マイ「艦これ」「みほ3ん」
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EX回:第66話(改1.5)<眼下の敵>
前書き
突然、深海棲艦の襲撃を受けて混乱する会議室。司令は艤装のない艦娘の無力さを痛感させられるのだった。
「艤装が無ければ私たち単なるフネね」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第66話(改1.5)<眼下の敵>
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比叡が、どこからともなく探照灯を取り出して照らしだした。
「いつも持っているのかよ、それ!」
私が言うと
「えへへ」
比叡は舌を出した。
「まあいい、明かりがあるのは助かる」
『警備は何をしていた?』
爆音に交じって私たちに背後で悔しそうに叫ぶ警察担当。
『これが連中で……普通の兵器では抵抗不可です』
ブルネイ提督が説明している。
確かに深海棲艦相手では無理だろう。その間にも外では轟音と銃撃が続く。
『王国軍の担当保護、救出を最優先させてください!』
頭を押さえながら女性秘書官が叫ぶ。
(やはりあの男性は身分の高い人なんだ)
まさか深海棲艦の狙いが彼だとは思いたくないが。
「私も護衛いたします!」
ブルネイの比叡2号が立候補する。それを聞いて私は反射的に命令した。
「龍田さん! ブルネイの比叡と共に彼を保護して脱出だ!」
「了解」
美保比叡の探照灯に半身が照らされた龍田さん。刀を手にして、ちょっと不気味な笑みを浮かべた……怖いな。だが 彼女なら任せても大丈夫だろう。
ブルネイ提督も叫ぶ。
「ブルネイの龍田と伊勢は女性秘書官を保護し脱出、援護せよ!」
『了解』
女性秘書官も振り返る。
『感謝します!』
礼を言いながら彼女は盛んに無線で連絡を取っていた。だが、かなりノイズが多いらしく何度も聞き返している。
銃撃や爆破音は、まだ続いて次第に激しさを増している。敵の本体が近づいているのだろう。脱出するなら早いほうが良いが……船で大丈夫なのだろうか?
『我々は外へ出ます』
ブルネイの軍と警察関係者は様子を伺って順次、外へ出る。
最後に出ようとしていた警察官はチラッと私たちを振り返って言った。
『状況を確認。脱出可能な場合は直ぐに連絡します』
『お願いします!』
女性秘書官は短銃を構えつつ『王宮男性』を意識しながら答える。肝心の彼は大人しく床に伏せて動かない。
(生きているよな?)
いや案外、彼もこういう修羅場には慣れているのかもしれない。
改めて周囲を確認した。美保の艦娘たちは龍田さんと日向以外は、ほぼ丸腰だ。
「あぁ、しまったなあ」
夕張さんが悔しがっている。そういえば彼女も私も丸腰だ。
(せめて南部くらいは持っておくべきだったな)
ワンテンポ遅れて祥高さんが夕張さんに聞いている。
「今は秘密兵器はないの?」
「残念ながら……完全に休暇モードでした」
さすがの夕張さんも頭をかく。手持ちは無しか。
「せめて二式大艇が動かせたら……あれの機銃は艦娘仕様だから」
思い出したように呟く彼女。
それを聞いて私とブルネイ提督は顔を見合わせた。
「伊勢!」
「はい!」
ブルネイ提督に突然振られて驚く彼女。
「すぐに泊地司令部に連絡、美保の二式大艇を出させろ!」
「は……」
慌てた伊勢だったが私の同意を求めるように、こっちを見る。私は親指を立てて大丈夫だという指示を送った。
「了解」
直ぐに彼女は無線で通信を始めた。
その間にも外の爆破音や水しぶきの音が次第に近づいている。
金剛が呟く。
「悔しいネ。艤装が無ければ私たち単なるフネね」
フネ……その言葉で私は閃いた。
「それだよ!」
「は?」
キョトンとした表情の金剛。
構わず私は続ける。
「フネだっ! お前たちは艤装がなくても普通に水に浮けるんだよな?」
「oh!」
金剛は合点がいったようだ。ブルネイ提督も『あ、そうか』という顔をしている。
だが祥高さんは直ぐに否定した。
「司令、それはあまりにも危険過ぎます。要人を……背負って渡るってことですよね?」
「そうだ」
「今は戦闘中ですよ!」
私たちの会話で、その場にいた他の艦娘たちも状況を理解したようだ。
「秘書艦……」
ここで日向が軽く手を挙げる。
「戦艦クラスであれば人間を背負うくらい問題はない」
直ぐに伊勢も加勢する。
「そうそう、回避能力も普通の小舟の比ではないから」
「……」
祥高さんは黙った。伊勢型姉妹が淡々と言うのは説得力あるな。
そのとき寛代が鋭く呟いた。
「来る!」
こいつが『来る』っていうときは、だいたいロクなことがない。
「伏せて!」
寛代が叫ぶと同時に室内の全員が頭を下げる。次の瞬間、窓の外が明るくなり轟音が響き渡った。
ここは水上にあるはずの建物だが全体が大きく揺れてミシミシという異音と共に窓ガラスが割れた。室内にも無数の破片が飛び込んで来る。
『横の建物が破壊!』
誰かが叫んだ。
「……まずいな」
もはや、この場所に留まっていること自体が危険な状況だ。
「猶予はない! 盾になるものを持って艦娘を先頭に屋外へ退避! 電探がある者は警戒!」
私は叫んだ。
既に夜だ。暗闇で水上集落の入り組んだ場所ではゲリラのほうが圧倒的に有利だ。しかも連中には地場だ。地理も詳しいだろう。
「今回は油断したな」
私の言葉に提督も返す。
「まさかこんなところまで連中が嗅ぎ付けていたとは」
水上集落だから戦車は来ないだろうが、よく考えたら水上って事は深海棲艦の庭みたいなものだ。
まだ外からは爆音や射撃音が続いている。
「平和なブルネイの都で、この有様じゃ……あまりにも申し訳ないな」
「だが起きてしまったものは収拾するしかない」
ブルネイ軍や警察関係者は結局、戻ってこない。
「苦戦しているのか」
「とりあえず出よう。このままでは袋の鼠だ」
まずは日向がドアの外を窺い安全を確認する。そして先に屋外へ出ると、扉を盾にしながら軽く手招きをした。
続けて壊れた机や椅子を盾代わりにしながら夕立、金剛、比叡、と続く。
寛代は索敵を継続。
「下……」
思わず全員が下を見る……そこでゾッとした。水中を赤い光を灯した黒いものが高速で通り過ぎたのだ。
冷や汗と同時に鳥肌が立った。これは、かなりマズイ。
以下魔除け
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後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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