妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
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第22話 仲間
前書き
多分、これから文の書き方がちょいちょい変わると思いますが、気にせず読んでいただけると幸いです。
「――もうこんな馬鹿な真似はすんじゃねェぞ、もうできればアンタの顔なんざ見たくもねェ…」
目の前で上半身裸が露わになっている男、幽鬼の支配者のマスターのジョゼ・ポーラに告ぐ。
ボロボロの状態でもう動けないとも思えるジョゼは未だに意識がある。微かにだが、それでもレッドからの脅しとも思える忠告をその耳で聞き取れた。
彼の中にあった”自信”はなくなっており、もはや再戦を望んでいない。これから先はトラウマになるのだろう。
微かに残った意識はレッドの忠告を聞き、ジョゼは気絶した。
レッドは周りに走っていた放電と黄金のオーラを消し、金髪だった髪は茜色へと戻る。
”超サイヤ人2”の状態から通常状態になったことで先ほどまであった巨大な力の渦は消え去り、外にあったであろう青空以外の自然は元へと戻っていく。
「…ふぅ…」
まるで一仕事を終えたように溜息を吐き、レッドは崩れている方の壁へと足を運ぶ。
空中浮遊も可能できる彼からすれば、ここを通ったほうが近道だからだ。
そうしてこの部屋から出る一歩の直前、彼の後ろから”魔の手”が差し掛かる。
その手の正体は、幽鬼の支配者のエレメント4の一人、アリアだ。
気配を、息を殺してレッドの背後へと近寄る。
彼はこれから行おうとすることは、前回にて妖精の尻尾のマスターであるマカロフにした事と同じ、魔力の枯渇である。
アリアの魔法は魔力があまりない人間ならばそんなに致命傷にはなり得ないが、聖十大魔道程魔力の高い者であれば話は違う。
故に、マカロフは前線で倒れた。
(――己のマスターと同じ運命を辿るとなんて。超サイヤ人も解いている、隙だらけ)
正に絶好の機会。この手を逃すなんて阿呆のすることだ。
マカロフでさえこの手で屠ったのだ、ならばこの男を始末するのにはそう難しくない。
エルザの時はやられてしまったが、今この男をやれを償う対価になるはず。
まるで狂気を含んだような笑みを深め、涙を流しながら背後に近寄るアリアに気づく素振りも見せないレッドに段々と近づき――そして
(もらったぁ――ッ!!?)
「もう終わったんじゃ――ギルド同士のケジメもつけた。これ以上を望むならそれは”掃滅”――跡形もなく消すぞ」
その場に現れた一人の老人、アリアの手によって倒れたであろうマカロフがこの場で回復しきった状態でアリアを魔法で伸びた手で殴り飛ばし、ノックアウトさせた。
「ジョゼを連れて帰れ、今すぐに」
たった今倒したアリアに対して険しい顔でそれだけを脅し、目の前でこちらに気づいているレッドに近寄る。
その顔はアリアを相手に厳しいような顔ではなく、親としての笑みを浮かべて
「久しぶりじゃな、クソガキ」
「おう、久しぶり…マスター」
「…ジョゼの相手、ご苦労じゃったな。本来なら儂がやるべきじゃったが」
「いいんだよ、気にしなくて。マスターもまだ回復したばっかなんだろ?ミストガンから聞いてる」
「…ほうか、後でミストガンにお礼を言っておいてくれ」
「了解」
互いに久しぶりの再会に会話をしながら部屋を出ていき、二人は仲間たちに勝利をしたことを告げるのだった。
―――崩れた妖精の尻尾のギルドの前で、彼らは集まった。
壊れた自分たちの居場所を見てマカロフの呑気な声が響く。
「こりゃあまた…派手にやられたのう……」
特に怒りを表さないその態度に、たった一人だけ罪悪感を持っている少女――ルーシィ・ハートフィリアが近づく。
「あ…あの…マスター……」
「んー?お前も随分大変な目にあったのう」
その声は不安で、耐えるような声音だ。
彼女は国で有数であるハートフィリア家の娘だ。その娘を取り返すために父のジュード・ハートフィリアが依頼を出し、その依頼を幽鬼の支配者が受けた。
ジョゼにとっては好機だったからこそ起こした問題だが、これはルーシィは家出をしたせいで起きた問題なのだ、と彼女自身は思っている。
だが、原因でもある自分にマカロフは能天気なままな言葉を返される。
それでも、ルーシィの心は晴れない。
罪悪感に蝕まれる彼女に、声がかけられる。
それは罵倒ではなく、優しい声。
「そーんな顔しないの――ルーちゃん」
その声は、この中で最初に被害を受けた仲間だ。
そして、自分と趣味が合った友達――。
レビィ・マッグガーデン。そして、レビィと同じチームのシャドウ・ギアの二人であるジェットとドロイ。そしてルーシィの護衛をしていたリーダスも前に出る。四人の顔は怒りと憎しみもなく、自分を仲間として見る目。
「みんなで力を合わせた大勝利なんだよ」
「ギルドは壊れちまったけどな」
「そんなのまた建てればいいんだよ」
「ウィ」
「レビィちゃん…リーダス…ジェット…ドロイ…」
ポジディブに言う4人対しルーシィは震える。
何故なら、自分は憎まれてもおかしくないことをしたはずだ。
罵倒はされても――そんな優しい目で見られる資格はない。
「心配かけてゴメンね、ルーちゃん」
そして、やってくるのは罵倒の言葉ではなく、謝罪の言葉。
「違…う。それは…あたしの……」
否、自分が謝罪するべきだ。
このような状況に追い込んだ自分が、謝罪されるべきではなく、するべきなんだ。
「話は聞いたけど誰もルーちゃんのせいだなんて思ってないんだよ」
ルーシィと一緒にいることが多かった一人であるレビィは、ルーシィの心境を知って慰めの言葉をかける。
否、本当の言葉を言う。
誰も、貴女を悪く思ってない、と。
「オレ…役に立たなくて…あの…あの…ゴメン……」
違う、違う。
ルーシィは何かを耐えるように震えながら首を横に振る。
「――ルーシィ」
さっき聞いた声、だが能天気さはなく、真剣を含んだ声が自分の名前を呼んだ。
「楽しい事も悲しい事も――全てとまではいかないがある程度は共有できる」
それはルーシィも体験したこと。共に仲間と過ごし、共にクエストに行ったことで分かった。
自分があの家に居た時は、また別な感情ができたことも、入りたかったこのギルドで素敵なことがたくさんあった。
それを、一緒に居た仲間と共有できたこともあった。悲しいことも同じく。
「それがギルドじゃ」
その体験は、ギルドで体験したことでできたことだった。
もしかしたらギルドじゃなくてもあり得たかもしれない、だけどギルドに、このギルドに入ったことで体験できたこと。
「一人の幸せはみんなの幸せ、一人の怒りはみんなの怒り。――そして一人の涙はみんなの涙」
それは想い合える証拠。
故に、共に居られる。
「自責の念にかられる必要はない。君にはみんなの心が届いてる筈じゃ」
ルーシィを責める者は居たか?ルーシィに対して憎しむを抱く者は居たか?
いいや、居ない。むしろ自分の為に動いた仲間が居た。
――――仲間を売るくらいなら死んだほうがマシだ!!
決して自分を渡さず、守り、共に居てくれる仲間が居た。
その自分を想う心を、ルーシィは確かに感じ取った。
口に手を当て、堪える。
震えが増していき、目から溢れる涙を堪らえようとする。
仲間の優しさに、さっきまで抱いていた己への罪悪感は完全じゃなくても、少しずつ薄れていく。
マカロフは、それはとても…優しい顔をして言った。
「顔を上げなさい――君は妖精の尻尾の一員なんだから」
自分を想ってくれる人はもうどこにも居ない、そう諦めかけていたルーシィの心に光を灯した。
目に浮かぶ涙は、罪悪感や恐怖で流れてはいない。
その涙から流れる感情を、場にいるギルドメンバーたちが知っている。
「ひっく…あ――」
堪えていた感情を表に出し、泣き声が崩れたギルドの周辺で響き渡った。
今の時刻は夕方。つまり、夕日の光が出てくる。
少女の涙と、その仲間たちの笑顔で祝福を与えるような光が――――。
「あーん!!あーん!!」
「マスター!?」
これからやってくる評議員の怒りと有り得るであろう禁固刑、山積みな問題を頭に浮かべて泣き声を上げるマカロフ。
一難去ってまた一難。
頑張れ、マカロフ・ドレアー。負けるな、マカロフ。
「…おい、ラクサス」
「…あ?」
メンバーたちの中にいるラクサスとレッドは会話をはじめる。
レッドは若干頬を引きつりながらマカロフを方を見ながら問いかける。
「マスターが困ってんぞ。助けてあげろよ」
「…知らねェよ」
「ええ…責めて慰めの言葉とか」
「トドメをさしてェならするが?」
「ゴメン、このまま時間に任せよう」
「それが一番いいんだよ」
マカロフをなんとかしようとレッドは問いかけるがラクサスはこのまま触れないがため、ということで放置した。若干二人共は心を痛めているのは言われるまでもない。
なにせ、今までの問題を起こした妖精の尻尾がまた問題、しかも他のギルドでの抗争を起こしたのだ。それにマカロフは一回だけとはいえ倒れて、また回復して戦場に舞い降りた。
それで抗争が終わって一件落着とはいかず、次は最も嫌いな評議員に責めれられる。
マカロフじゃないからわからないが、ストレスが溜まるのは間違いないだろう。
髪が薄れてきていることをラクサスは知っているため、なんとも言えない気持ちだ。
「…てかお前、通信用魔水晶はどうした?連絡ができなくなってたぞ」
「あー…、アレだ。途中で壊れちゃって…」
主に移動中に、と心の中で呟くレッド。
ラクサスは頭を抑えて呆れたような目でレッドを見る。
「…じゃあどうやって抗争のことを知ったんだよ…」
「…ミストガンが教えてくれたんだよ」
教えてくれなかったら、抗争のことを知らないで壊れたギルドを見て呆然していたんだろうな、と思いながらレッドは壊れたギルドの方に目を向ける
(1ヶ月前に帰ってきて…んでちょっと寄り道しているときにジェラールが教えてくれたからなんとか来れたけど…教えるのが一歩遅かったら危なかったもんなぁ…)
(ほんと、ジェラール様様…頭が上がれねえよ)
自分たちと離れた瓦礫に背を預けている黒マントを見つける。
顔を布で覆っているが、目は確認できる。
レッドはその者――ミストガンと目を合わせる。
――ありがとうな、色々と
――当然のことをしたまでです。
アイコンタクトを取った後、レッドはニッと笑みを浮かべるだけ。
今日久しぶりに家に帰ったら、ジェラールの飯が食べたい等思いながら。
「――レッド」
「ん?」
「…おっ」
突然名前を呼ばれたレッドはそちらに振り向く。ラクサスは察し、少しだけ距離をとってみる。
振り向いた先に居たのは、ミラだった。
前と会った時は変わらず、笑顔でレッドを見つめるミラ。
「――おかえりなさい」
たった一言。だが、それだけでいい。
彼が帰ってくるときに、必ず言いたかった言葉の一つなのだから。
レッドは彼女の出迎えの言葉を聞いて答えるのだった
「――ただいま」
「あっ、私も言おうとしたのに…遅れてしまった…!」
「おい、エルザはどうしたんだ?」
「察してやれ」
後書き
突然ですが、今度のドラゴンボールの劇場版がブロリーな訳ですが…色々やばくないですかね
なんていうか、作面がすごい(小並感)
てか、ブロリーの白目が赤く光るっていうのが中々ホラーだったと思う。いやぁ、すげぇなブロリー(小並感2)
前の劇場版は別の世界線とするな…今度の劇場版は超の世界線…としてなるから…前とは話が変わるのは仕方ないか。
てか…劇場版が待ちきれないィィィ…。映画を見に行く時は休みを取れるように頑張らなきゃ(使命感)
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