| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

空に星が輝く様に

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

428部分:第三十二話 誠意その十一


第三十二話 誠意その十一

 今回ばかりはだ。椎名も強い顔で頷いた。
 そしてだった。星華達に顔を向けて話すのであった。
「じゃあそっちも」
「え、ええ」
「わかってるわ」
「それはね」
 三人が答えたのだった。
 そのうえでだ。三人は星華に顔を向けて声をかけた。
「じゃあ星華ちゃん」
「言おう」
「今からね」
 三人が言うとだった。星子もだった。
 そっと姉の右手に自分の両手を添えてだ。彼女の顔を見上げて声をかけた。
「お姉・・・・・・」
「星子・・・・・・」
「大丈夫だから」
 心配している顔だった。眉が顰められている。
「私がいるから」
「星子がいるから」
「絶対にいるから」
 その姉への言葉である。
「何があってもね」
「何があっても」
「私達姉妹じゃない」
 そこに理由をつけたのだった。
「だからね」
「姉妹だからね」
「うん、だから」
 また言う星子だった。
「頑張って」
「うん・・・・・・」
 星華は妹のその言葉に小さく頷いた。そうしてだった。
 陽太郎に顔を向けた。それでゆっくりと口を開いた。
「あの」
「ああ」
 陽太郎も彼女を見据え真剣な顔で応える。
「話、あるんだよな」
「そうなの」
 こくりと頷いて述べた星華だった。
「それで今こうして」
「わかったよ」
 陽太郎は星華の今の言葉に頷いた。そのうえでだった。 
 あらためてだ。彼女に言うのだった。
「じゃあさ。話聞かせてくれるか?」
「うん」
 星華はまた答えた。
「それじゃあ」
「ああ、じゃあ」
「私、実は」
 こうしてだった。星華はゆっくりと口を開いてだった。
 話をはじめた。自分の過去のしたことを。それを話すのだった。


第三十二話   完


                   2010・12・9
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧