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空に星が輝く様に

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342部分:第二十五話 キャンプファイアーその十四


第二十五話 キャンプファイアーその十四

「子熊座ですね」
「そうだよな。あれそうだよな」
「はい、そうですよね」
 微笑んで言う月美だった。
「中心の星が北極星で」
「北の空の中心にな」
「そしてその周りに六つの星達があって」
「北斗七星もいいけれどあの小さなのもいいよな」
「はい、そう思います」
「小ぶりだけれど。それでも」
「お空を常に回っていて」
 それがいいというのである。これが彼女達の考えだった。
「何時でも見られて」
「そうだよな。夜ならいつも」
「私達を見守ってくれているみたいで」
 そしてだった。こう表現するのであった。
「凄くいいですよね」
「全くだよな。それでだけれど」
「それで?」
「俺が夜空で一番好きなのは」
 このことをだ。今月美に話すのだった。
「やっぱりあれなんだよ」
「あれっていいますと?」
「月なんだよ」
 自分の隣にいる月美に顔を向けて。そのうえでの言葉だった。
「月が一番好きだよ」
「月が、ですか」
「前から一番好きだったけれど今は特に」
 そうだというのである。
「好きだよ。月だから」
「だからですか」
「ついつい連想してさ」
 このことは隠さなかった。隠せなかったと言ってもいい。
「ほら、月と」
「私と」
「名前ってそういう時凄いよな。ついつい連想してしまうから」
「私もです」
「月美もなんだ」
「お日様を見ていると」
 今度は彼女が陽太郎を見てだ。微笑みながら言ったのだった。
「陽太郎君を思い出します」
「俺を」
「はい、陽太郎君をです」
 その彼をだというのである。
「思い出します。自然に」
「俺の名前もそうだったんだ」
「名前って本当にあれですよね」 
 今度はだ。月美が言うのだった。
「凄いですよね。連想させてしまいますから」
「本当にな。けれど面白いよな」
「そうですね。本当に面白いですよね」
「連想できるってさ」
「そういうことができるのが」
「いや、本当に凄いよ」
 陽太郎はさらに言う。
「そういうことになるのって」
「ええ。それじゃあ」
「ああ、それじゃあな」
「お星様をもっと」
「見ような」
 二人は完全に二人になっていた。そんな二人を見てだ。狭山と津島が苦笑いと共に言うのだった。
「もう完全に二人のものだよな」
「そうね。主役よね」
「俺達も楽しくやれたからいいけれど」
「あそこまでいくと。妬けるわよね」
「妬くよりも妬かれる」
 ここでも椎名が言った。
「そうするべき」
「正論だね。それじゃあ」
 赤瀬が彼女のその言葉に頷いた。そうしてだった。
 椎名にだ。こんなことを言うのだった。
「これから何しようかな」
「傍にいてくれたらそれでいい」
「それでいいんだ」
「そう、それでいい」
 こう赤瀬に言うのだった。
 
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