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空に星が輝く様に

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3部分:第一話 最初の出会いその三


第一話 最初の出会いその三

「それでだけれど」
「わかったわ」
「それで佐藤」
 今度は陽太郎から星華に問うた。
「御前はどうするんだよ」
「私?」
「御前だって高校受けるだろ?」
 こう彼女に問うのだった。
「やっぱりな」
「ええ、そうだけれど」
 その通りだと答える星華だった。彼女にしてもそれは当然のことだ。表情を無職のものにさせてそのうえで答えるのだった。
「それがどうかしたの?」
「それで何処受けるんだ?」
「そうね」
 首を少し捻っての返答だった。ただし本音は隠している。
「南海商業にしようかしら」
「南海商業にするのか」
「まだはっきりと決めてないけれどね」
 本音は隠したままだ。
「それでもね」
「いいんじゃないのか、それで」
 陽太郎は彼女のその言葉を受けて微笑んで応えた。
「あそこ女子バスケ強いしな」
「八条高校もだけれどね」
「だよな。どっちもバスケ強いよな」
「どっちもバスケできるわよね」
 つい本音を漏らしてしまったがそれは陽太郎の気付くものではなかった。そうしてそのうえで星華の言葉を聞いていくのだった。
「それもかなり」
「御前レギュラーだったしな、二年から」
「本当は一年でレギュラーになるつもりだったのよ」
 入学式の時に言った言葉そのままだった。
「けれどね。それはね」
「ははは、流石に一年からは無理だろ」
 陽太郎は靴を履きながら笑って述べた。上靴はその間に下駄箱に入れている。
「幾ら何でも」
「それが残念だったわ」
「けれど二年からだったよな」
「ええ」
 それは確かだった。星華は二年でレギュラーになったのである。
「それはね」
「じゃあいいじゃないか。それじゃあな」
「それじゃあ?」
「御前高校でもバスケするんだな」
 彼女のその顔を見て微笑みながらの言葉だった。
「やっぱり」
「そのつもりよ。バスケはいいわよ」
「そんなにいいのか?」
「あんた剣道部だからね」
「ああ。俺はそっちの方がいいからな」
 彼も運動部だが部活はそちらだった。それぞれ違う部活だったのである。
「武道の方がな」
「それじゃあ高校でもなのね」
「そのつもりだけれどな」
「いいんじゃない?じゃあね」
「ああ、またな」
 陽太郎は微笑んで星華に別れを告げて玄関を後にした。これで二人の話は終わった。しかし星華はだ。彼の言葉を聞いて静かに言うのだった。
「そうなんだ。八条高校なんだ」
 そしてであった。家に帰るとだ。早速猛勉強に入るのだった。
 それも一日や二日ではない。毎日それこそ夜明け近くまで勉強をした。それを見て家族も驚いていた。
「南海商業ってそんなにレベルの高い高校だったか?」
「いいえ」
 星華のい母親が父親に述べた。
「全然よ」
「そうだよな。それで何で星華はあんなに勉強するんだ?」
「何か志望校変えるらしいわよ」
「変えるのか」
「何でもね」
 こう話すのだった。
「そうらしいわよ」
「また何でなんだ?」
「さあ。理由はわからないけれど」
 それは母親にもわからないことだった。自分の夫に対して首を傾げながら話すのだった。
 
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