レーヴァティン
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第六十一話 伊勢へと続く道その九
「どうもな、しかしな」
「それでもっちゃな」
「こちらの世界では楽しんでいる」
起きている世界にいる時とは違ってというのだ。
「そうしている」
「それでうちもっちゃ」
「楽しみたいならだ」
「楽しめばいいっちゃ」
「男も女もな。ただ」
「子供はっちゃな」
「欲しいか」
「子供出来たら戦えないっちゃ」
愛実はこのことは真面目な顔で英雄に返した。
「子連れ狼になるっちゃ」
「そうだな」
「少なくとも冒険をしている間はっちゃ」
「子供は作ることが出来ないな」
「ならっちゃな」
「そうしたことは気をつけておけ」
「避妊はっちゃ」
「病気にもならずに済む」
避妊だけでなくだ。
「この島にはそうしたものもある」
「それを相手の人に使ってもらってっちゃな」
「そうしてだ」
実際にというのだ。
「妊娠は避けることだ」
「わかったっちゃよ、そうしてっちゃな」
「楽しむといい」
「では美少年のお店に行くっちゃ」
愛実は喉をごくりと鳴らして英雄に応えた。
「それかはじめてだから年上の人とっちゃ」
「そうした相手がいる店にか」
「行くっちゃ」
「そこは好きにしろ、とにかくな」
「そうしたお店もっちゃな」
「悪くない、むしろ必要だ」
こうも言う英雄だった。
「遊郭はな」
「起きた世界で言う風俗店はっちゃな」
「性犯罪を防いでくれる」
そこに行って発散させるからだ。
「だからだ」
「そういうことっちゃな」
「男も女も同じだ、そうした欲望はある」
「その欲望を発散させる為にっちゃな」
「そうした店に行くのもいい」
「ではうちもだっちゃ」
「行きたいなら行くといい」
またこう言った英雄だった。
「是非な」
「ではそうするっちゃ」
「それが女でも構わない」
「この島は同性愛を否定していないっちゃしな」
「特に男同士はな」
即ち衆道はというのだ。
「否定されていないな」
「普通にあるっちゃな」
「昔の日本と同じだ」
衆道が普通のものになっていることはというのだ。
「そこはな」
「おかしなこととはっちゃな」
「全く思われていなくてな」
「普通にあるっちゃな」
「そして楽しんでいる」
英雄はこうも言った。
「俺は違うがな」
「そっちの趣味はないっちゃ」
「ない」
はっきりとした返事だった。
「他人がどうでもあれこれ言わないがな」
「それでもっちゃな」
「興味はない」
「そうだっちゃ」
「俺は女だけだ」
遊ぶならというのだ。
「それも今は遊郭だけだ」
「そうだっちゃ」
「他はいい」
即ち男はというのだ。
「本当にな」
「そうだっちゃ」
「ああ、しかしな」
「病気のことはっちゃな」
「気をつけている」
こちらのことはというのだ。
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