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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその十八

「その子とね」
「その子?人じゃないんですか?」
「あっ、何でもないから」
 今度ははぐらかされた感じでした。
「とにかく頑張ってね」
「受験をですか」
「そうだね、まずは受験だね」
「そうですよね」
「それを頑張って合格して」
 大学にというのです。
「それから阿波野君にも色々と教えてあげてね」
「先輩宜しくお願いします」
「ええ、おみちのことならね」
 私は阿波野君に真面目に返しました、相手が誰でもおみちのことなら真剣に教えずにいられません。
「こちらこそ宜しくね」
「はい、これからも何かと」
「教えさせてもらうわ」
「まだまだ何も知らないので」
「高校入ってからよね、本格的な勉強はじめたの」
「天理高校入学するまでは」
 実際にという返事でした。
「そうでした」
「じゃあまずは教典や教祖伝を読んで」
 まずはこの二冊の本からです、何といっても。
「予習としてね」
「授業でやる前にですね」
「そう、一度位は最後まで読んで」
「それからですか」
「ておどりもしてるでしょ」
 天理教独特の手足を使って踊るものです、よろづよ八首と十二下りがあって月並祭の時とかに踊ります。
「授業で習ってるでしょ」
「はい、あれですね」
「あれもDVDが売ってるから」
 それでというのです。
「自分で勉強するといいわ」
「それで何といってもひのきしんですね」
「そう、おみちはお勉強だけじゃなくてね」
「ちゃんとですね」
「行動も伴わないといけないから」
 こうした教えです、むしろ学問よりも行動が大事です。 
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