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レーヴァティン

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第六十一話 伊勢へと続く道その五

「五十歳で亡くなっています」
「人間五十年っちゃな」
 これは敦盛の言葉だ、織田信長がこよなく愛していた言葉でもある。
「実際の平均年齢はずっと短かかったっちゃな」
「当時は乳幼児の死亡率も高く」
「癌とかになったら助からないっちゃしな」
「些細な怪我や病気からです」
 医学がまだまだ未熟な時代ではだ。
「命を落としていたので」
「平均年齢は短いものだったっちゃな」
「はい、しかし」
「生きている人はっちゃな」
「五十位がです」
「普通っちゃか」
「平均寿命の短さは乳幼児の死亡率のせいです」
 これが高かったからだというのだ。
「ですから」
「それでっちゃな」
「はい」
 まさにというのだ。
「その分短かったのです」
「平均っちゃからな」
「生まれてすぐ亡くなる子供を入れますと」
 それこそというのだ。
「その分です」
「平均の数字が落ちるっちゃな」
「そのこともあって当時はです」
「平均年齢もっちゃな」
「かなり低かったのです」
 こう愛実に話した。
「今お話している通りに」
「そうだったっちゃ」
「はい、乳幼児の死亡率が高いですと」
「平均寿命はかなり下がるっちゃな」
「七十歳で死ぬ人と零歳で死ぬ赤子二人の平均寿命は三十五歳ですね」
「あっ、そうなるっちゃ」
「そういうことです」
 良太は冷静に話した。
「要するに」
「よくわかったっちゃ」
「はい、その様なことなので」
「数字のトリックでもあるっちゃな」
「乳幼児の死亡率がですね」
「まさにそれだっちゃ。そしてっちゃな」
「乳幼児の死亡率が低くなりますと」
 そうなると、というのだ。
「平均寿命は上がります」
「それがかなり大きな要因っちゃな」
「そして難病の問題を解決していきますと」
 医学の進歩によってだ。
「余計にです」
「いいっちゃな」
「はい、そしてこの島でもです」
「医学の進歩も大事っちゃな」
「そうです、ただ不老長寿は」
 良太はこの問題に話を戻してそれで話した。
「やはりです」
「ないっちゃな」
「この世界でも不老不死はないですね」
「復活の術はあるっちゃが」 
 それでもとだ、愛実は腕を組み考える顔になって答えた。
「それでもっちゃ」
「不老不死となりますと」
「ないっちゃ」
 良太に対して断言で答えた。
「不死身の人間はいないっちゃ」
「そうですね」
「不老長寿もっちゃ」
「ないですね、確かに虎のその部分は漢方薬であり」
「身体にいいっちゃか」
「そうでしょうが」 
 しかしとだ、良太はその顔を曇らせて愛実に話した。 
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