巫女巫女パニック
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第六章
「あと強引な人は古武術でノックアウトしてきました」
「えっ、強引なのが好きなんじゃ」
「告白されてきて私を受け入れて下さるのなら」
そうした相手ならというのだ。
「構いませんが」
「それでもなんだ」
「はい、告白を経ていませんと」
それではというのだ。
「古武術で」
「そうだったんだ」
「そしてその私をです」
顔を赤くさせたまま言う秋穂だった。
「辻君は受け入れて下さったので」
「それでなんだ」
「はい、それならです」
秋穂の方もというのだ。
「宜しくお願いします」
「わかったよ、僕本当に山田さんが好きだから」
ここまで聞いて笑顔になってだ、遥は秋穂に答えた。
「これからもね」
「はい、お願いします」
「お互いにね」
こう二人で話す、しかしだった。
ここでだ、遥は秋穂に必死の顔で釘を刺すのも忘れなかった。
「ただね」
「ただとは」
「山田さんが言う様なことは十八歳になってからだよ」
「キスやフェ〇チオやレイ〇はですか」
「後の二つ、特に最後は問題外だから」
「フェ〇チオは普通では」
「それ漫画だよね」
やはり必死に言う遥だった。
「それは」
「いえ、現実の男女交際ではです」
「普通なんだ」
「私が下になることも後ろになることも跨ることも」
体位もというのだ。
「そしてです」
「そして?」
「コスプレもです」
巫女姿のままで言うのだった。
「ごく普通です」
「そうなのかな」
「SMも。辻君に喜んで鞭で叩き叩かれ縛って縛られて」
「そんな趣味ないから!」
そこは全力で否定した遥だった。
「というかそんな趣味の人も実際にいるの!?」
「いますが」
現実としてという返事だった。
「ですから辻君さえよければ」
「だからそんな趣味ないから」
「そうですか、そして十八歳になったらですか」
「その時からだよ、ましてや山田さん巫女さんじゃない」
彼女のアルバイトのことも話すのだった。
「それじゃあそうしたことは大事にしないと」
「純潔は守る」
「うん、そりゃ僕だってキスとかはしたいよ」
そこから先は恥ずかしくて言えなかった。
「けれどね」
「私が巫女だから余計にですか」
「しないから」
「そうですか、私を大事にしてくれているのですね」
「そのつもりだから」
「有り難うございます」
ここまで聞いてだ、秋穂はその顔をこれまで以上に赤くさせてそうしてだった。遥にこう返した。
「私辻君に告白してもらってよかったです」
「僕に」
「そこまで私を想ってくれている人ですから」
だからだというのだ。
「宜しくお願いします」
「じゃあ」
「またデートをして下さい」
遥に顔を少し赤らめさせて言った、そうして彼に家までエスコートしてもらって帰った。家の玄関で手を振って笑顔でまた明日と言い合って別れた。
その次の日だ、秋穂は遥に朝から言った。
「今日の私は穿いていません」
「穿いてないって何を?」
「もっと言えば着けていません」
制服姿だが言うのだった。
「ショーツもブラも」
「それどうしてかな」
「辻君が何時私を襲ってきてもしやすい様に」
「だからそんなことは十八歳からだから」
「ですが劣情に襲われるかも知れないので」
「そこは必死に我慢するから!」
今日もこうした調子だった、だがそれでも楽しく交際している二人だった。既にかなり強くなっている絆を感じながら。
巫女巫女パニック 完
2017・10・15
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