ナイスヒット
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第二章
「私は面白いと思ってね」
「彼からお話を聞きたいんですね」
「そう思っているんだ、どういった研究かね」
「それならです」
助手はエジソンのその話を聞いて彼に話した。
「アスレチックスの事務所に話を聞いてみますか」
「それがいいかな」
「カップ本人にいきなり言うよりです」
「事務所の方に話を通すことだね」
「フロントに。いきなり本人に言いますと」
ここでまたこう言った助手だった。
「ああした人間ですから」
「何があるかわからないか」
「ですから」
それでというのだ。
「まずは事務所の方に」
「よし、じゃあね」
「そちらに連絡を入れますね」
「そうしてから彼に聞きたいよ」
「それでは」
「さて、必要なら私もね」
エジソンは話が決まったところで笑ってこうも言った。
「バットやグローブを持とうか」
「野球をされるんですか」
「そうしようか」
こうしてだ、エジソンはアスレチックスの事務所と連絡を取った。するとだった。
彼のところにアスレチックスのフロントからスーツの者が来てだ、彼と話をした。
「お話はお伺いしましたが」
「そう、私は是非ね」
「カップの野球を知りたいのですね」
「そうなんだ、彼の野球はね」
まさにとだ、エジソンはフロントの者に自分から話した。
「科学的と聞いてね」
「カップはかなりの理論家です」
実際にとだ、フロントの者も答えた。
「研究家とも言うべきで」
「それでだね」
「はい、その研究たるやです」
「まさに精密科学の様だと聞いているよ」
「その通りです」
フロントの者もその通りだと認めた。
「彼は本当によく研究しています」
「そう聞いて彼の話を聞きたいと思ってね」
「こちらに連絡をしてくれましたね」
「そうなんだが話を聞かせてくれるかな」
「喜んで。ただ」
ここでだ、フロントの者は笑ってエジソンに言ってきた。
「こちらに一つ提案があるのですが」
「提案?」
「はい、対決してみませんか」
エジソンにこう言うのだった。
「カップがマウンドからボールを投げて」
「ああ、そしてだね」
「そうです、エジソンさんが打つんです」
カップが投げたそのボールをというのだ。
「その場面、エジソンさんがバッターボックスにいる時をです」
「写真にだね」
「撮りたいのですが」
「それは面白いね」
その企画についてだ、エジソンは明るく笑って応えた。
「是非やろう」
「それでは」
「うん、ではね」
「はい、ただもうエジソンさんはご高齢ですね」
「ははは、ここまで長生きするとは思っていなかったよ」
「ですから無理はなさらずに」
「いやいや、無理をしてこそだよ」
こうも言ったエジソンだった。
「一パーセントの閃きが出るのだよ」
「九十九パーセントの努力に加えてですね」
フロントの者もエジソンの有名な言葉を出して応えた。
「その一パーセントの閃きですね」
「努力に加えてね」
「閃きもないとですね」
「結局どうしようもないけれどね」
「その閃きはですね」
「無理をしないと出る時もあるから」
それでというのだ。
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