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オズのガラスの猫

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第七幕その九

「そうしていくよ」
「そうなのね」
「うん、ホビットが靴を履かないことは」
 それはといいますと。
「もう昔のことでね」
「今はお洒落で履くのね」
「そうなんだ、履くとね」
 これがというのです。
「本当にお洒落だよね」
「ホビットはお洒落好きな種族なのね」
「そうだよ、もの凄く好きでね」
 お洒落がというのです。
「服全体に気を使ってるんだ」
「ウィンキーの色のその服もね」
「そうなんだ、じゃああらためてジュースを飲んで」
「お菓子や果物を食べて」
「楽しもうね」
「それじゃあね」
 ナターシャが笑顔で応えてでした、そのうえで。
 一行はホビット達と一緒に泉で楽しみました、そうしてそこで晩御飯も食べてでした。
 ホビット達と別れた後で寝る用意に入りましたがここでオズマが皆にこうしたことを言いました。
「靴はいいものよね」
「そうですよね」
「お洒落で足を守ってくれて」
「服と同じ位大事ですよ」
「旅には欠かせないです」
「もう絶対に必要なものですよね」
「本当にね。私も靴には気をつけてるわ」
 オズマ自身もというのです。
「いい靴を履いてね」
「そうしてですね」
「冒険にも出られてるんですね」
「長く歩けてしかもお洒落な」
「そうした靴ですよね」
「王宮の時はドレスに合わせて」
「そうして履いているの。お洒落で履きやすい靴をね」
 まさにいつもというのです。
「選んで履いているわ」
「そうよね、オズマ姫はお洒落だけれど」
 ガラスの猫も言います。
「靴にも気を使っているわね」
「はい、そうしています」
「そうよね、あたしはそのこともわからないけれど」
「貴女はそうよね」
「ええ、この足がね」
 ガラスの四本の足がというのです。
「それ自体が最高の靴だから」
「それでよね」
「そう、靴を履くことはね」
「ないわね」
「その必要はないわ」
 それも一切というのです。
「この足があればね」
「貴女はそうよね」
「私はーー足自体がーーです」
 チクタクの場合はといいますと。
「靴ーーですーーから」
「そうよね、あんたは」
「はいーー履くーーことはーーありません」
 こうガラスの猫に答えます。
「必要がーーないーーです」
「かかしさんや樵さんと一緒ね」
「そうーーなりーーます」
「そうよね、それであんたね」
「この靴よ」
 つぎはぎ娘は自分の足をガラスの猫の前に出しました、見れば服と一緒で身体と一緒になっています。
「これがね」
「あんたの靴よね」
「もう最初からあたしの身体に付いてるわよ」
「そうした靴でね」
「もう何もね」
 それこそというのです。
「履き替える必要も選ぶ必要もない」
「最初から最高の靴を履いているっていうのね」
「そうよ、あたしはこれで満足よ」
「それはいいことね、あんたはあんたで最高で」
「あんたもよね」
「このガラスの足が最高の靴だから」
 またこういうガラスの猫でした。
「満足しているわ」
「そうよね」
「ええ、じゃああたし達とチクタクは朝までお喋りをするけれど」
「私達はこれでね」
 オズマが応えました。
「寝るわ」
「そうよね、それじゃあ」
「お休みなさい」
 もう近くの湖で身体も奇麗にしていたので何の問題もなくでした、オズマ達は気持ちよく寝て明日の旅に備えるのでした。 
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