空に星が輝く様に
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274部分:第二十話 準備の中でその四
第二十話 準備の中でその四
「私のことなら気にしないけれど」
「問題はあれだよな。月美だよな」
「つきぴーは結構誤解受けやすい」
親友だからこそわかっていることだった。
「だから気をつけている」
「だよな。なあ」
「そのサイトのことね」
「ああ。よかったら俺にも教えてくれないか?」
こう椎名に言うのであった。
「よかったらな」
「うん」
椎名は陽太郎のその言葉にこくりと頷いてみせた。
「わかった。じゃあ」
「えっ、もうかよ」
「携帯で見られるから」
こう言って自分の携帯を出して陽太郎に見せてきたのだ。そのうえで彼に言う。
「斉宮も」
「あ、ああ」
陽太郎もそれに頷いてだった。自分の携帯を出した。
それでまずは椎名がそのサイトを出してだ。陽太郎の携帯にメールで送ったのであった。
「これでよし」
「このサイトかよ」
「そう。そこだから」
「悪いな。若し月美の悪口が書かれていたらな」
「その時はその時でやり方があるにはある」
「あるのかよ」
「ハッキング」
やたらと物騒な言葉が出て来た。
「それするから」
「そりゃ犯罪じゃねえのか?」
「確かに犯罪だけれどいざという時はそれもする」
「また極端だな」
「いざという時にはそうした手段を取ることも必要」
椎名は落ち着いているが強い口調だった。
「本当にね」
「ばれたら大変だぞ」
「大丈夫」
「大丈夫ってのかよ」
「そう、、ばれないようにする」
だからだというのである。
「だから大丈夫」
「御前本当にどういう人間なんだ?」
陽太郎は椎名のそんな言葉を聞いて内心かなり思うところがあった。
「裏で何やってんだよ」
「裏とかはないから」
「ないのかよ」
「非常時の為にそういう知識は持ってるけれど普段は使わないから」
「当たり前だよ。しかしな」
「しかし?」
「そんな知識持ってること自体がまずいだろ」
こう椎名に話す。
「ったくよ」
「まあそういうことだから」
「いいっていうのかよ」
「そう、いい」
本人だけが平然としていた。そしてだ。
ここで赤瀬が来てだ。一同に話す。
「それでね」
「それで?」
「それでって?」
狭山と津島がその彼に問い返す。
「一体何が」
「何があるのよ」
「スケジュール決まったよ」
それがだというのである。
「文化祭のスケジュールがね」
「えっ、もう決まったのかよ」
「そうなの」
「そう、決まったから」
こう一同に話すのだった。
「もうね。それで文化祭前になったら皆で用意するからね」
「ああ、わかったぜ」
「それならね」
狭山と津島は納得した顔で彼の言葉に頷いた。そうしてである。
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