レーヴァティン
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第六十三話 天津神の場所でその七
「それだけのことが十三人で出来るか」
「だから旗揚げをしてですか」
「そこで国を治める仕組みも築いていく」」
「人材も集め」
「ことを進めていく」
「だからですか」
「まずは十二人を揃えるのだ」
今そうしているというのだ。
「これからの為にな」
「そうですか、わかりました」
ここまで聞いてだ、紅葉も納得した顔になった。そしてその顔で英雄に話した。
「ではわたくしも共に」
「来るな」
「そうして頂きます、そして」
「そして、か」
「次に何処に行かれるかは決めていないですね」
このことをだ、紅葉は英雄に尋ねた。
「そうですね」
「九人目のところに行くつもりだが」
「しかしその九人目の方の手がかりは」
「まだ何も得ていない」
「それならです」
名古屋訛りの敬語でだ、紅葉は英雄に応えた。そのうえで彼に話した。
「わたくしに心当たりがあります」
「それは何処だ」
「伊勢の近くに志摩という場所がありますが」
「志摩か」
「こうお話するとおわかりですね」
「海、この島では湖か」
西の島もそうだがこの島には海はない。あるのは大きな湖と川だ。水はこうしたものによって保たれているのだ。
「それにまつわる者か、ならば」
「はい、おわかりですね」
「この島でこう言っていいかどうかはわからないが」
こう前置きしてだ、英雄は紅葉に応えて話した。
「海賊だな」
「はい、そしてその海賊の方に」
「外から来た者がいるのか」
「私達と同じく。そう聞いています」
「それではな」
「次は志摩に行かれてはどうでしょうか」
「わかった」
紅葉の言葉を聞いて即座にだった、英雄は決断を下した。そのうえで紅葉だけでなく他の者達にも話した。
「次は志摩だ」
「その志摩に行き」
「そのうえで」
「九人目がいればな」
その時はというのだ。
「そいつを仲間にする」
「それでは」
その話を聞いてだ、智が頷いて応えた。
「これからはですね」
「志摩に向かうとしよう」
「わかりました」
「海賊も必要だ」
仲間にはとだ、英雄は強い声で言った。
「水のことを知る者もな」
「この世界も水が多いでありますからな」
峰夫が英雄の今の言葉に頷いた。
「だからでありますな」
「そうだ、この島は大体地面が三割五分か」
「そして残りはであります」
「水だな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「海賊、水に詳しい御仁が加わるとであります」
「有り難いな」
「ですから」
「よし、それではだ」
「志摩に行きますね」
「そうする」
まさにというのだ。
「そうしよう」
「それでは」
「早速出発するっちゃ?」
愛実は英雄にこのことを尋ねた。
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