英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇
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第62話
~星見の塔・屋上~
「吼えよ――――竜皇陣!!」
仲間達と共にカンパネルラに向かったサフィナはあらゆる攻撃能力を上昇させるブレイブオーダーを発動させて自分や仲間達の攻撃を上昇させた。
「斬り裂け――――エアブレイド!!」
「おっと。それっ!」
「うわっ!?」
「大丈夫ですか!?」
マキアスがショットガンから放った風の刃を回避したカンパネルラは魔力による鎌鼬でマキアスに反撃したが、マキアスとリンクを結んでいるエマがリンクアビリティ――――クイックキュリアを発動してマキアスのダメージをすぐに回復し
「うふふ、死んじゃえ♪」
「刃よ、伸びよ!」
「あぶないな~。これはお返しだ――――」
レンが投擲した大鎌とエリゼが伸長させた連接剣の刃を回避したカンパネルラは二人に対しての反撃をする為に指を鳴らそうとしたが
「白き剣よ、お願い!」
「安らかに眠れ………レクイエムショット!!」
「あいたっ!?」
エマが放った魔導杖に搭載されている白き剣を解き放つ特殊魔法――――イクリプスエッジとオリビエが銃に集束したエネルギーを球体として解き放つクラフト―――レクイエムショットによって反撃が妨害されると共に怯み
「崩しました!」
「もらったっ!」
「崩したよ!」
「続きますわ―――裁きの光よ、悪に粛清を!粛清の閃光!!」
「ぐっ!?」
二人の攻撃によってカンパネルラの態勢が崩れるとマキアスはショットガンによる通常攻撃で、アルフィンは中範囲を裁きの光を炸裂させて攻撃する魔術で追撃した。
「喰い破れ――――竜牙衝!!」
そこにサフィナが竜の牙のように鋭い斬撃を放つ為に突進し
「!!フウ、今のはヒヤッとしたよ………さあ……席替えをしようか。シャッフル、シャッフル!」
紙一重で転移で回避したカンパネルラはクラフト―――ナイトメアシャッフルでエマ達の位置をそれぞれバラバラにさせ
「さあてと…………それ!ガリオンフォート!!」
続けて戦術オーブメントを駆動させた後僅かな時間で上位アーツ―――ガリオンフォートをアルフィンとオリビエ、エマに向けて放った!
「絶対障壁――――ラウンドバリア発動!」
襲い掛かる幻の砲台による砲撃のエネルギーに対してアルフィンは魔導杖に搭載されている全てを防ぐ強固な結界――――ラウンドバリアを自分を中心とした結界を展開して、オリビエとエマを襲い掛かる砲撃を全て防いだ。
「へえ……今のを結界で防ぐなんて、さすがは古のアルノールの血って所かな?」
上位アーツが防がれた事に驚いたカンパネルラは目を丸くしてアルフィンを見つめたが
「魔力集束――――アウエラの導き!!」
「!!あ、あぶな~………まさか、灰のお兄さんの妹まであんな高レベルの術者だったなんて、驚いたな……」
側面から片手に電撃が迸る程の魔力を球体状へと集束させた後解き放ったエリゼの魔術に気づいて慌てて回避したカンパネルラは自分がいた場所で大爆発を起こしたエリゼが放った魔術を見ると冷や汗をかいて驚いていた。
「呑みこめ―――ダークイレイザー!!」
「く……っ!?」
そこにマキアスのショットガンから放たれた暗黒の重力エネルギーによってカンパネルラは動きが封じ込められ
「「玄武の地走り!!」」
「ぐっ!?」
レンとサフィナはカンパネルラを中心に十字させるように地を這う斬撃を放ってカンパネルラにダメージを与えた。
「フッ、お返しだ――――ガリオンフォート!!」
「アークス駆動――――ガリオンフォート!!」
「ヤバ――――あいたっ!?」
オリビエとエマが発動した先程自分が撃ったアーツと同じアーツをその身に受けたカンパネルラはダメージを受けると共に再び怯み
「業火よ、全てを焼き飛ばせ――――灼熱の大熱風!!」
仲間達が攻撃している間に魔術の詠唱を終えたアルフィンがカンパネルラを中心に業火の竜巻を発生させる魔術を叩き込んだ。
「あつつ………まさか、僕にここまでダメージを与えるなんて、さすがはブルブラン達を退けたオリヴァルト皇子達って所か。――――だったら、僕もとっておきを出そうかな!」
攻撃の最中に転移で攻撃範囲から逃れたカンパネルラはエマ達に大ダメージを与える為にSクラフトを発動し、カンパネルラの幻術によってカンパネルラの頭上にかつてノーザンブリアを絶望へと追いやった古代遺物――――”塩の杭”を模倣した巨大な”杭”が顕れ
「させません!我が求めに応じ、今こそ顕現せよ――――其は堅牢、我等を守る唯一の盾!其は流麗、昏黒を照らす無二の鏡!」
カンパネルラのSクラフトに対抗する為にエマがその場で詠唱をして魔導杖を振り回しながら舞うと、幻影の城がエマ達を囲むように顕れ始めた。
「さすがに反則?でも、やっちゃおうっと!アハハハハッ!全部塩になれ!!」
「照らせ――――パレス・オブ・エレギオン!!」
そしてカンパネルラが頭上の杭を自分達に向けて放った瞬間、エマの魔術によって完成した幻影の城はどんな攻撃も防ぎ、そして反射する結界をエマ達に付与し、カンパネルラが放った杭がエマ達に命中すると結界はエマ達を守り、本来受けるはずだったエマ達のダメージをカンパネルラへと反射した!
「ああああああああああああっ!?ぐっ………ま、まさか……今のを防ぐどころか、反射するなんて……!?」
自分が放ったSクラフトによって大ダメージを受けたカンパネルラが悲鳴を上げて怯みながらエマ達を見つめたその時、術者であるエマを除いた仲間達はそれぞれ反撃を開始した!
「うふふ、お茶会を始めましょうか――――アタナシアン・キティ!!アークス駆動――――」
「アルフィン、合わせるわよ!」
「ええ、エリゼ!」
味方のスピードを高めるブレイブオーダーを発動したレンはオーブメントを駆動させ、エリゼの呼びかけに頷いたアルフィンはそれぞれ同時に詠唱を開始した。
「させないよ―――」
「それはこちらのセリフです!」
「あぐっ!?」
レン達の行動を見たカンパネルラは駆動や詠唱を妨害しようとしたが、サフィナが投擲した双鎌をその身に受けて怯んだ為妨害に失敗した。
「「大気に舞いし精霊たちよ、清浄なる調べを奏でよ――――」」
「時の結界よ、砕け散れ!!」
「セブンス・キャリバー!!」
「「フェアリーサークル!!」」
「あいたっ!?」
レンが発動したブレイブオーダーに加えて詠唱や駆動時間を一気に早めるマキアスのクラフト―――バーストドライブを受けたレンはカンパネルラの頭上より七色の連鎖爆発を起こす巨大な剣を降り注がせ、エリゼとアルフィンは味方を回復させると共に敵にはダメージを与える清浄なる風を発生させる魔法陣を発生させてそれぞれカンパネルラに大ダメージを与えた。
「少し本気を出させてもらうよ!ハァァァァァ………!」
するとその時、足元に魔法陣を発生させて自身の周囲に莫大な霊力を発生させたオリビエが片手を空へと掲げると巨大な魔法陣が現れると共に球体が顕現し始めた。
「我が元に集え、大いなる七耀の力!解き放て――――アカシックスタ――――――!!」
そこに魔法陣が顕現した銃口でオリビエが球体目がけて銃撃して球体を貫くと球体は砕け散って、エネルギーの雨と化してカンパネルラを中心に降り注いだ!
「うわあああああ……っ!?ふふ、やるじゃない……」
「フッ、楽しんでくれたかな……?」
オリビエが放ったSクラフトによってカンパネルラが戦闘不能になって地面に膝をつくと、オリビエはカンパネルラに背を向けて髪をかきあげて決め台詞を口にした。
「ルリエンよ、我等に森と精霊の加護を――――ルリエンクレスト!!」
リィン達と共にマクバーンとの戦闘を開始したエルファティシアは味方に敵から受けるダメージの内3割を防ぐと共に様々な状態異常を無効化し、更に体力や傷が自動で回復する効果を持つ特殊結界を付与するブレイブオーダーを発動して、リィン達や自分に特殊結界を付与した。
「焼き尽くせ!!」
「踊れ、炎蛇よ!――――炎蛇咆哮!!」
マクバーンが先制攻撃に炎の狼を解き放つと、セシリアが魔術で発生した巨大な炎の蛇を放って相殺し
「アークス駆動――――ゴルトスフィア!!」
「落ちよ、聖なる雷!ライトニングプラズマ!!」
「ぬりぃ。」
アリサとセレーネがそれぞれ威力が低い代わりに発動が早いアーツや魔術で反撃すると、自身を炎で覆って二人が放った魔法攻撃を防いだ為弱点属性である光の攻撃を受けたにも関わらずマクバーンは怯まず、余裕の様子を見せた。
「クク、テメェとは一度やりあいたかったんだよなあ、”風の剣聖”!」
そしてマクバーンは不敵な笑みを浮かべてアリオス目がけて片手で生み出した炎の球体を放ち
「!ハアッ!」
「っと。」
解き放たれた炎の球体を跳躍して回避したアリオスはそのままマクバーン目がけて太刀を振り下ろし、アリオスが反撃に放った剣技―――大雪斬に対してマクバーンは後ろに跳躍して回避した。
「こんなのはいかがですか……!?」
「チッ、鬱陶しいんだよ……!」
そこにシャロンが亡霊であるマクバーンにも効く鋼糸でマクバーンを拘束し、拘束されたマクバーンは身体から一瞬で発生させた自身の焔で鋼糸を焼き切って、シャロンの攻撃を無効化したが
「秘技―――裏疾風!斬!!」
「秘技―――裏疾風!ハアアァァッ!!」
「ぐっ!?」
電光石火のような速さで襲い掛かって来た亡霊である自分に対して絶大な効果を発揮するリィンとアリオスの神剣と退魔刀の剣技をその身に受けると怯み
「崩した!」
「続きますわ!ヤァァァァァ………ホーリーインパクト!!」
「崩れたぞ!」
「私も続くわ!ルリエンよ、邪悪なる者に裁きの鉄槌を――――神槍!!」
「光よ、炸裂せよ――――爆裂光弾!!」
「がああああああっ!?」
マクバーンが怯むと二人とそれぞれリンクを結んでいたセレーネがアリオスが持つ太刀同様亡霊等の”魔”の存在に対して真骨頂を発揮する聖剣に光の魔力を込めて薙ぎ払い攻撃を、エルファティシアは魔術によって発生した光の槍をマクバーン目がけて放ち、二人の後にセシリアは広範囲に炸裂する光を集束した球体を放ってマクバーンに命中させ、弱点属性である光の攻撃を連続で喰らったマクバーンは思わず悲鳴を上げた。
「絶!!」
「ガッ!?」
マクバーンに反撃の隙を与えない為にリィン達の追撃が終わるとシャロンが続くように亡霊に対して絶大な効果を発揮するセティ達特製のダガーで一閃すると、マクバーンは呻き声を上げて再び怯み
「崩しましたわ!」
「もらった!燃え尽きなさい………――――ファイアッ!!」
マクバーンが怯むとシャロンとリンクを結んでいるアリサが追撃に力を溜めた炎の矢をマクバーン目がけて解き放った。
「ハッ、やるじゃねえか!―――燃えろ!!」
「キャッ!?」
「お嬢様……!っ!?」
しかし襲い掛かって来た矢を片手で掴み取って焼き尽くしたマクバーンは反撃にクラフト―――ギルティフレイムをアリサとシャロンに放ち、回避が間に合わなかった二人はそれぞれダメージを受け
「ハッハァッ!!」
「「!!」」
続けてリィンとアリオス目がけてクラフト―――ヘルハウンドを放ち、襲い掛かる炎の狼を二人はそれぞれ左右に散って回避した。
「聖なる光よ、傷つきし者達に慈悲を――――癒しの風!!」
そしてセシリアは治癒魔術を発動してアリサとシャロンが受けたダメージを回復し
「チッ、うぜぇんだよ!」
「させるか!―――緋空斬!!」
それを見たマクバーンは舌打ちをしてセシリアに火炎弾を放ったがリィンが放った炎の斬撃波によって相殺された。
「七色の光の矢よ――――プリズミックミサイル!!」
「しゃらくせぇっ!」
セレーネが放った無数の虹色の光の矢に対してマクバーンはクラフト―――ヘルハウンドを放って相殺したが
「逃がさないわよ――――メルトストーム!!」
「だからぬりぃんだよ!」
アリサが放った炎の竜巻を発生させる矢の雨は受けてしまい、矢の雨を放ったアリサにマクバーンは反撃をしようと再び片手に炎の球体を形成した。
「フフ、ではこちらはどうですか……!?―――――シャドウステッチ!!」
「がっ!?」
その時シャロンが凄まじい速さでダガーで斬りかかった後鋼糸による締め付け攻撃をマクバーンに叩き込んでアリサへの反撃を妨害し
「受けなさい、浄罪の焔――――贖罪の聖炎!!」
「ルリエンよ、悪しき者達に浄化の焔を――――贖罪の聖炎!!」
「がああああああっ!?」
セシリアとエルファティシアが放った浄化の焔をその身に受けたマクバーンは悲鳴を上げて怯んだ。
「これで決める!無明を切り裂く閃火の一刀………はあああ………!」
「風巻く光よ―――――我が剣に集え!オォォォォ………ッ!!」
マクバーンの様子を見て好機と判断したリィンは太刀に闘気による膨大な炎を纏わせ、太刀に闘気による膨大な風を纏わせたアリオスは地面を蹴って神速の抜刀によって発生した無数の斬撃でマクバーンを攻撃した後空高く跳躍し
「はっ!せい!たあ!おおおお………!」
アリオスが跳躍するとリィンが太刀に炎を宿したリィンが凄まじい早さの連続攻撃をマクバーンに叩き込んだ!
「終ノ太刀―――――暁!!」
「奥義――――風神烈波!!」
そしてリィンがマクバーンの背後へと駆け抜くと炎の大爆発が起こり、炎の大爆発の後に更にアリオスがマクバーンの頭上より闘気によって発生した風を纏った強烈な一撃をマクバーンに叩き込んだ!
「ガアッ!?クク、マジかよ………」
神剣と退魔の太刀による奥義を連続で受けたマクバーンは戦闘不能になり、自分を追いつめたリィン達に対する好戦的な笑みを浮かべて地面に膝をついた。
「クク、ハハ………いいねぇ、お前ら、煌魔城の時よりもずっといい………」
「やれやれ、別にいいけどさ。下手したらこの塔ごと巻き込んじゃうじゃないの?」
地面に膝をついていたマクバーンだったがすぐに立ち上がると足元から黒い焔を噴き出させ、それを見たリィン達は血相を変えている中カンパネルラは呆れた表情で溜息を吐いて立ち上がった後マクバーンに指摘した。
「まあ、ちっとは譲れや。”深淵”が出て来なくてちょいとイラついてたからな。大丈夫だ――――デカブツまで燃やしたりしねぇよ。」
「うふふ、仕方ないなぁ。」
マクバーンとカンパネルラが呑気に会話をしている中リィン達はマクバーンを最大限に警戒していた。
「………来るぞ……」
「わかってる……!」
「くっ、1年半ぶりだがなんてプレッシャーだ……」
「相変わらず”人間”とは思えない”力”の持ち主ですわ……」
「”ここからが本番”ですわね……」
「”火焔魔人”……”七日戦役”でリウイ陛下達が討ち取り、そして亡霊となった彼は子爵閣とがやり合った人外か。」
「………なるほど。まさに”人外”というべき”力”が感じられるな。」
「そうね。飛天魔族―――いえ、下級魔神クラスと見積もった方がよさそうね。」
既にマクバーンの”本気”を知っているリィン達が警戒している中、初めて見るマクバーンの”本気”を見たオリビエやアリオス、エルファティシアも表情を引き締め
「うふふ、でもパパとゼルギウス将軍はたった二人で無傷で勝利したけどね♪」
「レン……あの二人を比較対象に出す時点で比較対象として間違っていますよ……」
「ふふっ、お二人は英傑揃いのメンフィルの将や皇族の中でも指折りの実力者ですからね。」
小悪魔な笑みを浮かべたレンの言葉にサフィナは疲れた表情で指摘し、セシリアは苦笑していた。
「セリーヌ、手伝って……!」
「ええ、あの黒い焔を何とか封じ込めるわよ……!」
「アルフィン。」
「ええ、わかっていますわ。――――お願いします、ベルフェゴール様!」
「どうか私達に御力を――――リザイラ様!」
一方エマはセリーヌと共にマクバーンの焔を封じ込める為に魔術を開始し、エリゼとアルフィンはそれぞれの魔力と同化していたベルフェゴールとリザイラを召喚した!
「オオオォォォオォォオオッ……!」
ベルフェゴールとリザイラが現れると同時にマクバーンは咆哮と共に”火焔魔人”へと変貌した!
「1年半ぶりだ――――せいぜい熱くさせてくれよ?最低でも”光の剣匠”くらいにはなああっ!!」
そしてリィン達は”火焔魔人”へと変貌したマクバーンとの戦闘を開始した―――――
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