転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦士ガンダム
2112話
リリー・マルレーンは12機のMSが運用出来るようになっている。
だが、それはあくまでも有効に運用出来るという意味であって、無理をすればもっと多くのMSを積み込む事も可能なのは、13機目として俺のFS型が積み込まれているのを見れば明らかだろう。
それでも限度というものがあり……
「これ以上は無理だからな!」
ガトーのザクを何とか格納庫に収めたところで、メカニックに苦情を言われる事になる。
いやまぁ、苦情を言いたくなる気持ちは分からないでもない。
一応こうして見る限りでは、一番大きな被害でも小破といった程度で、中破、大破といった機体はない。
それでも小破の機体を修理する必要はあるだろうし、それがなくても機体の整備をする必要はある。
そんな中で、想定外のMSを格納庫に入れるのをメカニックが嫌がるのは当然だった。
それでもこうして文句を言いながらも引き受けてくれた辺り、恐らくシーマから何らかの指示があったのだろう。
メカニックとの話を付け、俺は後ろを振り向く。
そこにはパイロットスーツを着たガトーの姿があった。
「そんな訳で、やっぱりお前の部下達を連れてくる事は出来なかったな」
俺の言葉に頷くガトー。
ガトーがリリー・マルレーンに行くと知り、ガトーの部下はガトーだけで行かせる訳にはいかないと言ったのだ。
まぁ、その気持ちは分からないでもない。
突撃機動軍を率いているキシリアと、宇宙攻撃軍を率いているドズルの仲の悪さは有名だ。
それでいて、シーマ艦隊は突撃機動軍の中でも更に評判の悪い部隊とくれば、ガトーの部下が心配をしてもおかしくはなかった。
「それは構わん。私は、あくまでもムウ少尉が口にした事の真偽を見定めに来たのだからな」
ヘルメットを脱いでそう言うガトーの髪がサラリと揺れる。
男でもセミロングという表現でいいのか?
一瞬そんな疑問を抱くが、それを口にするような事はせず、ガトーと共に格納庫を出る。
向かったのは、一応俺の部屋として用意されている場所。
少尉という身分を得ている以上、士官という扱いになるというのもあるが……それよりは、やはり俺がこのシーマ艦隊の客人だからというのが大きい。
「それにしてもムウ少尉。戦闘中にも思ったのだが、貴官はパイロットスーツを着ないでMSに乗るのか?」
「ん? ああ、そうだな。自分の腕を信頼してるし」
「……あれだけの腕を見せたのだ。未熟とは言わん。だが、何らかの事故で機体を損傷させてしまう可能性もある。それを考えれば、やはりパイロットスーツは着た方がいい」
まぁ、最終的にはコロンブス級6隻、サラミス級4隻、マゼラン級3隻、セイバーフィッシュは30機以上と結構な撃墜数を稼いだので、それで腕が悪いと言われれば……ちょっと納得は出来ないが。
そんな風に話しつつ、リリー・マルレーンの中を移動する。
そうなれば当然のように、他の海兵隊の面々と顔を合わせる事になる。
俺はシーマと良好な関係を築いているという事もあり、特に見咎められたりはしなかったが……ガトーは、やはりこの海兵隊の中ではどうしても違和感があるのだろう。
それでも本人は警戒するような視線を向けられた事を気にせず、俺の後をついてきた。
そうして部屋に到着するが、当然のようにこの部屋は臨時のものである以上、特に何かこれと言った荷物の類は置いていない。
まぁ、何か必要だとしても空間倉庫の中に入ってるんだから、この状況でも特に困らないというのが大きいのだが。
それでも冷蔵庫の中には冷えた水の入ったボトルが用意されているのは、パイロットの特権だろう。
「ほら」
「すまぬ」
水を投げ渡すと、俺とガトーは改めて向かい合う。
幸い備え付けの椅子とテーブルはあったので、ガトーはその椅子に座らせ、俺はベッドの上に腰を掛けた。
「さて、では単刀直入に問おう。ムウ少尉が言っていた、偽りのジオン。それについて話を聞かせて欲しい」
「ガトーも知ってる通り、今のジオンはザビ家の独裁だ。そこにジオン・ズム・ダイクンの意思は残っていない。ザビ家がジオンを乗っ取ったからな」
「……乗っ取ったと言うが、ジオン・ズム・ダイクンの死後にジオン公国を率いてきたのは間違いなくザビ家だと思うが?」
「そうだな。ジオン・ズム・ダイクンを毒殺した後でな」
「待て。そのような噂が流れているのは知っているが、それはあくまでも噂の筈だ。それとも、その噂が真実だという証拠でもあるのか?」
勢い込んで尋ねてくるガトーに、首を横に振る。
「残念ながら証拠の類はない。あくまでも、この件に関してはな。だが……誰が一番得をしたのかを考えれば、それは明らかだと思うが?」
「それは結果論にすぎん。証拠も何もなくそうだと疑うのは、ただの言い掛かりだ」
「……まぁ、そう言うのならそれでもいいさ。けど、ジオン・ズム・ダイクンの子供が地球にいる時に……それ以外でも暗殺者を放ったのは、間違いなくザビ家だと思うが?」
そう言うが、正直なところこれも明確な証拠は何もない。
だが、こちらは他に誰がシャアとセイラを狙うのかと言われれば……わざわざそれを狙うのがザビ家以外にいないのも事実だ。
「待て。ジオン・ズム・ダイクンの子供だと?」
「そうだ。ダイクンに子供がいたのは、ジオンの人間なら誰でも理解出来るだろう? 殆ど表舞台には出なかったが。その2人の子供は、身の危険を感じてサイド3から脱出して地球に隠れ住んでいた」
その言葉は、ガトーにとっても完全に予想外のものだったのだろう。
ポカンとした表情を浮かべ、ガトーの視線がこちらに向けられる。
どうやら、本気でシャアやセイラの事を忘れてしまっていたのだろう。
いやまぁ、サイド3がここまで辿ってきた経歴を考えれば、それはおかしくなかった……のかもしれない。
「ムウ少尉の言いたい事は分かる。だが、先程も言ったが、今までジオン公国を率いてきたのがザビ家なのは間違いのない事実だ」
「結果として、ジオン公国はスペースノイドの故郷とも言えるコロニーを地球に落とすような真似をしたが」
俺の言葉に、ガトーは言葉に詰まる。
実際、コロニー落としというのは、それだけ大きな衝撃をスペースノイド全体に与えたのは間違いない。
ザビ家が……いや、ギレン・ザビが何と理屈を付けようとも、コロニー落としがスペースノイドにとって大きなマイナスとなったのは間違いのない事実なのだ。
ザビ家だけで見れば、プラスになったのかもしれないが。
「連邦との独立戦争、これも本来ならサイド3だけではなく、出来れば他のサイドと共同して行うべきだった。そして何より……開戦に際してサイド1、2、4にNBC兵器……核、生物、科学兵器を使って無差別に虐殺した時点で、ジオンの戦いはもうスペースノイドの戦いではなく、サイド3、ザビ家だけの戦いとなっている」
「それはっ!」
俺の言葉に何かを言おうとしたガトーだったが、結局何も言えずに黙り込む。
ラルやシーマに聞いた話だと、その3つのサイドを攻撃した事によって28億人もの人間が命を落としているらしい。
この数字だって、あくまでも恐らくその程度だろうという事で、実際にはもっと多くなるという可能性は十分にある。
……運が良ければ、少なくなる事もあるんだろうが。
それだけの犠牲を出してしまえば、ジオン公国がスペースノイドの為にと言ったって、それが所詮お題目でしかないというのは明らかだ。
「ガトーの性格は、まだ今日会ったばかりだけど大体理解出来る。だからこそ、聞きたい。お前は誰の為に戦っている? 同胞のスペースノイドを虐殺し、連邦を……いや、地球を支配したいという支配欲にかられて戦うザビ家の私利私欲の為の私兵としてか? それとも、真にスペースノイドの為を思って……そう、お前が何回か口にしていた大義に従って戦うのか? それを決めるのはお前だから、俺からはこれ以上何も言えないが」
「ムウ少尉の言いたい事は分かる。分かるが……現実的な問題として、現在の連邦の支配をそのままにしておく訳にはいかない以上、それに対抗出来るのはジオン公国だけであるのは事実なのだ。選択肢がない以上、これが唯一の選択となる」
よし、掛かった。
憂いを帯びた様子で呟くガトーを見て、俺は笑みを浮かべる。
……もし客観的に今の俺の顔を見る事が出来た者は、恐らくそこに悪魔の如き笑みを見ることが出来ただろう。
本来なら、今の状況でこれから口に出すような事を言うのは危険だ。
だが、ガトーと接してみた感じ、この男が義理堅い性格を持っているのは明らかだ。
それこそ、騎士……いや、まるで侍をイメージするかのような、そんな義理堅い性格をしている。
いやまぁ、実際には侍が義理堅いってのは後世のイメージが強いって話も聞くけど……ガトーからはそんな侍の印象を受ける。
そうである以上、もしここで俺達の事を口にしても、ほぼ確実に上に報告はしないだろうという、絶対的な確信があった。
にしても、これだけのMS操縦技術の腕があって、その上でこんな性格をしている。
その辺りの事情を考えると、恐らくガトーはこの世界の原作キャラなんだろうな。
とはいえ、アムロやシャアとの最後の戦いに参加していなかったのを考えると、原作キャラではあっても、そこまで重要な人物じゃなかったのか。
「もし……もしもの話だが、ジオン・ズム・ダイクンの子供がまだ生きているとしたら……その子供がスペースノイドの為を思って国を作ろうとしているのであれば、どうする?」
「……何?」
一瞬俺が何を言ったのか分からなかったといった感じのガトーだったが、やがて絞り出すような声で尋ねてくる。
「だから、もしダイクンの子供が生きていたらだ」
「……何故、それを私に問う?」
「何、もしも……本当にもしもの、ifの話だよ。そんな事になったら、ガトーがどうするのか。それを聞いてみたいと思ってな」
俺の問いに、ガトーは数十秒こちらをじっと見ていたが、やがて口を開く。
「正直、その時になってみなければどうなるかは分からん。だが、ダイクンのご子息が本当にスペースノイドの自立の為に、連邦などという醜悪な者達という楔を断ち切るのであれば……その時は……」
それ以上を口にする様子はなかったが、やがてガトーは俺の方を見て小さく頷く。
ここに、契約はなった。
勿論これはあくまでも口約束にすぎないが、それでもガトーは半ば確信しているだろう。
俺が、セイラを……いや、アルテイシアというダイクンの1人娘と手を組んで何かをしでかそうとしているのは。
あ、いや。セイラじゃなくてシャア……キャスバルの方と手を組んでいると判断してもおかしくはないか。
「時が来れば、全てが公になる筈だ。お前が本当にどのような道を選ぶかは、今すぐに決めなくてもいい。その時までじっくりと考えた上で決めてくれ。どの選択がスペースノイドの為になるか、その大義を含めてな」
ガトーは俺の話に乗ると決めたが、勢いで決めてしまった場合、後で後悔してしまうという可能性がある。
それを考えると、やはりここはしっかりと考えた上で決めて欲しいと、そう思うのは当然だろう。
……最悪、考え直してザビ家の味方につくという可能性もない訳ではないのだが、そうなったらそうなったで、しょうがないと諦めるしかない。
だが、こうしてガトーと話した感じでは、恐らくそうならないと思うんだが。
「ああ、それと……俺の事について話すのを忘れていたな」
「……ムウ少尉の事?」
「そう、それだ。今の俺の名前……ムウ・ラ・フラガというのは、偽名だ。本当の名前は、アクセル・アルマーという」
「偽名を使っているのは、ジオン軍に潜入している為か?」
「そうだな。それ以外にも、ザビ家の一件とかを調べるって意味もあったけどな」
本来なら、ガトーは俺が偽名を使っているという話を聞けば、不愉快そうな表情を浮かべてもおかしくはない。
だが、俺が偽名の件を露わにする前に、色々と大きな話をした為だろう。ガトーは若干不愉快そうな表情を浮かべたものの、その辺りを追求してくるような事はしなかった。
「そうか。では……ジオン軍はエンデュミオンの鷹という優れたパイロットを失う事になるのだな」
「そうだな。まぁ、そのうちジオン軍は別のエンデュミオンの鷹と戦う事になるかもしれないが」
「……別の? エンデュミオンの鷹は、貴官……いや、アクセル以外にもいるのか?」
「ああ、いるぞ。それもとびっきり腕の立つのがな」
実際、ムウは腕利き揃いのシャドウミラー幹部陣の中でも、間違いなく腕利きの部類に入る。
一般兵士扱いの量産型Wが一流のパイロットであると考えれば……異名持ちではないがパーソナルカラーを許されているくらいの、それこそガトーと同じような存在が一般兵士だと言い換えれば分かりやすいのか?
まぁ、ガトーが異名を貰ってないのは、あくまでもタイミングや運が悪かっただけで、間違いなく異名を持ってもおかしくないだけの実力はあると思うんだが。
ガトーが原作キャラなら、これから先、恐らく何らかの異名を持つ事になってもおかしくはないだろう。
そんな風に考え、俺は暫くガトーと雑談をするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
ページ上へ戻る