空に星が輝く様に
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262部分:第十九話 お化け屋敷その四
第十九話 お化け屋敷その四
「そう簡単に総帥までな」
「実は八条町に天理教の教会があって」
しかし椎名は言うのであった。落ち着いたまま。
「総帥さんはその教会の信者さんなの」
「えっ、そうなのか」
「そうなの。そこの信者さんなの」
衝撃の事実であった。
「だからそこに行けば連絡が取れるの」
「そうだったのかよ」
「そう。あの人は信仰心も篤いの」
これまた衝撃の事実が語られる。
「だからそのルートで」
「そうか。しかしな」
「今度は何?」
「何で椎名がそんなこと知ってるんだ?」
陽太郎は自分の席で腕を組み首を左右に交互に傾げさせながらだ。そのうえで椎名に対して問うのだった。
「あそこの総帥さんがその天理教の教会の信者さんなんてよ」
「調べればわかること」
「わかるのかよ」
「ネットとあとは町を詳しく調べる」
この二つの情報源だというのだ。
「それでわかる」
「それだけでわかるのかよ」
「後は秘密の情報源」
ここで、だった。椎名の口元に思わせぶりな笑みが宿った。
「それも使って」
「その情報源って何だよ」
「秘密って」
「何、それ」
「やばいの?」
「秘密」
皆の問いにも答えようとしない。
「企業秘密」
「御前それ下手したらやばいルートじゃないよな」
「どんなルートなのよ」
狭山と津島もそれが気になった。
「本当によ。大丈夫か?」
「そのルートを使って」
「私は大丈夫」
これが返答だった。
「だから安心」
「やっぱりやばいんだな」
「そうね」
狭山と津島だけでなく皆も察したことだった。
「これはな」
「確実にね」
「うふふ」
しかもだった。椎名はここで笑ってもみせたのだった。
そうしてだ。彼女は最後に言った。
「全ては決まったってことでいいかしら」
「気になる部分もあるにはあったけれど」
「それもかなり」
皆このことは言わずにはいられなかった。
「まあそれでもね」
「いいんじゃない?それで」
「完璧なんじゃ」
「わかったわ。じゃあうちはこれで決まり」
ぽつりと言う椎名だった。
「マスコット八ちゃんが手招きする占い師も専属する執事メイド喫茶スポーツ新聞付き」
「長いな」
「そうね」
店の名前は長かった。
「名付けて喫茶店三組」
「今度は随分愛想ないな」
「そうよね」
これはこれで問題であった。
「お店の名前はまだ未定」
「ああ、そうなんだ」
「じゃあそれはこれからじっくりと話し合って」
「それで決めればいいよね」
「そうしましょう」
「まあお店の種類は決まりだね」
赤瀬は話をまとめにかかった。
「そういうことでいいよね」
「異議なし」
「それでいいわよ」
こうしてであった。三組は喫茶店に決定した。そして四組でもだ。話し合いが行われていたがこのクラスの話し合いはかなり酷いものだった。
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