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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2122話

「お前がエンデュミオンの鷹とかいう大層な異名を貰った奴か? 何だよ、まだガキじゃねえか」

 呆れたようにそう言ったのは、黒い三連星の中でも一番背の高い……それこそ巨漢と呼んでもおかしくはない男だった。

「そっちは無意味に背がでかいみたいだけどな」
「ああ?」
「止めておけ、オルテガ。俺達は別に喧嘩を売りに来た訳じゃねえんだ。……もっとも、あれだけの戦果を上げたのが、この坊主みたいな奴だったとは驚いたけどな」
「そりゃどうも。で? 一応自己紹介した方がいいのか? もう俺の事は分かってるみたいだけど」
「ふっ、随分と強気な子供だな。MSパイロットってのはそうじゃなきゃいけねえ」

 オルテガと呼ばれたのを止めたのが、もみあげから顎髭まで繋がっている男で、立ち位置から恐らくこの男が黒い三連星のリーダーたるガイアだろう。
 で、でかいのがオルテガと呼ばれていたという事は、右目に傷のある男がマッシュか。
 ……MSを操縦する上で、遠近感というのはかなり重要になってくる。
 隻眼だというのにそれを問題なくこなし、それどころか異名持ちになっているというのを考えると、このマッシュってのも相当の腕の持ち主なのは間違いないだろう。

「お前を尋ねてきたんだから、お前の名前を知らねえ筈がねえ。一応こっちも自己紹介しておくか。俺がガイア。そっちがオルテガにマッシュ。黒い三連星と言えば、分かるだろ?」
「そうだな。黒い三連星が尋ねてきたってのは、聞いてるし」

 それにしても、マハルに到着する前ではなく到着した後で尋ねてきてくれて、助かった。
 もし移動中に尋ねてきていたら、リリー・マルレーンに俺の姿はなかっただろうし。

「で、名高い黒い三連星が、何でまたわざわざ悪名高い海兵隊なんかに?」
「いきなり有名になった奴がいると聞いてな。サイド3に戻る必要もあったから、ちょっと顔を見てやろうと思ったんだが……」
「ガイア、駄目だろこいつ。こんなガキが俺達と同じ異名持ち? 俺達の黒い三連星って異名も、このままだと連邦軍の連中に侮られるうになるぜ」
「おい、オルテガ。今は黙ってろ」

 黒い三連星の中で最も身体の大きいオルテガにしてみれば、俺が異名持ち……自分たちと並んだ存在であるというのが、気にくわないのだろう。
 どうやって勝負に持っていこうかと考えていただけに、向こうから絡んできてくれたのは寧ろ嬉しい。

「同じ? それはちょっと違うんじゃないか?」
「へっ、分かってるじゃねえか」

 俺の言葉に、オルテガはふんす、と鼻息も荒く視線をこちらに向けてくる。
 そんなオルテガに向け、俺は笑みを浮かべ……

「俺は1人でエンデュミオンの鷹という異名を持った。それに比べると、黒い三連星ってのは3人で1つの異名だろ? つまり、オルテガだったか。お前は黒い三連星の3分の1って訳だ」

 俺の言葉に、オルテガは一瞬何を言われたのか分からなかったかのように惚けた表情を浮かべ……だが、次の瞬間には顔を赤くして睨み付けてくる。

「てめえ、俺に向かってそんな事を言うってのは……当然覚悟は出来てるんだろうな?」
「覚悟、か。……そうだな。なら、ちょっと腕試しをするか? 私闘は駄目だろうが、軍人として体術の訓練って事なら問題ないだろ。ただし……俺がそっちに付き合うんだ。もし俺が勝ったら、黒い三連星には俺の命令を1つだけ聞いて貰う事になる。それでもいいなら引き受けてもいいが?」
「おう、分か……」
「待て」

 オルテガが何かを言うよりも前に、ガイアが会話に割り込んでくる。
 ちっ、冷静だな。このまま一気に押し切ろうかと思ってたのに。

「何だ? 戦わないんなら、それはそれでもいいけど」
「いや、違う。俺達は別にお前に喧嘩を売りに来た訳じゃないんだがな。……それはまぁ、いい。こうなっちまえば、もうオルテガは止まらないだろうし」

 ガイアの視線に、オルテガはこっちを睨み付け、マッシュの方はしょうがねえなといった表情を浮かべる。

「なら、何だ?」
「お前が勝った場合の事だけ条件が決められてるってのは、おかしくないか? もし俺達が勝ったら、お前はどうするつもりだ?」
「ん? ああ、万が一、億が一も有り得ない事だから、忘れてたな」
「何だとこらぁっ!」
「落ち着け、オルテガ」

 ……ガイアとマッシュの2人はともかく、オルテガの方は面白い程にこっちの挑発に乗ってくるな。
 こんな性格で、よく今まで生きてこられた……だけじゃなく、異名持ちにまでなれたものだ。
 ガイアとマッシュがオルテガを抑えているというのもあるんだろうが、オルテガ本人の能力も相当に高いという事を意味してるんだろう。
 この3人、ますますルナ・ジオンの戦力として欲しくなってきた。
 ここは絶対に勝つ必要があるな。

「なら、そうだな。こっちも同じ条件でいい。もし俺が負けたら、そっちの命令を何でも聞こう。それこそお前達の下働きをしろと言われたらそれでもいいし、死ねと言われたら命を差し出そう」

 そう告げた言葉に、オルテガまでもが驚く。
 何でも命令を聞くとは言っていたが、まさかそこに命が関わってくるとは思わなかったのだろう。
 もっとも、それは逆に言えば俺が勝った時は黒い三連星も同じ条件を背負うという事になるのだが……

「どうだ? 臆病風に吹かれたんなら、そのまま帰ってもいいぞ」

 そう言われると、ガイアが何かを言うよりも前に……

「いいだろう、その勝負引き受けてやるよ!」

 オルテガの叫びが周囲に響く。
 ガイアとマッシュがそんなオルテガの様子を見て、あちゃあ……といった風な態度を取っているが、既にこうして口にしてしまった以上は言葉を取り消すような事は出来ない。
 これが黒い三連星ではなくその辺にいる普通の奴であれば、もしかしたらそんな真似も出来たかもしれないが……黒い三連星として名高いガイア達であれば、そんな真似は出来ない。
 そんな真似をすれば、黒い三連星の名前に傷がつく。

「よし、話は決まりだ。まずはそうだな、軍人らしく生身での戦いでも試してみるか?」
「……本気か、お前。お前みたいな奴が生身でオルテガに……いや、俺達に勝てると思ってるのか?」

 俺の口から出た言葉が余程意外だったのだろう。マッシュは唖然とした様子でそう告げてくる。
 予想外だったからこその言葉かもしれないが、もしかしたらこのマッシュって、何気に面倒見が良いのかもしれないな。
 とはいえ、今はそれに感謝するよりも先にやっておくべき事が色々とある訳で……

「安心しろ。手加減はしてやるから、重傷は負わせないよ」

 俺としては本心からの言葉であると同時に、これもまた挑発の言葉だったのだが……

「っ!? いいだろう。てめえに黒い三連星の力を見せてやるよ!」

 ガイアとマッシュが何か言うよりも前に、オルテガがそう叫ぶのだった。





「ここなら大丈夫だろ。特に怪我をしたりもしないだろうし」

 そう言い、マットを敷かれている場所に視線を向ける。
 ここは相変わらずリリー・マルレーンの格納庫。
 そこに模擬戦用のマットを敷いた、簡易的なリングとでも呼ぶべき場所だ。
 シーマ艦隊の面々は海兵隊という立場上、生身での戦いになる事も多いし、何より所属している面々がマハルというスラム街出身で、血の気の多い者が殆どだ。
 そんな奴等にとって、生身での模擬戦というのは当然のように珍しいものではなく……俺が何をやろうとしているのか理解しているシーマもすぐに許可を出し、現在こうして俺はマットの上でオルテガと向かい合っていた。
 ちなみに一応俺の使っているFS型は格納庫に戻してあるので、ガイア達が俺の機体がないと怪しむといった事はない。

「いいか、くれぐれも相手に致命傷を与えないようにしろよ。俺が止めたら、お互いすぐに攻撃を止める事。いいな? お客さんの黒い三連星はともかく、ムウが怪我をするような事になったら、シーマ様は間違いなく怒り狂うからな」

 そう告げたのは、いつものように扇子と……そして通信機を手に持ったシーマの方を気にしているコッセル――審判として引っ張ってきた――なんだが……ん? あれ? 本気で俺が怪我をしないようにと心配している?
 そんなコッセルの態度に疑問を持ち……ああ、と納得する。
 MSパイロットとしての技術は見せたし、魔法も見せた。
 だが、その魔法を抜きにして、俺が生身での戦いでどれだけの力を持っているのかというのは、見た事がないのか。
 だからこそ、コッセルは心配そうな視線を俺に向けているのだろう。

「安心しろ。こんなガキは一発で気持ち良く気絶させてやるからよ」
「殺したり大怪我をさせるような真似はしないから、安心しろ」

 俺とオルテガの2人が揃って相手を挑発するような事を口にする。
 お互いに挑発をしているが、その違いは俺は特に挑発を気にしてないが、オルテガは顔を赤くして苛立ちを露わにしているといったところか。

「あー、その辺にしておけ。いいな? くれぐれも、相手に大きなダメージを与えるような真似はするなよ? ……始め!」

 コッセルの言葉に、真っ先に動いたのは俺……ではなく、オルテガ。
 その巨体を活かし、真っ直ぐこっちに向かって突っ込んでくる。
 強く握られたその拳は、普通の人間相手であれば十分な威力を発揮するだろう。
 だが……俺は特に回避するような真似もせず、ただじっと近づいてくる拳を見る。
 周囲で見物していた海兵隊の何人かが、避けろ! と叫ぶ声が聞こえてくる。
 恐らく、俺がオルテガの迫力に怯えて、動けなくなっているように思えたのだろう。
 そんな声を聞きつつ、俺はそっと手を伸ばし……

「なっ!?」

 自慢の拳があっさりと俺に止められたオルテガは、信じられないといったように声を出す。
 実際、そう思っているのはオルテガだけではなく、周囲で俺達の模擬戦を見物していた全員が似たような驚きの声を上げている。

「どうした? その巨体は飾りって訳じゃないんだろ?」

 そう言いながら手を離すと、オルテガは反射的に数歩後退り、こっちに信じられないといった視線を向けてきた。
 まぁ……正直、そんな視線を向けたくなるような気持ちは分からないではない。
 俺がオルテガの立場でも、恐らく同じような視線を向けただろうし。

「お前……何者だ?」
「ムウ・ラ・フラガ。エンデュミオンの鷹。……それは知ってるだろ?」
「俺が聞いてるのは、そんな事じゃねえ!」
「さて、その辺りの事情を説明するのは……この戦いが終わった後だろうな。それより、そっちから攻めてこないのならこっちから行くぞ?」

 言うと同時に、オルテガとの間合いを詰める。
 だが、当然のように瞬動の類は使っていないし、精神コマンドの加速も使っていない。
 それこそ、普通に目で見て判断出来るだろう、そんな速度。
 そんな速度からこそ、オルテガが反応出来たのだろう。
 その事に若干感心しながらも、こっちを迎撃しようと伸ばしてきた手を捕まえ……そのまま技ではなく力で強引に一本背負いに持っていく。
 オルテガも軍人だけあって受け身の類はきちんと出来たので、致命傷にはならずにすんだ。
 それでも背中を叩き付けられた事で、一瞬動きが止まったのは間違いなく……オルテガが動けるようになった時、俺は既に立ち上がってオルテガが復活するのを待っていた。
 この時点で、もし俺にその気があればオルテガが負けていたのは確実だったのだが……

「俺の、負けだ」

 そう、オルテガが口にする。
 けど、へぇ……見苦しく騒いだりせず、こうして潔く負けを認めるとは思わなかった。てっきり、もう少し負け惜しみでも言ってくると思ってたんだが。
 少し見くびっていたな。

「な……に……」

 負けを認めたオルテガの姿に、ガイアが信じられないと呟く。
 マッシュの方は、声も出ない様子でこっちを見ている。
 それだけ、生身での戦闘でオルテガに対して抱いていた信頼は強かったのだろう。
 ……海兵隊の面々も驚きの表情を浮かべているのは……まぁ、俺の生身での強さを初めて見るのだから、おかしくはないのか。

「どうする? 何なら黒い三連星ってくらいだし、今度は3人一緒に俺と戦ってもいいぞ?」
「待て! ……お前、本当に何者だ?」
『はっはっはっはっは! 兵隊ヤクザのお前等でも、やはり手を焼くか!』

 ガイアが鋭い視線を俺に向けてくるのと同時に、周囲にラルの声が響く。
 シーマに渡した通信機で、俺とオルテガの戦いを聞いていたのだろう。
 映像を出せば見る事も出来たのかもしれないが、UC世界の技術では無理な以上、音声だけで大体予想したのだろう。

「ラル大尉?」

 ラルの笑い声に、ガイアは呆然とした声で呟くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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