男の娘は姉達と
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第二章
「相変わらず素早いな御前」
「小柄だけれどジャンプ力もあるしな」
「ドリブルも上手で」
「いけてるな」
「小柄でもね」
それでもとだ、笑顔で言った琉華だった。
「やり様があるから」
「だから出来るんだな」
「そうなんだな」
「それでか」
「今も出来てるんだな」
「うん、じゃあ頑張っていこうね」
笑顔で話してだ、そのうえで。
琉華は授業が終わってからも男の娘であることを言われながらも男女に囲まれていた。そうして和気藹々としていた。
しかし午後の休み時間の時にクラスの女子達が言った。
「前から思っていたけれど琉華ちゃんが何故男の娘か」
「どうしてその趣味なのかはね」
「わからないわよね」
「どうしてそうなったのか」
「そのことは」
「ええ、どうしてでしょうね」
こう言うのだった、それで琉華自身にも聞いたが。
琉華はこのことについてはだ、少し苦い顔になって述べた。
「それはね、影響っていうかね」
「影響?」
「影響っていうと」
「そう、それでね」
そのうえでと言うのだった。
「ないわよ、そうなの」
「そんなものなの」
「それじゃあ」
「ここは」
「そう、それでね」
だからと言うのだった。
「僕こうなったんだ」
「男の娘になったの」
「そうだったの」
「そうだっていうの」
「そうなの」
クラスメイトにはあまり見せない苦い顔で言うのだった。
「どうもね」
「それでなの」
「それでなのね」
「だからなのね」
「誰かに影響を受けて」
「男の娘になったの」
「そうよ」
こう言うのだった。
「だからなんだ」
「ううん、その影響を与えた人が誰か」
「誰かね」
「そのことが気になるね」
「ちょっとね」
どうにもとだ、こうも話してだった。琉華はこのことについてはこれ以上話すことはなくファッションやそうしたことの話をした。
だが家に帰るとだ、琉華は玄関をくぐった瞬間に不機嫌な顔になった。そうしてこう言ったのだった。
「只今」
「おかえり、琉華ちゃん」
「待ってたわ」
「お姉ちゃん達もう帰ってたの」
こう不機嫌な顔で言うのだった。
「大学の講義とかサークルは?」
「今日はないの」
「私もよ」
琉華の前に華やかな容姿の者達が出て来た、二人共驚く位の美人だ。その二人の美人達が琉華を囲んでだ。
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