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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその五

「そうした人と会うのもお引き寄せなの」
「それでそうした人はですね」
「本当にね」
 親神様がそうしてくれてです。
「やがて周りからいなくなるから」
「それでいい人がですか」
「一緒にいてくれるから」
「じゃあ僕も」
 私を見て笑って言ってきました。
「そうした人と一緒にいたいです」
「そうよね、嫌な人と会うのは少しで」
 そしてです。
「いい人との出会いはね」
「沢山ですね」
「そうなって欲しいわよね」
「はい、ただ嫌な奴に会うのは確かに嫌ですが」
 ここでこんなことを言った阿波野君でした。
「ああはなるまいって思うだけいいかも知れないですね」
「反面教師にするには」
「そうも思いますがどうですか?」
「ううん、それはね」
 そうした考えはでした、私にとっては。
「思わなかったわ」
「そうですか」
「だって嫌な人に会ったら嫌な気持ちになるから」
 必然だと思います、だから私も嫌です。
「出来る限りね」
「そこをですよ」
「あえて人生の勉強にするの」
「お引き寄せってことで」
「凄い考えね」
 私はお話を聞いて本当にこう思いました。
「そうした人達と会うこともそう考えられるなんて」
「けれど人と人の出会いは全部そうですよね」
「自分が間違えてってこともあるわよ」
「そうした難を自分から逃れることも大事ですか」
「全部が全部お引き寄せかというとね」
 この辺り授業で習ったキリスト教の予定説とは違います、新教のカルヴァン派の教えです。 
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