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空に星が輝く様に

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299部分:第二十二話 文化祭その四


第二十二話 文化祭その四

「すぐに作ってね」
「おう、わかった」
「それと苺サンデー」
 もう一つ来た。
「両方共大至急ね」
「多いな、本当に」
「注文が多いのは繁盛してる証拠よ」
 またこのことを言う津島だった。
「それじゃあ御願いね」
「わかったよ。で、皆休憩してるのかよ」
「一応ね」
 していると返す津島だった。
「あんたもそうしなさいよ。一時間交代だから」
「ああ、わかった」
 狭山はその二種類のサンデーを作りながら話す。
「それじゃあその時にな」
「そうしなさいよ。で、その時だけれど」
「昼飯は適当に食うか」
「何呑気なこと言ってるのよ」
 津島は狭山の今の言葉に突っ込みを入れてきた。
「文化祭なのよ、文化祭」
「それがどうしたんだよ」
「あちこち回るに決まってるでしょ」
 こう狭山に言うのである。
「交代時間一緒なんだし」
「おい、一緒だったのかよ」
「初耳だったのね」
「そうだよ。っていうかスケジュールそうなってたのかよ」
「私が椎名に言ってそうしてもらったの」
 そうだというのである。
「そういうことだから」
「ちぇっ、何かいつもの展開だな」
「けれどそれでいいでしょ。じゃあいいわね」
「反対する選択肢はあるのかよ」
「そんなのある筈ないじゃない」
 そうだというのであった。
「女の子からの申し出は断れないのよ」
「またえらく強引なルールだな」
「私が作ったのよ」
 椎名はここで胸を張ってきた。両手を腰にやってえへんとした仕草を見せる。
「どう?これでわかったでしょ」
「御前かよ」
「その通りよ。じゃあいいわね」
「ああ、仕方ないな」
 狭山もここで頷いた。
「じゃあ休憩になったらな」
「最初は何処に行く?それで」
「何処って言われてもな」
 相変わらずサンデーを作りながらの話だった。話をしているがそれでもだ。狭山のその手の動きは止まるどころか鈍りもしていない。 
 そしてだ。その二種類のサンデーを津島に差し出した。
「ほら、完成」
「よし、受け取ったわ」
「そのお客さんの飲み物は何だったんだ?」
「アイスコーヒーよ」
 すぐに答える津島だった。
「それよ」
「そうか、それか」
「もうこっちで用意しておいてから」
 狭山はあくまで調理専門である。お茶やコーヒーを入れることは他のスタッフの仕事である、彼も全てをやるのは到底無理であるからだ。
 それでだ。津島はそのサンデーとコーヒーをお盆の上に置いてだ。お店に戻った。それからも注文は次から次に来るのであった。
 そんな修羅場が終わってお昼になるとだ。皆少し落ち着いた。陽太郎はいつもの中庭でお弁当を食べながらだ。椎名に対して尋ねた。
「なあ」
「何?」
「占いの方はどうなってるんだ?」
 尋ねるのはこのことだった。
「それで」
「繁盛してるわ」
 こう返す椎名だった、
「もう普通の占い師さんの一日分はね」
「入ったんだな」
「そう」
 こう陽太郎に答えるのだった。
 
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