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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第七幕その十

「やっぱりね」
「うん、そうだね」
「高校生の部活に合わせてね」
「ちゃんと薔薇を選んだのね」
「そういうことになるね、そしてこうした種類でも」
 育てることが楽な種類でもというのです。
「奇麗な薔薇が咲くよ」
「そうだよね」
「もう満開でね」
「とても奇麗よ」
「何度観ても」
「そう思うよ、僕もね」
 先生は薔薇達を観つつ言うのでした、そしてです。
 その薔薇達を観てからです、そのうえで研究室に戻ろうとしましたがふとその途中でお空を見上げますと。
 お天気が悪くなっていました、それでこんなことも言いました。
「降りそうだね」
「うん、何か今日はね」
「お天気が悪いわね」
「どうにも」
「雨が降って」
 そしてと言う先生でした。
「薔薇が雨に濡れたか」
「あっ、それもね」
「奇麗よね」
「雨に濡れた薔薇も」
「それもね」
「雨の中で薔薇を観ても」
 そちらもというのです。
「いいね」
「洋館と一緒にね」
「それも絵になるわね」
「実際に」
「そう思えるよ、僕も」
 先生は暗くなってきたお空を見上げつつ思うのでした。
「薔薇と雨もね」
「それもまたよし」
「絵になる」
「詩的ね」
「素敵だね、しかし僕は英文の詩よりも」
 イギリスで生まれ育って来たのです、言うまでもなく先生一番親しんでいる言語は英語で詩も英語のものです。
「最近は和歌とかね」
「日本の詩の方にね」
「親しんでるよね」
「どうも」
「自分でもそう思うよ」 
 こう皆に答えます。
「そうだってね」
「そうだよね」
「日本に来てからね」
「日本の歌も聴くし」
「そのせいでね」
「そうなってきたよ、それで薔薇が咲いたってね」
 ふとこの歌にも言及した先生でした。
「あの歌も聴いたしね」
「あの歌いい歌だね」
「悲しいけれどそこから得られるものがあって」
「それでね」
「薔薇は咲いて散ったけれどね」
 それでもというのです。
「それを見ていた男の子の心に宿る」
「そう思うといい歌よね」
「悲しいけれどハッピーエンドになって」
「素敵な歌だね」
「あの歌も聴いたし」
 日本に来てです。
「だからね」
「日本の歌にも親しんでいて」
「詩にもね」
「そうなってきてるのね」
「そうなってきたよ、ただふとね」 
 先生はまた歩きだしています、うかうかしていると本当に雨が降ってきてそれに遭ってしまいそうだったからです。
「ブリテンの民謡も聴きたくなる時もあるよ」
「イングランドやスコットランドの」
「アイルランドやウェールズの」
「イギリス全土の歌をね」
「イギリスは連合王国だからね」
 動物の皆が挙げた四つの国々から成っています。 
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