、アンリが俺をまだ完全に信じ切れていないというのは知っている為か、俺の言葉に素直に頷く。
もっとも、それを言うのであればシーマはどうなんだという事もあると思うんだが。
それでも、異世界の存在という俺と、悪名高くてもジオン軍の一員だったという点では、やはりシーマの方が信じられる相手になるのだろう。
とはいえ、一応俺も形式上ではシーマ艦隊に所属していたのだが。
それどころか、エンデュミオンの鷹の異名すら持っているし。
結局セイラに近いというのが、アンリにとっては面白くないのだろう。
心酔していたダイクンの娘に近づく、悪い虫といったところか。
……俺の現在の状況を考えると、アンリの心配は決して否定出来ないんだよな。
実際、俺は10人以上の恋人を持っているのだから。
だからこそ、今回の一件は俺からではなくシーマに頼んだ方がいいのだろう。……うん、多分。
決して俺がアンリの相手をするのが面倒だからとか、そういう理由ではない。
「頼む。クレイドルの方での受け入れ態勢は整っているから、宇宙港に入ったら量産型Wの指示に従ってくれ」
『分かってるよ。戸籍だろう?』
「そうなる」
マハルにいる時は、市民登録とか戸籍とか、そういうのを全くしていなかった奴もいる。
だが、クレイドルに住む以上は、当然そういうのは許可出来ない。
きちんとやって貰う必要があるのだ。
……実際にクレイドルに来るという事を決めた時には、しっかりとその旨を通達するようにシーマには言ってあるし。
もしそれでも嫌だと言ってごねるようなら、マハルに返すだけだ。
自分で選んだ選択なんだから、もしそのような事になっても、本人達は後悔しないだろう。
「じゃあ、後はこっちで待ってるから、悠々と移動してきてくれ」
『了解』
その言葉と共に通信が切れ……それから少しすると、量産型Wから報告が入る。
予想通り、グラナダから偵察に来ていたと思われる艦隊――3隻だが――は、月に近づいてくる艦隊に向かって接触を図ろうとしたらしい。
だが……結局クレイドルを守っているメギロートがシーマ達の艦隊を守っている事もあり、接触は出来なかった。
いや、通信の類であれば接触出来たかもしれないが、シーマ達はそれを黙殺したらしい。
ルナ・ジオンという国にとって、それが最善であると判断したのだろうが、実際にこちらとしてもその通りなんだよな。
もっとも、物理的にどうにかしようとしても、結局のところ偵察に来ているのは3隻にすぎない。
シーマ艦隊、アンリ艦隊、その総数はザンジバル級、ムサイ級、パプア級、全て合わせて20隻以上となる。
パプア級は輸送船で、今回の場合はルナ・ジオンに所属する事になる人以外にも、MSを運用していく上での補給物資やら何やらといったものを満載しており、戦力としては数えられない。
だが、ザンジバル級とムサイ級は当然のようにMSを満載しており、MS運用能力のないチベ級1隻とムサイ級2隻でどうにかなる相手ではない。
ましてや、海兵隊と首都防衛大隊に所属するMSパイロットの練度は非常に高い。
首都防衛大隊に所属するMSパイロットは戦傷を負ったMSパイロットだったが、MSの方を改造して、手足の1本くらいなくても普通に操縦出来るようになっている。
……もっとも、結果としてそのMSは改修したMSパイロット専用の物となってしまったが。
ともあれ……そんな精鋭揃いを相手に、偵察部隊だけではどうする事もなく、シーマ艦隊、アンリ艦隊は無事にルナ・ジオンに到着した。
今頃は移住を希望する者達の戸籍情報とかを作っているところだろう。
普通こういう時は処理する人数が足りなくて時間が掛かるんだが、高い能力を持った量産型Wを使っている以上、人手も容易に増やす事が出来る。
結果として、大量の量産型Wが投入され……千人近い人数の連中がスムーズに作業を行っているらしい。
案の定戸籍登録を嫌だと暴れる奴もいたが、量産型Wにあっさりと鎮圧されており、後でサイド3に送り返される事になるだろう。
ともあれ、そんな感じで色々とやっているうちに、グラナダからの追加の兵力がやってくる。
まぁ、メギロートの数を考えれば、それはおかしくないだろう。
いや、寧ろ戦力を送ってくるのが遅いとすら言ってもいいのかもしれない。
もっとも、キシリアとしては自分の都合で未知の勢力を相手に勝手に攻撃を仕掛けるような真似も出来なければ、接触する事も難しいと考えたのだろう。
普通に考えて、いきなり月に北海道以上の大きさを持つ都市が出来たのだから、それを見て警戒するなという方がおかしい。
そんな感じで時間が流れ……いよいよ、約束の時がやってきた。
現在俺がいるのは、クレイドルの中央に位置する城の中の一室。
そう、ルナ・ジオンの居城とも呼ぶべき城の中だ。
その城の中で、セイラはシェリルからのアドバイスを借りて、女王という立場に相応しい豪華なドレスを身につけていた。
そうして、ルナ・ジオン、シャドウミラーの主要な面々もこの広間に集まっており……
「完了しました。これで、このUC世界では全てのあらゆる回線に映像が流れ、ホワイトスターの方でも希望者は見る事が出来ます」
ルリの言葉に、隣にいるラピスも頷く。
この2人のハッキング能力があったからこその、行動だった。
「では……お願いします」
セイラの言葉に、ルリとラピスが頷き……いよいよ、ルナ・ジオンの建国宣言が行われる。
「皆さん、突然すいません。私はアルテイシア・ソム・ダイクンと申します」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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