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空に星が輝く様に

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188部分:第十四話 夏の終わりにその六


第十四話 夏の終わりにその六

「ネッシーとかな」
「そういうのもあるのね」
「恐竜もひょっとしたらいる」
 椎名はその可能性を否定しなかった。
「ひょっとしたらだけれど」
「ひょっとしたらなんだね」
「うん、それでも」
 今度は赤瀬の言葉に応えた。
「いると思う」
「いるか?」
 陽太郎は椎名の今の言葉には懐疑的に返した。
「恐竜ってよ」
「目撃例はかなり多い」
「ネッシーとかあれか」
「そう、他にも一杯」
「あれって恐竜か?」
 陽太郎が問うのはこのことだった。
「ネッシーって恐竜なのか?」
「違うっていうのね」
「あれ恐竜なのか?本当に」
 そしてだった。陽太郎はここで自説を話した。
「鰻か何かじゃないのか?」
「鰻っていうのね」
「そういう感じに思えるんだよな」
 陽太郎は首を傾げさせていた。そうしてそのうえで話すのだった。
「あれってな」
「鰻なの」
「色が変わったりしてるだろ」
「うん」
 ネッシーの目撃例は不思議なことが多い。色が変わっていたり角があったりする。その他にはコブがあったりなかったりしているのである。陽太郎もこのことを話した。
「魚って。鯰とか色変わるだろ」
「それを言うのね」
「あれじゃないのか?」
 こう話すのだった。
「だから鰻かなにかじゃないのか?」
「そうかしら」
「椎名は恐竜だっていうのか」
「うん」
 椎名はあくまでそう主張するのだった。
「そう思うけれど」
「どっちもネッシーはいるって思ってるんだ」
 二人に言ってきたのは赤瀬だった。
「どちらにしても」
「赤瀬は?」
「僕もいるとは思うよ」
 それは彼も同じだった。それを確かに言う。
 しかしだった。ここで彼はこう主張した。
「あれは鯨か海驢だろうね」
「海驢なのね」
「そう、海驢じゃないかな」
 こう主張するのだった。
「あれは」
「鯨か海驢か」
「そうじゃないかな」
 陽太郎にも答える。
「僕はそう思うよ」
「ううん、どうなんだよそれ」
「斉宮は違うっていうんだね」
「俺はやっぱり鰻か何かだと思うんだがな」 
 あくまでこう言うのだった。
「違うか?それは」
「僕は海驢だと思うよ」
「実際にどれだろうな」
「そうよね」
 狭山と津島は三人の話を聞いてもどれか言えなかった。
「どれなのかはな」
「いるとは思うけれど」 
 こう考えているのは二人も同じだった。宿題のレポートをしながらそんな話をしていた。そしてこのことを自分の家に来た月美にも話した。
「って話してたんだよ」
「愛ちゃんらしいですね」
 その話を聞いた月美は微笑んで述べていた。二人は今陽太郎の家のリビングのソファーに向かい合って座ってだ。そのうえで話をしていた。
 
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