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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第四幕その二

「蜻蛉ですね」
「あの虫ですね」
「はい、蜻蛉かもっと小さな害虫を駆除出来る」
「そうした虫をですね」
「放ちますか」
「そうしてですね」
「問題を解決してもらいましょう、あとです」
 さらにお話する園長先生でした。
「問題は今すぐですね」
「今すぐ虫を駆除する」
「それはもうですね」
「アイガモ君や鶏君達に来てもらいますか」
「はい、そしてです」
「食べてもらいますか」
「そうさせてもらいます」
 農学部にお願いしてというのです。
「そして飛ぶ害虫は」
「アイガモ君や鶏君は飛ぶことは」
「アイガモは飛べますが」
「はい、鶏君達も一応飛ぶことは出来ますが」
 実はそうなのです、鶏さん達も少しなら飛ぼうと思えば飛べるのです。このことは先生は当然知っています。
「あまりです」
「不得意なので」
「飛ぶ虫達については」
「それなら僕が呼びますが」
「その鳥達をですか」
「僕は動物の言葉を喋ることが出来ます」
 それで動物語の世界的な権威でもあるのです。
「ですから」
「飛ぶ鳥達を呼んでくれますか」
「雀君や燕君達に来てもらえば」
 そうしてもらうと、とです。先生はチープサイドの家族をちらりと見てから園長先生に答えました。
「いいかと」
「成程、そうしてですね」
「彼等に飛ぶ虫達を食べてもらいましょう」
「それではですね」
「その様にして」
「害虫駆除をすればいいですね」
「どうでしょうか」
 園長先生にあらためてお話しました。
「この問題については」
「はい」 
 園長先生は先生に笑顔で答えました。
「それでは」
「その様にですね」
「しましょう」
 まさに即決のお返事でした。
「そうしてです」
「植物園の虫達をですね」
「駆除させて頂きます」
「それでは」
「すぐに農学部にお願いをしますので」
 こう言ってです、園長先生は先生に深く感謝してでした。そうして先生にこうも言ったのでした。
「お礼と言っては何ですが」
「何でしょうか」
「実は私の秘蔵のお酒がありまして」
 すぐにです、園長先生は園長室の棚からあるものを出しました。何とそれは最高級のワインでした。
「トカイです」
「あのハンガリーの」
「はい、そのトカイでも最高級の」
「そのワインをですか」
「お贈りします、そして植物園いえ学園全体にです」
「このことをですか」
「お話させて頂きます」
 先生が植物園の害虫問題解決の為に尽力してくれたことをというのです。
「是非。そうすれば学園全体の総理事長から特別ボーナスも出ます」
「特別ボーナスですか」
「そうです、私個人から出すと色々言われますが」
 今の日本はそうしたことに厳しくて、というのです。
「ですが」
「総理事長からですか」
「出ますので」
 そのボーナスがというのです。 
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