レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十七話 宗教都市その一
第六十七話 宗教都市
久志は英雄から彼の冒険の話を聞いて思わずこのことに突っ込みを入れた。
「志摩でもかよ、御前は」
「遊郭のことか」
「本当に好きだな」
「いいものだ」
英雄は久志ににこりともせず答えた。
「あれはな」
「いいものっていってもな」
「それでもか」
「御前本当に遊郭好き過ぎるだろ」
「女はいいものだ」
またにこりともせず返した英雄だった。
「だから何処でもだ」
「遊郭があるとかよ」
「夜に入ってそしてだ」
「お姉ちゃん達と楽しんでるんだな」
「そうしている、あちらの世界ではな」
「そうか、まあこっちにもそうした店あるけれどな」
「娼館だな」
西の島の遊郭と考えてだ、英雄はこう言った。
「要するに」
「ああ、何処でもな」
「あるな」
「それはそっちの島と一緒だよ」
「どの世界でもそうした店は常にある」
「こっちの世界でもあるしな」
所謂風俗店だ、久志達がいる神戸では福原が有名だろうか。
「しっかりと」
「そして男ならだ」
「そうした店に行くこともかよ」
「当然のことだ」
「食うことと寝ることとそうしたことはか」
「人の当然の欲求だ」
「だから御前も遊んでるんだな」
久志はこのことを理解した。
「要するに」
「そうだ、悪いか」
「悪くないさ、しかしな」
「それでもか」
「御前は過ぎてるだろ」
その遊び方がというのだ。
「お姉ちゃんを一度に三人四人五人も相手にしてるな」
「そうだ、そして遊んでいる」
「オットセイかよ」
「ハーレムか」
「ああ、どれだけ凄い遊び方してるんだよ」
「一人でもいいが一人が休んでいる間にだ」
相手をしてというのだ。
「身体が空いている女がいるといい」
「もう一人の相手かよ」
「それが三人四人五人いるとな」
「もっといいっていうんだな」
「俺は休む必要はない」
英雄ははっきりと言い切った。
「そうした時はな、戦いの時もそうだが」
「絶倫だな」
「どうも俺はそうらしいな」
「らしいじゃねえよ、一度に何人も相手にするなんてな」
それこそと言う久志だった。
「絶倫そのものだろ」
「その様だな」
「ったくよ、俺は奥さんいるがな」
久志もあちらの世界での自分のことを話した、二人で大学の構内の喫茶店の一つでお茶を飲みつつ言った。今は二人共ストレートティーを飲んでいる。
「そこまではしねえっていうかな」
「奥さんに義理立てしてか」
「娼館とか入ってねえよ」
「浮気はしないか」
「俺はな。しかし御前は違うみたいだな」
「遊郭巡りは続ける」
例え結婚してもとだ、英雄は久志に述べた。
「おそらくな」
「やっぱりそうだよな」
「そしてだ」
「そうした欲求を解消するんだな」
「そうしていく」
これからもというのだ。
ページ上へ戻る