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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)

作者:あちゃ
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第十九話:それでも僕はやってない

 
前書き
お久ぁ!
皆大好きウルフ・アレフガルド君がやって来たよ!
新学期始まって一発目はウルポンだぁ!
さぁ大きい声で呼んでみよう。
ウルポ~ンと呼んでみよう! 

 
(マイエラ地方・マイエラ修道院)
ヤンガスSIDE

旧修道院跡地の内部には、無数の亡霊が出没しアッシ等に攻撃してきたでがす。
それらを何とか撃退するとボス的な亡霊が現れ、流行病で苦しんで死んでいった事を恨みがましく口走り、何故かアッシ等を攻撃してきたでげす。

我がパーティー裏のボスたるウルフの旦那が恨み言を言ってくる亡霊に対し『オメーの苦痛なんか俺が知るか! 無関係なのに、何八つ当たりしてやがるんだ馬鹿野郎! それが一時でも神に身を捧げた修道僧のやる事か愚か者! そんなんだから何時まで経っても天に召されないんだろうが! その苦しみは神が与えたもうた試練だと思い、受け入れてみろ……そしたら神の下へと行けるだろうさ(薄笑)』と、信仰心(ゼロ)の有難いお言葉を浴びせかけるでがす。

しかし……
誰が如何聞いても身勝手な台詞を真に受けた亡霊は、『オヲオオォヲオオ……カミヨ……イマ、オソバニマイリマス……』と本当に昇天……
薄笑いのウルフの旦那も、苦笑いに昇格でげすよ。

静まり返った廃墟内に痛い程の沈黙が幅を利かせる……
その沈黙を破ったのはゼシカでがす。
『……さ、先に進んで良いって事……かなぁ?』

『し、死にきれなかった亡霊を昇天させるとは……ウルフ殿の口の悪さも神憑ってますな。良い意味でも悪い意味でも』
『凄いですねウルフさん……宗教でも新たに開いたら如何です?』

ラングストンの旦那も兄貴も、ウルフの旦那をある意味褒める……ある意味貶してるでがすが。
そんな中、キッパリと貶すのはリュリュ姐さん。
『悪魔じみてるわよ』とだけ呟き、ウルフ殿とは目も合わせず黙り込むでげす。

『何だ何だ俺の事を褒めちゃってぇ。迷惑だから惚れるなよぉ。俺、彼女二人居るからさぁ、手一杯なんだよね』
勝てないでがす。
この旦那には口で勝てないでがすよ。

そんなこんなで地下道を抜け、オディロ院長の私室の裏へと出たでげす。
不良修道騎士ククールの奴に言われた通り、最悪を考慮して慎重に室内へ入るでがす。
アッシみたいな素人には解らないでがすが、ウルフの旦那には邪悪な気配を感じてるらしく、突入前から顰めっ面でげす。

だがアッシにも解る異常が……
それは室内に転がる修道騎士の死体の数々!
これはもう手遅れなんではと感じはしたが、それでも二階へ上がって院長の無事を確かめるでがす。

慎重に、でも素早く二階へと移動したアッシ等……
最初に目に映ったのは、ベッドに横たわるオディロ院長の少し上空で、不気味な笑みを浮かべて浮いている道化師の姿!

リーザスの塔で見たビジョンと同じ道化師……
ウルフの旦那が描いたスケッチと同じ道化師……
モノホンを見るのは初めてでげすが、コイツが間違いなくドルマゲスでがしょう。

「そこまでよドルマゲス! 兄様の(かたき)をとらせてもらうわ!」
威勢良く声を上げたのはゼシカ。
誰よりも前に出て、両手に炎を灯し構える。

「………(ニヤッ)」(フッ)
しかしアッシ等の存在を見たドルマゲスはこちらを見てニヤッと笑い姿を消したでげす。
逃げたでがすか?

「オディロ院長への狼藉……そこまでにしていただこう!」
警戒を解かぬまま周囲を見渡してると、デコの広いマルチェロの奴が騎士団等と共に現れ、アッシ等に剣先を向けてくるでがす!

「ふわぁ~……何の騒ぎじゃなマルチェロ?」
兄貴が言い訳しようと口を開いた時、ベッドに横たわっていた院長が上半身を起こし状況を訪うてきた……ま、まだ生きてたでげすな!?

「はっ……何やら邪悪な気配が漂っておりましたので、慌ててこの場に参上しましたら、誰も居ないはずの院長の部屋に、この者達が臨戦態勢で存在しておりました。多分、院長の命を狙う者共でしょう」

「ほぅ……確かに見慣れぬ者達が臨戦態勢で佇んで居るが……ワシの感じる所、彼等は悪しき存在ではない。事情は聞くべきであろうが、手荒なことはするで無いぞ」
「はっ! その点は心得ております。 ……では事情を聞きたいので、一緒に来て戴こうか(ニヤッ)」

「ドルマゲスの気配が消えたな。ふぅ……取り敢えずの危機は去った様だしデコの面子も立ててやろう」
一早く剣を納刀したウルフの旦那が、デコ野郎の指示に従う意思を示したでがす。
ラングストンの旦那とリュリュ姐さんもそれに従い武器を納めると、兄貴やゼシカも臨戦態勢を解きデコ野郎の後に付いていくでげす。

勿論アッシも兄貴の行動に追随するでがすよ。






「さて……貴様等の弁明を聞こうか?」
デコ野郎に付いていき地下の一室に(いざな)われ入室した途端、野郎の態度が一変。
先程院長に言われたことは何処へか吹き飛ばし、アッシ等を罪人扱いでがす。

「お前……薄いのは頭の外側だけじゃ無く、中身も乏しいのか? 先刻(さっき)オディロ院長が俺等は怪しくないって言ってただろ。もう忘れたの?」
流石は我がパーティーの裏リーダー。どんなときでも相手を苛立たせる事が出来るでげす。

「だ、黙れ! オディロ院長は甘いのだ! 貴様等は始めて会った時から怪しかった……そして再会の時も怪しさが満載だ。何を以て貴様等が無害か解りかねる」
「それはお前の理解力が足りない所為だろ?」

何でこうスラスラと他人(ひと)をディスれるんでがすかね?
まるで初めから台詞を用意してたみたいでげす。
もうこの場はウルフの旦那に任せようって雰囲気でげすよ。

「く、口の減らない奴め……」
(コンコン)「失礼します」
口撃(こうげき)ではウルフの旦那に分がありかけてきた所で、デコ野郎の部下が入室してきたでがす。

「修道院の外に怪しい魔物が彷徨いていたので、連行しました」
そう報告する部下騎士の手には……何とトロデのオッサンが垂れ下がっていたでげす。
こ、これは困ったことになりそうだ……

「おおアハトにウルフ! 遅いので心配になって様子を見に来てしまったぞ! えぇぇい、離さんか無礼者め!」
部下騎士の手から逃れアッシ等とデコ野郎の間にある机にのったオッサンは、状況を理解せずに兄貴等の名前を連呼するでがす。

「ほほぅ。魔物と仲間とは……これは言い訳出来ぬレベルの怪しさですなぁ」
「魔物? このオッサンのことか?」
イヤイヤ……それ以外には考えられないでげすよ。

「見れば解るだろう……如何見ても人間には見えぬ醜い魔物ではないか!」
「ほうぅ魔物……ねぇ。では教えてくれ、この魔物の種族名を? 世の中には色んな種類の魔物が存在する。例えばスライムとかドラキーなどの……この醜い魔物にも、似た種族が居て名前が付いてるはずだが? お前は知ってるんだろ、コイツを魔物と断言したのだから!」

「な、名前!? そ、そんな物知らん……し、新種の魔物であろう!」
「お前なぁ……世の中には人間とは思えない容姿の奴も大勢居る。俺の様なイケメンなんてほんの一握りだ。それなのに確証も無いまま、他人(ひと)を魔物扱いして良いと思っているのか?」

「だ、黙れ……こんな見にくい姿の人間が居るわけ無かろう!」
「その論理で行くとお前も魔物だぞ。そんな人間離れしたデコの持ち主が人間なワケない。即ちお前も魔物だ!」
た、確かにデコ野郎のデコは広いが、人間離れはしていないでがす。

「だ、黙れと言っている! 大体貴様等の「失礼しますよ、団長」
広いデコを手で隠して激昂するデコ野郎の台詞を遮って登場したのはククール。
良かった……これでアッシ等の無実を証明してもらえるでげす。

「な、何だ!? 今取り込んでいるんだぞ……」
「団長が俺を呼んだんでしょ? 何か用事があるんじゃないのですか?」
そんな事よりアッシ等の無実を証明してくれでげす。

「そ、そうだったな……お前に聞きたいことがある。この者等が我が騎士団員だけが持つ指輪を持っていた。そこで質問だが、お前の指輪は何処にあるククール?」
そうでがす、それをアッシ等に託したんでがすから、無実なのは明白でげしょう?

「あぁ良かった! ドニの町でスラれて困っていたのですよ。団長の手に戻ってきたなんて俺はツイてる」
「な、何……スラれた……だと!?」
何を言ってるでがすか!? それではアッシ等にスリの濡れ衣まで付いてしまうでげす!

「お、おい兄ちゃん! 話しが違「(バチン!)貴様……あの指輪はスッた物だったんだな! 拾ったなどと嘘を吐きおって」
アッシがククールに文句を付けようとした瞬間、ウルフの旦那が鋭い平手打ちを食らわして来た……でも本気では無いらしく、平手打ちと同時にホイミもしてくれたので、演技である事が解るでがす。

「……では話しは以上みたいなので、俺は失礼しますよ」
「ま、待て……まだ話しは終わってない」
アッシが言いかけた文句を無視するかの様に、そそくさと部屋から出て行ったククール。一体何を考えてるでげすかね?

「くっ……まぁ良い。アイツのことは後日に追求するとして、先ずは貴様等だ」
悪魔の様な笑みを浮かべると、アッシ等の方に向き直り先程からの続きを再開する意思を見せるデコ野郎……
ウ、ウルフの旦那ぁ……何とかして下さいましよぉ~。

「さて……再度貴様等の言い訳を聞こうか?」
「はぁ? 言い訳って何の? 俺に言い訳せねばならぬ事柄は無い! お前にこそ在るんじゃないのか? 如何してそんなにデコが広いんだ?」

「ウルフ殿ぉ……デコの広さに言い訳出来るとは思えませんが?(笑)」
「そうか? でも腹違いとは言え、弟のククールは髪の毛フサフサだぞ。何らかの魔族と契約して、力を得る代わりの代償として薄いんじゃないのか?」

「ふ、ふざけるな! 勝手なことを言って私を貶めようとしやがって……」
「勝手なことを言ってるのはお前も同じだろ。しかも上司の意に背いて(笑) これはもうクーデターと同じだね。怪しい道化師を招き入れて院長を殺害しようと企んだのはお前なんじゃないのか? そしてそれが俺等の所為で失敗したから、自分が疑われない様に俺等を罪人として釣るし上げている……如何転んでもお前が有利になる展開だな」

「ふざけたことをベラベラと……ま、まぁ良い。口を割らせる方法など幾らでもある。明日になったら自白しなかった今日のことを後悔するであろう」
そう言って奥に有る別の部屋に視線を向けるデコ野郎。そこには数々の拷問器具が……

「神に仕える修道院にあるには場違いな物の数々……お前等の崇めてる神ってのは悪魔のことか?」
アッシも同じ事を思いましたが、口に出すのは拙いんじゃないでがすかね、ウルフの旦那?
碌な事にはならない気がするでげす。

「ふん。異教徒は皆同じ事を言う」
「無能者は自分の意見と違う者を弾圧することで安易に物事を解決する。有能なる者は力尽くでは何も解決しないどころか、物事をややこしくしする事を知ってる。お前は圧倒的に前者だ(フッ)」

アッシ等のことを拷問しようと思ってる奴に、より機嫌を悪くさせる様な事を言うウルフの旦那。
何でアッシ等はこの男に発言を任せてるんでがしょう?
どんどん問題を複雑にしてると思うんでげすが?

ヤンガスSIDE END



 
 

 
後書き
意外にヤンガスとラングストンが心のオアシスになってる。
DQ8の主人公はアハトなのに……
リュカ伝3.8の主人公はウルフなのに……
って言うか、これリュカ伝なのに! 
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