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オズのガラスの猫

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第六幕その五

「渡り終えてからね」
「また歩いて」
「お昼御飯になるわ」
 ガラスの猫は食べないですがこのこともお話に出しました。
「そうなるわ」
「そうなのね」
「それじゃあね」
「ええ、オズマ姫とつぎはぎ娘とチクタクは渡ったら」
「それからね」
「道を歩いていきましょう」
 今度はそちらをというのです。
 そうお話してでした、ナターシャ達はオズマを待ちました。オズマ達も程なく橋を渡りました。
 そして皆が橋を渡り終えるとミスター=ドラコは彼等のところに来て笑顔で言いました。
「では皆さんいい旅を」
「はい、それじゃあまた」
「こちらに来られた時は宜しくです」
 ナターシャに笑顔で応えました。
「また橋を渡って下さい」
「それでは」
「あと気になったことだけれど」
 ガラスの猫がミスター=ドラコに尋ねました。
「手品で造った橋なのよね」
「はい、そうです」
「それじゃあ一瞬でなくしたり」
「また建てたりですな」
「そうしたことも出来るの?」
「はい」
 ミスター=ドラコはガラスの猫に笑顔で答えました。
「勿論です」
「そうなのね」
「こうして」 
 ミスター=ドラコが橋に手を触れるとです、一瞬で。
 橋が消えてです、ミスター=ドラコの手にトランプのカードがありました。そして今度はです。
 ミスター=ドラコはカードを投げるとです、あっという間にです。
 橋になりました、ここでこう言ったのでした。
「種も仕掛けもありません」
「まさに一瞬だったわね」
「手品なので」
 それでというのです。
「こうしてです」
「崩して建てて」
「出来るのです」
「お見事ね」
「これが手品というものです」
 ガラスの猫に恭しく言うのです。
「面白いですね」
「最高にね、やっぱり手品は何度見てもね」
「面白いわ」
 つぎはぎ娘も言ってきました。
「最高にね」
「そう言って頂けると何よりです」
「ミスターにとってもなのね」
「手品師の最高の喜びです」
 そうだというのです。
「まさに」
「そうですか」
 ナターシャが応えました。
「手品師の人達はですね」
「手品に喜んで頂くことがです」
「最高の喜びなので」
「はい、では」
「これからですね」
「わたくしの手品が気に入って頂ければ」 
 その時はというのです。
「面白いと思って下さい」
「そうさせてもらいます」
 ナターシャはミスター=ドラコに笑顔で応えました、そうしてお互いに笑顔で再会を約束してでした。 
 そのうえで今度は黄色い煉瓦の道を進みます、そのうえでお昼になりましたが。 
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