ある少年の疑問
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第二章
「その後でもう片方を読むといいよ」
「それじゃあそうしようかな」
クラスメイトはアレクシスのその言葉に頷いてまずは物語の方を読むことにした、そしてアレクシスの向かい側の席で読みはじめた。
この日からこのクラスメイトも放課後の図書館で本を読みはじめた、場所はアレクシスの向かい側の席だ。彼はアーサー王物語からアーサー王ロマンスを読みはじめた。そこで。
ふとだ、アレクシスが今もポーの本を読んでいることを本のタイトルから確認してそのうえで彼に尋ねた。
「ちょっといいかな」
「何かな」
「今度は何の作品を読んでいるのかな」
「ポーの作品は読み終わって」
「全部読んだんだ」
「うん、今は彼の生い立ちについて書かれている部分を読んでいるんだ」
こうクラスメイトに答えた。
「そうしているんだ、けれどね」
「けれど?」
「何かおかしいんだ」
「おかしいっていうと」
「いや、ポーは死ぬ間際うわ言を言っていたらしいけれど」
アレクシスは読みつつクラスメイトに話した。
「レイノルズってね」
「レイノルズ?アメリカ人の名前かな」
「そうみたいだけれど」
しかしと言うのだった。
「けれどポーを知っている人は誰も知らないっていうんだ」
「レイノルズって人は」
「知っている人は誰もその名前じゃなくて」
レイノルズという名前の者はいなかったというのだ。
「ポーがレイノルズって人と付き合ってると聞いたこともね」
「ないんだ」
「そして作品の中にもね」
「その名前の登場人物はいなかったんだ」
「そうだったんだ」
「あれっ、けれどだよね」
「死ぬ間際のうわ言で言っていたらしいんだ」
そうだったというのだ。
「レイノルズってしきりにね」
「死ぬ間際にうわ言でしきりに言うってことは」
「その人と絶対に何かあったね」
「それもかなりのことがね」
「けれどそんな人なのに」
それでもというのだ。
「ポーの知人は誰もね」
「そんな名前の人は知らなくて」
「それで作品の中にもね」
「レイノルズっていう登場人物はいなかったんだ」
「僕ポーの作品全部読んだよ」
アレクシスはこのことは確かに行った。
「それこそね」
「それでもなんだ」
「そう、けれどね」
「出ていなかったんだね」
「そう、全くね」
「じゃあ誰かな」
「わからないんだよね、これが」
アレクシスは読みつつ考える声を出した。
「どうも」
「気になるんだ」
「それで調べてみようって思ってるけれど」
「じゃあ調べてみたらどうかな」
クラスメイトはこうアレクシスに返した。
「君がそう思うなら」
「そうだね、やってみるよ」
アレクシスは即答した、そしてだった。
彼はそのレイノルズ、ポーが死ぬ間際に出していた名前の人物をポーについて調べながら探した、それにクラスメイトも協力したが。
ポーがいた陸軍士官学校の同期にも彼の周りにも接点があるレイノルズという人物がおらず少年時代も作家になってからもだった。
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