オズのガラスの猫
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第六幕その七
「進歩するとね」
「その分ですね」
「お料理も進歩するわね」
ナターシャにこう言うのでした。
「そうなるわね」
「そうですね、確かに」
「だからロシアでもね」
「お魚が依然より食べられる様になったと思います」
「そうよね」
「はい、確かに。ただロシアは」
ここで笑ってこうも言ったナターシャでした。
「冷凍技術はあまり必要ないという考えも出来ます」
「寒いからだね」
「だからだよね」
「ロシアはね」
「それでよね」
四人の子供達がそのナターシャに言ってきました。
「何かとね」
「冬は長くて」
「しかも寒くて」
「もう凄いからね」
「そうなの、だからね」
それでというのです。
「それはあまり必要ないかもね」
「ロシアってそんなに寒いのね」
ガラスの猫はオズの国の住人として述べました。
「冷凍技術が必要ない位って」
「そうなの、お肉も外に置いたらね」
「凍るの」
「あっという間に氷漬けよ」
そうなってしまうというのです。
「お水をかけたらね」
「そうなるの」
「そうなの、ロシアだと特に冬はね」
「それは凄いわね」
「ロシアの寒さは別格なの」
「オズの国じゃない位に」
「そうよ、もう全くよ」
それこそというのです。
「そうはない寒さよ」
「成程ね」
「オズの国にはない寒さね」
「オズの国は常春だからね」
そうした国です、ただし雪が積もるところは積もっています。そこは寒くはないですがスキーも楽しめるのです。
「ロシアの寒さはないわね」
「そうよね」
「日本でもないけれど」
ナターシャだけでなく他の子達も今いるこの国でもというのです。
「ロシアの寒さは」
「つまりロシアだけの寒さなの」
「北欧も寒いけれど」
この国々もというのです。
「ロシアはまた別格でしょうね」
「ううん、あたしには想像出来ないわ」
「そうした寒さもあるの」
「そうなのね、とはいってもね」
「あっ、貴女はね」
ナターシャは焼売を食べつつガラスの猫に応えました。
「ガラスの身体だから」
「暑いのも寒いのもね」
「関係ないの」
ガラスの身体にはというのです。
「全くね」
「そうよね」
「暑さ寒さは感じても」
それでもというのです。
「それで辛いと思ったりね」
「動きに影響することもよね」
「ないの」
「そうよね」
「だからいいのよ」
「そんなの全然辛くないわよ」
つぎはぎ娘も言ってきます。
「オズの国じゃ確かにそう感じることは稀だけれどね」
「暑さ寒さは」
「それでも」
「そうよ、ガラスの猫もあたしもね」
「温度に関係なく動けるわね」
「ただあたしは湿気で身体が鈍くなることもね」
それもというのです。
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