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空に星が輝く様に

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255部分:第十八話 運動会その十三


第十八話 運動会その十三

「意外だったわね」
「まあそれでもうちのクラス優勝したよな」
「同点だけれどね」
 それでもだという津島だった。
「優勝は事実ね」
「ああ。しかし最優秀選手は四組のあいつか?」
「そう、佐藤さんよね」
「確か陽太郎と同じ中学校だったんだろ?」
「そうよ。私とあんたの関係と同じよ」
 今度はこう狭山に言う津島だった。
「ただし。私達はね」
「俺達は何だってんだ?」
「恋人同士だけれどね」
 くすりと笑っての言葉だった。
「そこは違うけれどね」
「おい、こんなところで言うなよ」
「何でよ」
「閉会式だぞ。皆いるんだぞ」
 皆が集まっているその中での言葉だった。
「それでそんなこと言うなよ」
「いいじゃない。皆知ってるんだし」
「何で知ってるんだよ、おい」
「だから見ればわかるから」
 笑いはくすくすとしたものになっていた。
「だからなのよ」
「ちっ、何でなんだよ」
「嫌とか?」
「それはな」
 そう言われるとだった。言葉を濁す狭山だった。
「別に何もないけれどな」
「ほら、言ったわね」
「くそっ、何でこうなるんだよ」
「気にしない気にしない」
 また話す津島だった。
「それでだけれど」
「ああ。何だよ」
「この後どうする?ケーキでも食べに行く?」
 こう狭山に提案する。
「これからだけれど」
「ああ、いいな」
 狭山もその提案にすぐに頷いた。
「肩の荷が下りたしな」
「次への息抜きの意味でもね」
「次って文化祭か」
「そう、それ」
 まさにその通りであった。
「だからね。それも兼ねてね」
「祝勝と息抜きか」
「両方しても別に構わないでしょ」
 津島はいささか以上にあっさりと述べた。
「それでも」
「まあ俺は美味いもの食べられればそれでいいしな」
 狭山はここでは顔を崩して笑った。
「それじゃあそれでな」
「あんたそういうところ風情ないわね」
 津島は今の彼の言葉には少し目をクールなものにさせた。
「もうちょっとね。美味いぞーーーーー、とか最高だーーーー、とかないの?」
「それで巨大化したり口から謎の光放ったり異次元空間を乱舞するのか?」
「そう、そういうのはないの?」
「あるわけないだろ」
 狭山はそうしたことは即座に否定した。
「そんなの人間ができるかよ」
「まあできたらDNA鑑定必要だけれどね、人間かどうか」
「そうだよ、そんなの人間じゃねえだろ」
 狭山は少し呆れた感じで述べた。
「それに随分昔のアニメだったよな」
「ミスターとか味とかね」
「そうそう、そういうタイトルだったな」
「うちの親がDVD持ってるのよ」
 津島の話である。
「もう滅茶苦茶な演出でね。ガンダムとかより凄いっていうか」
「あれは確かに凄いよな」
「あんたも知ってるのね」
「姉ちゃんが好きなんだよ」
 それで知っているという狭山だった。
 
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