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空に星が輝く様に

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415部分:第三十一話 夜の港でその十


第三十一話 夜の港でその十

 星子がだ。星華に勇気を振り絞って声をかけた。
「お姉、いい?」
「えっ?」
「大丈夫?」
 こう彼女に声をかけたのである。するとだった。
 星華が顔をあげた。そうしてだった。
「星子?」
「うん、お姉大丈夫?」
「何であんたがここに?」
 こう妹に問うのだった。涙で赤く晴れ上がったその目でだ。
「誰も入ったらいけないのに」
「そう言われたけれどね。それでもね」
「それでもって」
「お姉が心配だから」
「そんなのいいのに」
 星華は弱々しい顔で妹に返した。
「そんなこと・・・・・・」
「そういうわけにはいかないのよ」
「そうよ」
「私達も考えたけれど」
「えっ、あんた達も」
 ここでだった。星華は三人にも気付いたのだった。
「来たの」
「うん」
「色々考えたけれど」
「それでもね」
「いいのに」
 これが星華の今の返事だった。一旦彼女達から顔を背けさせてだった。
「そんなこと、別に」
「来ないでおこうかっても考えたけれど」
「それでもね」
「やっぱり」
 しかしだった。三人は俯きながらもその星華に話すのだった。四人はまだ部屋には入っていない。扉を開けたままでそこから星華と話しているのだ。
 その状況でだ。三人は言うのだった。
「私達、やっぱり」
「友達じゃない」
「だから」
「友達・・・・・・」
「この人達とお話したの」
 今度は星子が姉に言ってきた。
「それでね。先輩のことも」
「斉宮のことね」
「確かにお姉酷かったわ」
 月美のこともだ。あえて言ったのだった。
「そんなことしたらいけない。けれど」
「けれど?」
「落ち込んだままでもよくないから」
 妹が姉に言いたいことだった。まさにこのことだった。
「だからね。それでこうして」
「私は、もう・・・・・・」
「そんなこと言わないで」
 姉の言葉はここでは止めた。
「絶対に」
「絶対にって」
「うじうじしてるのってらしくないよ」
 そして姉にこうも告げたのだった。
「そんなの。お姉じゃないよ」
「私じゃないって」
「だからね。いい?」
「いいって?」
「話、しよう」
 これが姉への提案だった。
「皆でね」
「お話ね」
「そう、話しよう」
 また話す妹だった。
「それじゃあね」
「それとだけれど」
「いい?」
「ここでね」
 三人もまた言ってきた。そうしてであった。
 彼女達は部屋の中に入る。そうして五人で車座になって話す。そしてだった。まずは星子が言ってきた。
「それでだけれど」
「ええ」
「お姉、何したの?」
 姉に顔を向けてそれで問うたのだった。
「先輩達から少し御聞きしたけれど」
「・・・・・・・・・」
「言えない?」
 難しい顔で姉にまた問うた。
「そのこと」
「ううん」
 姉は妹のその声には首を横に振って答えた。
「それはね」
「言えるのね」
「言うわ」
 そうするというのだった。星華は今は俯いている。そうしてそのうえでだった。意を決した顔になってそうして話をはじめたのだった。
「私、ずっと斉宮が好きだったわ」
「そうよね」
「ええ。それはね」
 星子は姉のその言葉にここでは頷いた。
 
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