転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2140話
「MIPからの情報?」
「ええ」
技術本部にあるコンピュータから、いつものように技術班謹製のハッキングツールを使って情報を粗方抜き出した後で、エデンに戻って来た俺を待っていたのは千鶴と凛。
……いや、別にエデンにいるのがこの2人だけという訳ではなく、他にも大勢の客がいるのだが。
ともあれ、俺を待ってたという意味では間違いない。
本当なら技術本部から奪ってきたデータをちょっと見ておきたかったんだけどな。
まぁ、それはどういう兵器を技術本部の方で開発してるのかといった事を調べるという意味で、半ば俺の趣味に近い事だ。
そうである以上、まず最初に千鶴と凛からの情報を聞く必要があるだろう。
「それで? 具体的にはどんな情報を?」
「これは、あくまでも本決まりじゃないんだけど、ジオンのとある名家から人材を派遣してくれないかという要請があったらしいのよ」
「……人材の派遣、か」
ジオンの名家というのは、例えばダイクン家やラル家、ザビ家といった家々の事だ。
これ以外にも多くの名家と呼ばれる家はあり、ザビ家のようにジオン公国の中で確固たる地位を築いている家もあれば、ラル家のように家そのものを潰されたような家もある。
「けど、何だってMIP社に? その家は何をしたいんだ?」
俺が知ってる限り、MIP社というのは最初にジオン軍が行ったトライアルでジオニック社に負けて、その後のMSのトライアルには参加しなかった。
色々と光るところはあるが、今のところはそれを活かせていない。
そんな印象の兵器メーカーだったんだが……その名家とやらは、何を考えてMIP社に接触したんだ?
人材の派遣という事は、恐らく兵器を開発するつもりなのだろう。
そうなると、恐らくMSを開発しようとしてるんだろうが……もしそうなら、接触するべきはMIP社じゃなくて、ジオニック社かツィマッド社だろう。
もしくは、その2社が忙しくて手が回らないから、妥協としてMIP社に接触したのか?
それなら分からなくもないが……
「その名家ってのはどんな連中なんだ? 趣味で戦争をしようとか、ジオン軍の為に自分達で新型MSを開発してやろうとか、そんな風に思ってる連中か?」
「いえ、少し前まではかなりの隆盛を誇った家だったけど、今は没落寸前という話よ」
「……そうなると、一発逆転を狙ってMSを開発しようとしてるのか?」
「それなんだけど」
千鶴と俺の言葉に、凛が口を挟む。
千鶴はそんな凛の様子に、あらあらと困ったような笑みを浮かべる。
凛は一瞬そんな千鶴の様子に押されたかのように言葉を止めるが……それでも、千鶴から視線を逸らしつつ口を開く。
……千鶴が長ネギを持っていたのは、取りあえず見ない事にしたらしい。
「ねぇ、アクセル。MIP社がジオニック社とトライアルで負けたのは知ってるわよね?」
「それは当然だろ。そもそも、その結果としてジオン軍ではザクを運用するようになったんだから」
「そうね。でも、千鶴に言い寄ってきた男が漏らした情報によると、現在MIP社ではそのトライアルで採用されなかった兵器の、発展系の物を作ってるらしいわ」
「……MSとは違う兵器の発展系?」
千鶴に言い寄っているというところが若干気になったが、もしその男が千鶴に強引に何かをしようとしても、間違いなく返り討ちに遭う。
それどころか、千鶴が持っている長ネギが火を噴くだろう。……個人的に焼き鳥のネギまとか好きなんだけどな。
タレと焼かれたネギのトロトロ感が……じゃなくて。
MSと違う兵器……そう言われ、俺は思い出す存在があった。
UC世界と同じMSを使っていながら、SEED世界にはMSの他にもう1つ別の兵器の種類があったのだと。
既に殆ど覚えていないこの世界の知識の中には存在しないが、恐らくそれはこの世界でMIP社が開発するのだろう。即ち……
「MA、か」
SEED世界だけではなく、恐らくこのUC世界でもMAというものが存在するのだろう。
いや、正式には開発される……と言うべきか。
そう考えれば、MIP社という兵器メーカーにも意味が出てくる。
MS開発に出遅れたMIP社だったが、その本領はMAに発揮される、と。
もっとも、その辺りはあくまでも俺の予想でしかない以上、本当にそうだとは言えないのだが。
「千鶴、凛。一応確認しておくが、MIP社でMAという単語を聞いた事はないか?」
「MA? それってSEED世界の戦闘機でしょう? この世界で聞いた事はないわ」
「私も千鶴と同じく。……けど、MSと違う兵器というのは、MAなの?」
「恐らくだけどな。MSの開発に出遅れた形のMIP社としては、それ以外の方法でジオニック社とツィマッド社を出し抜く必要がある。その答えがMAであっても、俺は驚かないぞ」
こうなると、MIP社と関わってしまったのはちょっと早計だったか?
いや、けどあの時点で接触するには、ジオニック社やツィマッド社よりもMIP社の方が良かったのも事実だ。
勿論F-32があれば、ジオニック社やツィマッド社の方でもこっちを歓迎しただろうが……やはりこれから先も長く付き合っていくとなれば、自分達が危機の時に助けてくれた相手だろう。
その辺は今更言ってもしょうがないし、カーウィン家の伝手を使ってジオニック社の技術者の取り込みも現在は行われているんだ。ここで不満を抱いてもしょうがない。
「それで話を纏めると、MIP社に協力を要請した名家とやらは、MAを開発しようとしている。俺はそう思ってるけど、どう思う?」
「アクセルの意見に賛成ね。元々、その家は高い能力を持つ技術者を多く抱え込んでいたという話だし。ただ、その家には色々と問題があるらしいから、MIP社の方でも少し迷っているらしいわ」
「……まぁ、そうだろうな」
MIP社の方でMAを開発しているとすれば、それはどのような機体になるのかは分からない。
それでも、恐らくメビウス・ゼロのような戦闘機もどきではない……と思う。
同じMAであっても、MSに対抗出来るだけの性能は必須になるのだから。
いや、敢えてMSではなくMAを開発しているという事は、MSに匹敵ではなく、それを上回る能力が必要となる。
そのくらいのインパクトがなければ、軍上層部を納得させる事は出来ない。
特に現在はMSで連戦連勝――それでもベテランパイロットの数は戦う度に減っているのだが――している以上、MS至上主義とでも呼ぶべき空気が漂っている。
そんな中でMSではなくMAを開発するのだから、その性能はMSよりも明らかに上の必要がある筈だった。
まさに、MIP社にすればそんなMAを開発しようとしているところで、名家からの横槍だ。
これが無視出来るような相手であれば、そこまで気にしなくてもよかったのだろうが……名家となれば、話が違ってくる。
「とはいえ、今の俺達に出来るような事はないしな。……ああ、ちなみにその名家とやらはどういう家なんだ?」
「さぁ? そこまで詳しくは教えて貰えなかったわ」
MIP社としても、顧客の情報を流すような真似は出来ないか。
もっとも、名家でそういう動きをしていれば当然のように話題にはなりやすい。
恐らく少し調べれば、すぐにどの家なのかは分かるだろうが……いや、そこまでする必要はないか。
俺達にとって重要なのは、MIP社がMAを開発している謡が濃厚だという事だ。
正直なところ、出来ればMSの開発に集中して欲しかったというのが事実なんだが……とはいえ、MAも特に嫌いだという訳ではない。
どういうMAが出来るのかは分からないが、こちらとしては大人しく成り行きを見守るのが最善、か。
「取りあえず、その件に関してはこっちから何か動く必要はない。……高い技術力を持っているのなら、抱え込みたいと思わないでもないけどな」
「あら、いいの? アクセル君の事だから、てっきりこれ幸いと引き込むんだとばかり思ってたのに」
千鶴の意外そうな言葉が聞こえてくるが、今の状況でそんな未知の存在を囲い込むのは危険そうなんだよな。それに……
「そもそも、その名家ってのがどんな家なのか正確に分からないんじゃ、仲間に引き込むといった真似も出来ないだろ」
「アクセル君なら、MIP社に忍び込んでその辺りの情報を入手する事も出来るんじゃない?」
「まぁ、それは間違いないが……ただ、MIP社にそういう真似はあまりしたくないんだよな。ルナ・ジオンとして最終的にMIP社を仲間に引き入れるとなると、当然のようにMIP社にだって俺の能力が知られる事になる。勿論全ての能力が知られたりはしないだろうが、それでも影のゲートとか技術班の持つ能力とかを考えると、場合によっては自分達にちょっかいを掛けてきた相手だと判断する可能性もある」
同じような事は、ジオニック社やツィマッド社にも言える。
このUC世界にやって来た大きな理由の1つが技術の収集である以上、兵器メーカーとの関係性を悪くする要因は少ない方がいい。
それに……結局今のところはザクしかないし。
いや、ドップも一応は新兵器になるのか。……色々と欠点も多い戦闘機なのは間違いないが。
ただ、少なくても俺はドップを欲しいとは思わないな。
資料用に1機あればそれでいい。
もしどうしても戦闘機を使わなければならないのなら、それこそMIP社に提供したF-32や、ソルプレッサ何かがあるし。
というか、戦闘機って意味ならVFを使えばいいだけだしな。
「ふーん。じゃあ、確認するけど……本当に今回の件には関わらないのね?」
「そうだな。少なくても今のところは関わるつもりはない。ただ、その名家とやらの話に進展があって、シャドウミラー的にも美味い話になると判断したら、接触してもいいかもしれないけど」
結局その件に関する話はそれで終わる。
とは言っても、特にすぐに何かやるべき事はないのだが。
……ああ、奪ってきた技術本部からの情報を確認するという意味では、やるべき事があるか。
そんな風に考えつつ、エデンの中を見回す。
すると、タチがちょうど店に入ってくるのが見えた。
しかも、いつもなら一杯飲むのに、そのような真似をせずに真っ直ぐ俺の方に近づいてくる。
恐らく至急俺に情報を伝える必要が出て来たのだろうが……微妙に嫌な予感がしないでもない。
「アクセルさん、ちょっと不味い状況になってますよ」
「……不味い? 具体的には、どんな風に?」
「どんな風って……簡単に言えば、アクセルさんがザクとかそれ以外も様々な物資を盗みまくったせいで、上が動き始めました」
「今頃か? 何だかんだで、結構前の話だろ?」
「そんな訳ないじゃないですか」
何故か俺の言葉に呆れの表情を浮かべるタチだったが……言われてみれば、そうか。
何だかんだと俺がこのUC世界で活動するようになってから、まだ1ヶ月も経ってないんだよな。
「そう言えばそうだったな。……けど、それにしても動き出すのが遅くはないか?」
俺が基地に忍び込むようになってから、既に結構な時間が経つ。
実際、俺がザクとかを盗んだ後で、メカニックの連中が悲鳴の叫びを上げるのを聞いた事も、何度となくある。
そう考えると、明らかに動き出すのが遅いのは間違いない。
「あー……それは、基地の上の方で色々と揉めていたからでしょうね。普通に考えて、運び出したとかそういうのでもなく、いきなりザクとかが消えるんですから。それを真っ正直に軍上層部に報告しても、正気かどうかを怪しまれるか……場合によっては何か後ろめたい事があって、それで隠しているのではないかと思われても、しょうがないですし」
言われてみればそうか。
それで自分が妙な風に思われるのが嫌で、報告を止めていた、と。
「けど、そんなに騒ぎになったのなら、隠し通せる筈もないだろ?」
「そうですね。ですから、結果としてそれが軍上層部の者の耳にも入り、今回の騒動になった訳です」
「……なるほど」
そう言われれば、俺としても納得するしかない。
元々この件で騒動になるというのは分かっていた上での行動だっただけに、その件については特に驚く事ではなかった。
「で? その一件でエデンは疑われているのか?」
「いえ、その……彼女達のおかげで、エデンは特に問題がないと報告されていますから」
だろうな。
こういう時に魔術や魔法といった技能は非常に役立つ。
「なら、取りあえず様子見だな。ジオン軍がこの件でどう動くか……少しだけ、楽しみだし」
「……いいんですか? 場合によっては、色々と面倒な事になるかもしれませんが」
「そうなったらそうなったで、幾らでも対応するさ。証拠も何もない状況でどう動くか、楽しみに見させて貰うとしよう。ルナ・ジオンの件の目眩ましにも、丁度いいしな」
そう告げ、俺はウーロン茶を口に運ぶ。
……本来なら、こういうのは酒の方が格好がつくんだろうが、俺の場合は酒を飲むのを禁止されてるしな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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