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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第一幕その九

「ハウス栽培だって何時でもどんなお野菜や果物が食べられて」
「栄養だってそうですね」
「そうだよ、収穫の季節や栽培している土地のことを考えると」
「採れた作物の栄養が極端に低いとか」
「それはですね」
「一概に言えないよ」
「そうですか」
「そう、本当にね」
 それこそというのです。
「そこまで考えて言ったり書かないと」
「よくないですね」
「それが売れている漫画とかだったらね」
 まさにその料理漫画です。
「世の中に与える悪影響は計り知れないよ」
「テレビでもそうですね」
「日本でもイギリスでもテレビの影響は大きいよね」
「そして害毒も」
「そう、これはどうも日本だけじゃないよ」
 テレビの害毒、それはというのです。
「本当にね」
「それが現実ですね」
「そう、それでお花や草木のことに戻るけれど」
「虫ですね」
「どうしたものか」
 本当にというのです。
「考えていかないとね」
「さもないと植物園が荒れたままですからね」
「そう、明日正式に引き受ける話が決まるけれど」 
 それでもというのです。
「今からね」
「考えていきますね」
「そうするよ、それとね」
「それと?」
「晩御飯は何かな」
 今日のそれはというのです。
「一体」
「あっ、晩御飯ですね」
「うん、何かな」
「はい、鮟鱇鍋です」 
 トミーは先生ににこりと笑って答えました。
「このお鍋です」
「鮟鱇鍋なんだ」
「それです」
「いいね、鮟鱇もね」
「美味しいですよね」
「大好きだよ」
 先生が日本に来て知った味です。
「あのお鍋もね」
「鮟鱇自体が美味しいからね」
「肝が特に美味しいんだよね」
 王子もお話に入りました。
「鮟鱇は」
「そうなんだよね」
「そう、そしてね」
「肝もだね」
「食べたいんだ」
 鮟鱇は是非にというのです。
「それでね」
「勿論用意してるよ」
 その肝もと言うトミーでした。
「ちゃんとね」
「そう、それじゃあね」
「今から作るから」
「それではです」
 執事さんがここで動きました。
「私もお手伝いさせて頂きます」
「あっ、すいません」
「いえいえ、では今からですね」
「はい、お野菜を切って」
「鮟鱇は」
「一匹丸ごとお店の人に切ってもらっていまして」
「そちらはですか」
「もうお鍋に入れるだけです」
 それでいいというのです。 
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