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空に星が輝く様に

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200部分:第十五話 抱いた疑惑その四


第十五話 抱いた疑惑その四

「あのチビがいつも傍にいて手出ししにくいし」
「あのチビも鬱陶しいわね」
「全く」
「それにその彼氏も馬鹿な奴みたいだし」
 相手が誰かわからない。しかしそれでも馬鹿にして言った。
「だからね」
「放っておいてもいいか」
「それじゃあ」
「馬鹿は放置ってことで」
「精々幸せになるといいわ」
 星華を見て馬鹿にした顔で述べたのだった。
「精々ね」
「じゃあ私達は見てるだけってことでね」
「何もしない」
「相手が弄ばれるのを見てるだけで」
「ああいう奴って男騙して楽しむからね」
 星華も三人もここでも誤解を確信だと錯覚していた。そのうえでの言葉だった。
「それで痛い目見るといいのよ」
「何か中学校で男の子が告白してきてそれをいつも断って相手が落ち込むの見て楽しんでたらしいしね」
 これは野上の言葉だ。
「私の中学校の時の友達から聞いたのよ。同じ高校にあいつと同じ中学の娘がいてそこからね」
「えっ、何それ最悪」
「性格凄く悪いじゃない」
 それを聞いて州脇も橋口も言った。
「そんな奴なの」
「言われてみればそんな感じよね」
「確かにね」
「だからね」
 野上は意地悪そうな、悪意のある笑みを浮かべて述べた。
「その彼氏も最後には痛い目を見るわよ」
「自業自得ね」
 星華は野上のその話を聞いて馬鹿にした笑顔で述べた。
「悪い女に引っ掛かるからよ」
「そうよね、本当にね」
「彼女は選べっての」
「そうそう」
「私も。そうね」
 星華はここでまた陽太郎の顔を脳裏に思い浮かべた。
「そう思うわ」
「そうでしょう?だからね」
「そいつはどうなってもいいけれどね」
「別にね」
 三人もここで話す。
「まあそれでもあいつは許せないけれどね」
「男たぶらかして遊ぶなんてね」
「とんでもない奴よ」
「全く」
「あいつ、見てなさいよ」
 星華は目を怒らせていた。
「絶対に懲らしめてやるから」
「何する?それで」
「どうしてやるの?」
「考えておくわ」
 星華は今はそこまで考えていなかった。腕を組んで目を怒らせているだけだ。
「けれどすぐにね」
「やっつけるのね」
「そうするのね」
「そうするわ。只じゃおかないから」
 こう話すのである。
「絶対にね」
「そうね、じゃあね」
「そうしよう」
「何があってもね」
 三人も星華のその言葉に頷いた。そのうえで四人で決意を固めるのだった。
 しかしだった。その月美はだ。今も椎名と明るく話していた。
「それじゃあだけれど」
「うん」
 椎名の言葉に少しだけ明るい顔で応える。
「今度は何をすればいいの?」
「暫くはこのままでいい」
 これが椎名の返答だった。
「このままで」
「何もしなくていいの」
「キスは大勝負だった。それに勝ったから」
「今は何もしないの?」
「そう、むしろ動いたら駄目」
 これが椎名の提案だった。
「むしろ」
「そうなの」
「そう、動いたら駄目」 
 月美に対して強い顔で答えた。
 
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