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第二章
「文学や芸術への素養もある」
「教養も高い」
「しかも武芸も出来るぞ」
「これが平民か」
「平民出身の者達なのか」
誰もが文武両道だった、それでだった。
彼等は仰天した、そしてアルカードもだった。
彼が得意とする片刃の刀を使った剣術である候補生と手合わせをしたが恐ろしいまでの強さだった。それでだ。
手合わせの後でだ、彼は友人達に話した。
「強い」
「そうだな、かなりの強さだ」
「よく訓練されている」
「馬術も見事だ」
「戦術戦略もよく学んでいる」
「むしろ我々よりも優秀ではないのか」
「それもかなりな」
友人達も驚いていた。
「あの国はかつて武士がいたそうだが」
「今は士族というが扱いは平民と同じだ」
「騎士の様な者達がいたらしいが」
「その武士の様と言うべきか」
「武士は強いな」
「全くだ」
こう話した、そしてだった。
ここでだ、アルカードはこう言った。
「これで私も思った」
「平民出身でもか」
「鍛錬を積み学べばああなる」
「あれだけの強さと教養を備えるのだな」
「軍人としての素養も」
「そうだな、あの強さならばだ」
まさにというのだ。
「あの国は近い将来恐ろしく強い軍隊を持つぞ」
「新しい兵器への興味も深い」
「我が軍よりもそうだな」
「貴族出身の者達は昔ながらの戦術ばかりだ」
「兵器もそこから出ていない」
「旧態依然と言っていい」
「だが彼等は違う」
日本の候補生達はというのだ。
「あれならばな」
「我が軍より強い軍隊になるかもな」
「そうなるかもな」
「そうだな」
こう話した彼等だった、そしてだった。
日本の候補生達が去ってからだ、貴族出身の者達は蒼白になって話した。
「恐ろしい連中だ」
「世の中あんな奴等がいるのか」
「若し連中と敵になったらどうなるか」
「戦いたくないな」
「全くだ」
こうしたことを話していた、それでだった。
アルカードもその彼等を見て言った、しかし彼が言うことは彼等とは違っていた。
「学ぶべきだな」
「彼等をか」
「日本の候補生しいては日本軍を」
「そうすべきか」
「そうだ、そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「彼等の様に強くなるべきだ」
「どうも日本は軍ばかりじゃないな」
「官僚もそうしていっているらしいな」
「優秀な者を階級に関わらず登用している」
「試験の結果でな」
「ならそうあるべきだ」
真剣な声でだ、アルカードは友人達に答えた。
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