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空に星が輝く様に

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336部分:第二十五話 キャンプファイアーその八


第二十五話 キャンプファイアーその八

「何時の間にああなったんだろうな」
「気付いたらだけれど」
「けれどよく見たらあの二人って」
「お似合いか?」
「そうだよな」
 こんな言葉も出ていた。
「あの斉宮って結構格好いいよな」
「背もそこそこあるしな」
「顔も悪くないし」
「確かにな」
 男連中からもだった。陽太郎は好意的に見られていた。
 そして椎名もだ。女組の言葉だった。
「四組にあんな奇麗な娘いたなんてね」
「意外なところにいるっていうか」
「髪も奇麗だし胸も大きいし」
「何か反則よね」
 そんな声を聞いてだった。月美は恥ずかしそうに顔を赤らめさせる。そうしてその顔で陽太郎に対して言うのであった。
「あの、何か」
「気にすることないさ」
 陽太郎はその月美に優しい声で話した。
「周りの声なんてさ」
「けれど」
「気にしない気にしない」
 また言う陽太郎だった。
「そんなことはさ」
「そうなんですか」
「今は踊ることに集中しよう」
 その優しい声での言葉だった。
「いいよな、それで」
「踊りに」
「もうすぐはじまるぜ」
 こう月美に告げた。
「だからさ。そちらに」
「わかりました」
 月美も陽太郎のその言葉に頷いた。
「それなら。今から」
「音楽はじまるかな」
 陽太郎は無意識のうちに耳を澄ました。するとだった。
 静かで穏やかな曲が流れてきた。それを聴いてすぐにだった。
 月美にだ。また告げたのだった。
「じゃあ今からな」
「はい」
「踊ろうか」
「そうですね。それにしても何か」
 月美もその音楽を聴いている聴きながらでの言葉だった。
「こうして。陽太郎君と踊れるなんて」
「それがどうかしたのかい?」
「夢みたいです」
 こう言ってまた頬を赤らめさせる月美だった。
「本当に。何か」
「夢じゃないさ」
 陽太郎はその月美に優しく告げた。
「その証拠にさ」
「証拠に?」
「俺、月美の温かさ感じてるから」
 それが証拠だというのである。
「だからさ。夢じゃないさ」
「だからですか」
「そうだよ。じゃあいよいよ」
「はい、いよいよ」
「踊ろうか」 
 陽太郎が先に身体を動かした。月美もそれに続く。
 二人は両手を握り合わせそのうえで前に出た。二人で微笑みを向け合っている。
 その微笑みのまま陽太郎が左手をあげると月美がそこに自分の左手を合わせてくるりと一回転した。陽太郎は後ろからその彼女を支える。
 そうしたダンスをしながらだ。二人は幸せな時間を楽しんでいた。
 
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