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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその二十

「自分でも気付いています」
「そうは見えないけれど」
「嫌いな相手には顔が変わりますし」
 人相がというのです。
「話もしないし何言っても何しても平気です」
「そこまでなの」
「まあ基本顔に出ます」
「それはよくないわね」
 そこまで嫌いな相手に対する態度が悪いとです、私から見ればそうした感じではないのですが。
「というか阿波野君ってそうしたタイプなの」
「実はそうなんです」
「それで自分でも気を付けてるのね」
「はい、癖性分として」
 自分自身のそれをわかっているというのです。
「何とかしようと伏せ込んでいます」
「頑張ってね、というか人の好き嫌いはあっても」
「顔に出たり話をしないのは」
「極端よ」
「そこはなおしていかないといけないですか」
「勿論よ、というか阿波野君がそうしたタイプだっていうのは」
 結構人懐っこいといいますか馴れ馴れしい感じがしていたので。私は正直意外だと思わざるを得なかったです。
「まさかね」
「僕だって人の好き嫌いはあります」
「それで嫌いな人にはなの」
「態度に思いきり出るんです」
 そうだというのです。
「昔からそうなんですよ」
「そうだったら」
「ですから人はあまり嫌わない様にします」
「というか嫌い方もね」
 もうお顔に出てお話もしない位になるとです。
「考えてね」
「抑えてですか」
「ひょっとして嫌いな人は全否定するの?」
「します」
 実際にというのです。
「完全に」
「そこまでなのね」
「僕の場合嫌いってのはなくて」
「そこを飛び越して大嫌いになるのね」
「そうなんです」
 こう私に答えてくれました。 
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