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レーヴァティン

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第六十三話 天津神の場所でその三

「若し断られるとな」
「その時は」
「無理を言ってでもだ」
「それでもですか」
「許してもらうつもりだった」
「それでも私が駄目だと言っていれば」
「それでも通してもらっていた」
 自分達の考え、巫女を仲間にするそれをというのだ。
「何があってもな」
「そちらにある武器を使われても」
「それは全く考えていなかった」
 英雄は大宮司に即座に答えた。
「武器を使うことはな」
「それは何故でしょうか」
「伊勢は神聖な場所だ、その中で武器を振るうなぞな」
「あってはならないですか」
「そう考えているからだ」
 だからこそというのだ。
「俺は、そして他の者達もな」
「そうしたお考えでしたか」
「そうだった」
「そうですか、武器を振るうにもですね」
「振るっていい場所とそうでない場所がある」
 そのこともわかっているというのだ。
「この伊勢はそうだ」
「振るってはならない場所ですか」
「決してな」 
 それこそというのだ。
「そう考えている、そしてそこで武器を出す様なことをするかそうせざるを得ない様になるだけでもだ」
「この島を救うことは」
「出来ない、到底な」
「その程度ではと言われますか」
「一人仲間にするのにそこまでしては」
 神聖な場所で武器を振るう様な無体をしていてはというのだ。
「何が島を救えるか、ましてやな」
「ましてやといいますと」
「この島の政もしていくのだ」
「この島を」
「この島を救う為にはまずはだ」
 英雄は大宮司にさらに話した。
「島を統一してだ」
「多くの豪族に別れ時には争いがあり」
「魔物も多いが」
「戦も魔物もですか」
「なくし減らす」
 戦はなくし魔物は減らすというのだ。
「魔物は全ていなくならないだろうが」
「はい、魔物がいなくなれば」
「それはそれでだな」
「厄介なことになります」
 まさにというのだ。
「ですから」
「魔物は食物連鎖の中にある」
「その頂点にいます」
「その魔物が全ていなくなるとな」
「自然の調和が乱れます」
 食物連鎖というそれがというのだ。
「ですから」
「そうだな、魔物もな」
「今の状況は多過ぎて」
「人も困っているな」
「はい、しかし」
 それでもというのだ。
「全くいなくなりますと」
「それはそれで困るな」
「そうなのです、そしてそれは」
「俺も他の者もな」
 その仲間達も見て言う英雄だった。
「わかっている」
「ならばいいです」
「そうしたことも政治だな」
「人は、そして人の造りだしたものも全て」
「それこそだな」
「自然の一部です」 
 まさにとだ、大宮司は英雄に話した。 
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