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空に星が輝く様に

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357部分:第二十六話 聴かれたことその十四


第二十六話 聴かれたことその十四

「そうしないと駄目だからな」
「わかったよ。しかしこのゲームってな」
「奥が深いだろ」
「コード入れていいアイテム入れてもそれでも何かな」
 しっかりと改造コードを使っている陽太郎だった。そうした遊び方もしているのであった。
「やりがいがあるよな」
「そだろ。ドラクエの中でもな」
「この3が一番だな」
「俺4も好きだけれどな」
「俺は6だな」
 二人でこんなことも話す。そうしながらだ。
 陽太郎は遂にその敵を倒した。それからだった。狭山にまた言った。
「倒したぜ」
「おお、おめでとうと言ってやるぜ」
「それで。後はエンディングから」
「隠しダンジョンだからな」
「隠しダンジョンが一番面白いんだよな」
 陽太郎のその声が笑っていた。
「クリアした後の御褒美もいいしな」
「4のあれがよかったな」
 狭山の声が笑っていた。実に楽しげに。
「俺あれでマジで感動したぜ」
「そうだよな。あれは確かによかったな」
「ああ。それに移民の町だけれどな」
 その話もするのだった。
「あれでも結構楽しんだぜ」
「そうか。あれもか」
「そうだよ。じゃあそっちは頑張ってくれよ」
 狭山はこう話してだ。自分のことも話してきた。
「俺もやってるからさ」
「そっちは何やってんだ?」
「ファイナルファンタジーな」
 それだというのだった。
「そっちやってるんだよ」
「シナリオは何なんだ、それで」
「6な」
 それだと答える狭山だった。
「そっちやってんだよ」
「へえ、そりゃいいな」
「ラスボス弱いけれどな」
「あはは、あれはちょっと拍子抜けしたよな」
「全くだよ」
 二人は今度はそちらの話をするのだった。
「あれだけ大騒ぎしてどんなのかって思ったらな」
「あっさり倒せるからな」
「あれだよな」
 狭山は笑いながら陽太郎に話す。
「恐竜の方がずっと強いよな」
「あれはないよな」
「恐竜がメテオとかアルテマ使うなんてな」
「ああ、最初見た時はびっくりしたよ」
 陽太郎はその話でもしっかりと盛り上がっていた。
「何なんだよこいつってな」
「だよなあ。まあこっちは魔石使って強くしていくからな」
「ああ、しっかりやれよ」
「じっくりやってくからな」
「レベルあげに励んでるんだな」
「まあな」
 その通りだという狭山だった。
「それじゃあな。俺もやってるからな」
「ああ、悪いな教えてもらって」
「いいさ。けれどそのかわりな」
「そのかわり?」
「後でメールで改造コードの番号送ってくれないか?」
「それか」
「ああ、それ頼むわ」
 こう陽太郎に言うのだった。
「それな」
「ファイナルファンタジーのかよ」
「いや、パワプロ」
 そちらだというのだ。野球ゲームである。
「それのコード頼むな」
「ああ、わかった。それでどのパワプロなんだよ」
「15.それ頼むな」
「わかった、じゃあそっち送るな」
「頼むぜ。パソコンでいいからな」
「御前野球ゲームもやるんだな」
 陽太郎はこのことにも考えを及ばせて述べた。
「そうだったんだな」
「ああ、チームは阪神な」
「やっぱりそこか」
「御前まさか巨人とか言わないよな」
「いや、俺も阪神だ」
 陽太郎はこのことには即答で返した。
「巨人なんか絶対にするかよ」
「だよな。椎名とか赤瀬も阪神だしな」
「ここ関西だからまず阪神だろ」
「それを聞いて安心したぜ。巨人なんか応援したらな」
「その時はどうなんだよ」
「もう絶対ゲームのこと教えてやらないからな」
 そうするというのだった。
「そんなことするものかよ」
「俺今つくづく巨人ファンでなくてよかったって思ったよ」
「そうか」
「そうさ。本当に思ったよ」
「ははは、野球は阪神だからな」
「だよな、それはな」
「そういうことでな。それじゃあな」 
 狭山は電話の向こうからでもわかる笑顔でだ。陽太郎に別れを告げてきた。
「また明日な」
「ああ、またな」
 二人は笑顔で別れたのだった。そうしてそのままそれぞれのゲームに戻っていく。そうしてだ。その休日を幸せに終えるのだった。


第二十六話   完


                2010・10・25
 
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