転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2090話
ラルとハモンがサイド7に行くという話をすると、当然のように酒場にいたラルの仲間達は全員がそれに反対した。
それ以前に俺が魔法使いであるという話も当然のように信じられなかったのだが……その辺りは、影槍や炎獣を見せる事で、取りあえず納得させている。
おかげで余計に俺を見る目が厳しくなり、それがラルとハモンがサイド7に行くのを反対させる要因になった訳だが。
「すまんな、アクセル。もう1人だけ頼む」
「……後1人だけだぞ」
結局、ラルとハモンだけでは何かあった時に危険だと判断され、もう1人……俺がこの酒場に入ってきた時に伝言を頼んだ、コズンという大柄な男がラルやハモンと一緒に来るという事になった。
そうしてラルやハモン、コズンがそれぞれサイド7に向かう準備……銃火器の類とかそういうのを用意している間に、タチとかいう男がどこからか宇宙服を持ってくる。
ちなみにこの宇宙服は、MSパイロットが着るパイロットスーツを兼ねているらしい。
いや、パイロットスーツが宇宙服を兼ねているのか。
ともあれ、宇宙服と聞いて想像するようなゴツい服ではなく、言ってみれば普通の服のようにも思える。
その辺にいた奴に話を聞いてみたところ、一応俺が想像しているような重装型とでも呼ぶような宇宙服もあるらしいが、機能的にはこのパイロットスーツとそう変わらないらしい。
当然そういうパイロットスーツなので、値段的にも重装型の宇宙服よりも高価だとか何とか。
機能が同じで小型化されているのであれば、それも当然か。
ちなみにそのパイロットスーツで使うエアー……酸素ボンベの予備も幾つか用意され、それは俺が空間倉庫に収納しておいた。
最初に魔法を見せたせいか、空間倉庫を見ても殆ど驚かなかったのは……喜べばいいのか、悲しめばいいのか。
「クランプ、可能であればゲラートに連絡を取ってみてくれ。……もっとも、あいつは今は戦場にいる筈だ。かなり難しいだろうが……」
「何とかして見せますよ、ラル大尉。……タチ、どうにか出来るか?」
「自分に丸投げですか? パプア級に手を回すのも大変だったのに。まぁ、やってはみますけど」
そんなやり取りを終えると、出発の準備が完了する。
「じゃあ、行くぞ」
パイロットスーツを着ているラルとハモン、コズン、そして軍服のままのタチに声を掛けると、4人は前もって言っておいたように俺の側に近寄ってくる。
そんな4人に他の面々が色々と声を掛けているのを見ながら、俺は影のゲートを展開する。
「ぬぅっ!」
「きゃっ!」
「うおっ!」
「うわぁっ!」
それぞれ、三者三様――四者四様か?――の声を上げ、ラルの仲間達も4人――俺を入れれば5人――が影に沈んでいくのを見て、驚愕の声を上げていた。
一応影のゲートがどういうものなのかは説明しておいたのだが、まさに百聞は一見にしかずって奴なんだろう。
ともあれ、そうして全員が影に沈み込み……すると次の瞬間、俺達の姿は宇宙港の中、正確にはそこに置かれているコンテナの隙間にあった。
俺は別にその事に驚きはしなかったし、色々と驚いていたラルとハモンは我に返るのは早かった。だが、幾つか魔法を見ても実際に転移魔法をその身で体験したコズンとタチの2人は、我に返るのに若干の時間が掛かる。
「コズン、タチ」
『っ!?』
ラルが自分の名前を呼ぶと、その2人もようやく我に返る。……だが、ラルがその2人を叱責するような真似をしないのは、やはり驚くのはしょうがないと思っているからだろう。
「少し待っていて下さい。話を付けてきますので」
そう言い、タチは俺達の前を足早に立ち去り、少し離れた場所にいた顔見知りらしい相手と短く言葉を交わす。
少ししてタチから合図があり、俺達はそちらに近づいていく。
「では、この4人を案内してくれ。今回の件は情報局の方に色々と関係しているので、お前はこの4人を艦の中に案内したら、その事はもう忘れてくれ。いらない騒動に巻き込まれたくはないだろう?」
ラルの前にいる時とは違い、タチは十分に軍人らしく思える。
……にしても、タチは情報局に所属しているのか。
「は!」
敬礼したその軍人は、俺達をパプア級の中に案内する。
俺以外の3人はパイロットスーツを着てバイザーも降ろしているので、ちょっと見ただけではその正体は分からない。
もっともラルとコズンの2人はともかく、ハモンの場合はそのボディラインから女であるというのは一目で分かるのだが。
「タチ中尉が用意した部屋はここになります。出発までもう少し時間がありますので、もう少々お待ち下さい」
そう言いながら、兵士は敬礼をして出ていく。
あの兵士、俺達の事はなんて思ってるんだろうな。
いやまぁ、普通に考えれば間違いなく情報局云々ってのに関わり合いたくなくて、こっちに近づいてこないという可能性が高いか。特にあの様子だと。
この部屋に案内して、出ていく時にこっちに向ける視線には嫌悪……とまではいかないが、出来るだけ関わり合いたくないという表情があったし。
「情報機関って怖がられたりする事はあるけど、あそこまで怖がられるのは何か理由があるのか?」
「……キシリア機関という情報機関がある。その影響が強いのだろな」
「キシリア機関? その名前からして、キシリア・ザビの持つ情報機関か?」
「そうだ。キシリアはギレンと政治的な対立をしている。その関係で、キシリア機関は色々と非合法な活動をしており、それが知られているのだろう」
俺の言葉にラルが答え、それからパプア級が出発するまでの間、セイラの家では知る事が出来なかったジオン軍のあれこれを色々と聞かされるのだった。
「さて、じゃあ、そろそろ行動するか」
パプア級が出発してから、2時間程。
俺達がパプア級に乗り込んでから出発するまでにも1時間程あったので、既に3時間。
宇宙なので夜とかそういうのは特に気にしなくてもいいのだが、取りあえず時間を確認すれば、そこに表示されているのは午後8時ちょっと前。
……何だかんだと、俺は今日この世界にきたばかりなんだが、今日1日で本当にどれだけ色々とあったのやら。
それこそ、セイラは今日1日……いや、俺と会ってから数時間で建国を決め、実行に移し始めたのだ。
建国ってその場のノリとか勢いでするようなものじゃないと思うんだけどな。
もっとも、セイラの場合はニュータイプ能力でこの世界の未来――ニュクスのせいでかなり虫食い状態だったが――を見たり、俺の記憶を見てシャドウミラーがどのような存在で、これまでどのような事をしてきたのかを体験したので、その場のノリと勢いという言葉は相応しくないのだろうが。
ともあれ、俺はその時間ラルからサイド7では分からなかったようなジオンについての情報や、この戦争に関しての話、MSというのはどのような兵器なのか……といった事を色々と詳しく説明して貰った。
ただ、あくまでもその情報を得たのは全てが俺の方だけでしかない。
一応シャドウミラーについてもう少し詳しい説明をしようか? とも尋ねたのだが、俺から話を聞いて変な先入観を持つより、自分の目でしっかりと見て判断をしたいと言われれば、それを否定するような真似は出来ない。
ともあれ、そんな感じで2時間が経ち……
「よし、じゃあそろそろいいだろ。ズム・シティからも十分に離れたし、レーダーの類にも見つからない筈だ。……ミノフスキー粒子を撒いてる状態なら、そういうのはあまり気にしなくてもいいんだけどな」
「ミノフスキー粒子を散布するのは、基本的に戦闘が開始してからか、する直前だ。でなければ、敵が近づいてるかどうかも分からないだろう」
そう言われればそうなのだが、俺達が行動するのにミノフスキー粒子が撒かれていると便利だったのは間違いない。
それこそ、ズム・シティの周辺にミノフスキー粒子が撒かれているのが最善だったような気がする。
いや、そうなるとレーダーの類にも色々と不具合を起こすのか。
もっとも、もう終わった事だし、今はそこまで考えなくてもいいか。
「取りあえず移動するぞ。酒場の時みたいに、俺の周囲に集まれ」
そう言うと、ラル、ハモン、コズンの3人は揃って俺の側までやってくる。
タチの手引きで俺達をこの部屋に通した乗員は、次にこの部屋に来た時に俺達の姿がなく、パプア級のどこにも俺達の姿がないと知ったら……さて、どう思うんだろうな。
ちょっとだけその辺が興味深い感じはしたが、今はそれよりも先にやるべき事がある。
そんな訳で、再び三者三様の悲鳴を響かせながら、次の瞬間には俺達の姿はパプア級の外側に出ていた。
ラル達はパイロットスーツを着ており、俺は混沌精霊だから宇宙でも素のままでも平気だ。
……もっとも、ラル達はそれを知っていても実際に見ると違うのか、俺が何も付けていない状態のままで宇宙空間にいる所を見て、驚きを露わにしていたが。
ともあれ、少し周囲の様子を見て……少し離れた場所に隕石があるのを見ると、すぐにそっちに向かって飛ぶ。
当然のように、俺だけではなくラル達を抱えてだ。
その後は、それこそ俺がズム・シティに忍び込む時と同じ要領でミロンガ改を空間倉庫から取り出し、俺がそれに乗ってラル達はミロンガ改の掌の上に乗せ、ASRSを起動してパプア級から大きく離れ、同じくファブニールを取り出して、量産型のシステムXNでサイド7の近くまで転移するだけだ。
「……何と言えばいいのか、言葉も出ん」
気が付けばサイド7の土を踏んでいたラルが、呆然と呟く。
まぁ、無理もない。
ズム・シティがあるサイド3は、地球から見て月の裏側にあるのに対して、サイド7はサイド3から見て地球の裏側といった位置にある。
簡単に言えば、サイド3とサイド7はそれぞれ一番離れた場所にあるという事なのだ。
本来であれば……どのくらいの移動時間が掛かるんだろうな。
1日程度で移動するのが無理なのは確実だろう。
それを僅か数時間……いや、パプア級から脱出した後だと、十数分といった程度で到着したのだから、ラルが言葉も出ないといった風に呟くのも当然だろう。
「お前達がそのままパイロットスーツを着てれば目立つから、脱げ」
ジオン軍のパイロットスーツは緑をベース色にしており、誰が見ても連邦軍の物と違うと認識出来る代物だ。
そしてここは、地球にもっとも近いサイド7。
ここでジオン軍のパイロットスーツを着ていれば、それは当然のように目立つ。
ラル達もそれを理解しているのか、その辺の物陰に隠れてパイロットスーツを脱いでくる。
もっとも、本来ならパイロットスーツはアンダーウェアの上から着るのだが、今回は普通の服の上から着ているので、別にその下が下着だとかそういう訳ではない。
ましてや、俺達がいたのはエデンという酒場で、そこには軍服を着ているような者は殆どいなかった。
つまり、ラル、ハモン、コズンの3人は全員がパイロットスーツの下は私服だった訳だ。
「それで、姫様はどちらに?」
ラルにそう言われ、俺は周囲を見回す。
見回す。
……見回す。
…………見回す。
あれ? ここどこだ?
そもそもの話、俺は今日この世界に来たばかりなのだから、サイド7の地理を詳しく知ってる訳ではない。
せめて、セイラの家の側まで行けば、話は別だろうが。
「あー……悪い、ちょっとここがどこかが分からないな」
「……アクセル?」
ラルが睨むような視線をこっちに向けてくるが……そんな目で見られてもな。
そう迷っていると、ふと少し離れた場所にある自販機の前に今の俺と歳の近い男がいることに気が付く。
「ちょっと待っててくれ。医療ボランティアの連中がどこに住んでいるのか、聞いてくる」
ラルとかコズンとかに聞きに行かせれば、威圧感がありすぎる。
かといって、ハモンを行かせれば……ナンパされかねない。
いやまぁ、ハモンの年齢は20代くらいだから、俺と年齢が近いと思われる奴のナンパに引っ掛かったりはしないだろうが。
ただ、それで断られてはいそうですかと頷くかと言われれば……微妙なところだろう。
今の俺が言うのも何だが、このくらいの年齢ってのは血の気が多いからな。
「なぁ、ちょっといいか?」
「あん? 何だよ? このカイ・シデンに何か用でもあるのか?」
どこか斜に構えている感じの男だったが、別に喧嘩を売りたい訳ではないので素直に尋ねる。
「医療ボランティアでやって来てる連中がいるだろ? その連中がどこに住んでるのか知ってたら、教えてくれ」
「医療ボランティア? へっ、あの偽善者達に、どんな用があるんだよ?」
「それはお前には関係ないと思うが? 取りあえず知ってるのなら知ってる、知らないなら知らないと、はっきりしてくれ」
じっと男を見ながら尋ねると、そんな俺の行動に何かを感じのか、カイは半ば反射的に1歩、2歩と後退る。
へぇ、どうやら勘は悪くないみたいだな。
そう思っていると、やがてカイは不承不承といった感じて、その場所を口にする。
……幸い、ここからはそう離れていないのは幸いだろう。
「分かった。じゃあな。助かった」
俺はカイにそれだけを言い、ラル達の下へ戻る。
よく考えてみれば、わざわざ尋ねなくても、普通に影のゲートで移動出来たんじゃないか? と、思わないでもなかったが……まぁ、その辺はサイド7の住人と触れあいたかったという事にしておくとしよう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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