魔法少女リリカルなのはStrikerS ~ Remember my heart+ ~
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プロローグ
前書き
小説をはじめました!
どうかよろしくお願いいたします!
ここはミッドチルダの廃墟区の路地裏。
その路地裏では、疲れた表情をした30代ほどの男が、緑色の服を着た男女達に追いかけられていた。
「はぁ……、はぁ……。行き止まりか……」
「追い詰めたぞ! 犯罪者!」
「管理局首都防衛隊エリートチーム『ファントム隊』から逃げられると思ったか!?」
「大人しく銀行から盗んだ現金を渡して、捕縛されなさい!」
「くっ……、管理局!」
逃げる場所を失った犯人は、悔しそうな表情でファントム隊の局員達を見つめる。
「た、頼む! どうか見逃して下さい!」
「この金があれば、病院で入院している娘に手術をうけさせる事が出来るんだ! 頼む! 見逃してくれ!!」
犯人は銀行から現金を盗んだ理由を嘘偽りなく管理局に話、更に土下座までしながら必死に自身を見逃して欲しいと懇願するが……
「だから何だ? 犯罪者である貴様の娘が病で苦しんでいようが、我々の知ったことでは無いわ!!」
犯人の願いを無慈悲に一蹴したのは、茶色のオールバックの髪型で頬に傷を持ち、顎には髭をはやした鋭い眼をした40代辺りの男。
ファントム隊の隊長ワジャ・ヴェルフだった。
「良いか! 犯罪者に人権等無い!! 貴様らに、慈悲など与えるつもりは毛頭に無い!!!」
「な、何だよ……。何が管理局だ! どうして……、弱い者の気持ちを理解してくれないんだよ!! 俺だって!! 好きでこんな事をやっている訳じゃ無いんだよ!! 大切な娘を助けるには、これしか無かったんだよ!!!」
「言った筈だ! 慈悲など与えるつもりは毛頭に無いとな! それに、弱き人々から金を奪った奴が良く自分を《弱い者》など言えたな?」
「くっ……」
犯人の必死の訴えも、ワジャは聞き入れることは無く、逆に言い負かす。
「俺は、捕まるわけにはいかないんだぁぁぁぁぁ!! 退いてくれぇぇぇぇぇ!!!」
「!」
「「「ワジャ隊長!!!」」」
犯人は管理局に懇願するのを諦め、強行手段をとる。
手に持っているナイフを前に突き出して、ワジャ隊長に突進をするが……。
「ふっ!」
「あっ! ナイフが!?」
「はあっ!!」
「ぐへっ!」
突如、一人の局員が犯人の前に、ワジャ隊長を庇うように飛び出す。
その局員は、十代後半でワジャ隊長と同じく、茶髪で鋭い眼をした少年だった。
その少年は犯人のナイフを手刀で弾き、武器を弾かれて動揺した犯人を少年は続けざまに犯人の服を掴んで、勢いよく犯人を地面の上に叩き付ける。
「隊長! 犯人を逮捕しました!!」
「うむ! よくやったお前達! そして、サガ・ヴェルフ二等陸士!」
「はい!」
「先程の犯人を無力化にしたのは、見事だったぞ!」
「はい!ありがとうございます!」
少年局員が犯人を地面の上に叩きつけると同時に、他の局員は地面の上に倒れた犯人を複数で取り押さえた。
ワジャは、犯人を取り押さえた局員達とサガと呼ばれる少年局員の成果を賞賛する。
「は、離してくれぇぇぇ! 俺は、娘を助けたいんだぁぁぁぁぁぁ!!」
「黙れ! 犯罪者!! 貴様の願いなど我々の知ったことではない!! その犯人を護送車へ連れていけ!!」
「「「了解!」」」
「さあ! さっさと歩け!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
取り押さえられた犯人は必死に自分の思いを叫ぶが、ワジャと局員達は聞いてもくれず、局員達は泣き叫んでいる犯人を、ワジャがすでに手配してあった護送車へ容赦なく連れていく。
「……サガ・ヴェルフ二等陸士。 お前は任務が終わり次第、後で隊長室に来なさい」
「?はい!」
他の局員は皆護送車へと向かい、サガも他の局員の後を追おうとすると……。
ワジャ隊長が、彼に任務が終わり次第隊長室へ来るように指令を出す。
サガはこの指令に一瞬、疑問を感じつつも即座にその指令を承認。
そして任務を再び続行し、仲間が向かっている護送車へと向かうのだった……。
とある空間。
そこは、どこを見渡しても真っ暗で足をつける地面すら無い異様な場所であった。
そんな異様な空間内で、黒髪の少年と金髪の女性が宙に浮いている状態で何か話をしている。
『それでは確認します。行き先は《新暦73年4月、フィルたち三人がBランク昇格試験を受ける2年前》でよろしいのですね?』
「ああ、頼む!」
黒髪の少年の名はフィル・グリード。
彼のいた世界では、彼以外の仲間達は皆、JS事件で戦死してしまった。
フィルの目の前にいる金髪の女性『女神アルテミス』の話によると、本来のJS事件は二年前に解決して、犠牲者も多くはは出なかった。
正しい歴史では、機動六課のメンバーに重傷者はいたが死亡者は出ておらず、何故か歴史が狂ってしまった……。
フィルはその狂った歴史を正しき道に戻すため、女神の力を借りて過去に戻ろうとしているのだ。
『それでは行き先をイメージしてください。イメージがしっかりしていないと貴方が行きたい過去に送ることが出来ません』
フィルはアルテミスに言われた通り、行きたい過去をふり返っていた。
すると、フィルの身体が光に包まれ、徐々にこの場から消えていく。
『……フィル、貴方が未来を変えられるよう、私から力を与えました……。ですが、未来を変えるには一人の力だけでは限界があります。良いですか?過去に行ったら絶対一人でやろうとはしないでください……。貴方は一人じゃないんですよ!!』
「ああ、そうだな……。肝に銘じておくよ」
そして、フィルの身体は全て消え…………過去へと向かった。
『フィル……』
アルテミスはフィルがいた場所を心配そうな表情で見つめていた。
だが、フィルもアルテミスも気付いていなかった、すでに歴史がまた狂いはじめている事に……。
フィルが向かった過去には、既にイレギュラーが入り込もうとしているのだから……。
果たして、そのイレギュラーはフィルにとって《吉》となるか……、それとも《凶》となるのか……、それは時の女神アルテミスにもわからない……。
後書き
残念ながら犯人の娘さんは……
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